認知症看護特定認定看護師
認知症看護
特定認定看護師
草川 千恵
2021年に、認知症看護特定認定看護師の資格を取得しました。今や認知症は誰もが関わる可能性のある身近な病気となり、2025年には65歳以上の高齢者5人に1人が認知症になると推計されています。
認知症の方が入院すると、次のような苦痛や困難を体験されます。入院に伴い、住み慣れた自宅から病院へと物理的環境が変わり、家族から医療者へと社会的環境も変化してしまいます。それに、病気の治療のため医療処置が新たに加わります。認知症の方は一般の高齢者に比べて環境の変化に弱く、入院に伴う様々な環境の変化にさらされることにより、身体的・精神的に負担となり、入院中に身体機能の低下や認知症の進行を招くリスクがあります。その上、認知症の方は記憶障害や言語障害などにより、病気の症状や処置による苦痛をうまく医療者へ伝えることができないのです。
認知症看護特定認定看護師として、入院に伴う環境の変化で苦痛や困難を抱えている認知症の方が、安全に治療を受けることができ、入院後も自分らしく過ごせるように、そして早期に退院できることを目指して介入を行っています。具体的には、無機質な病床を少しでも住み慣れた自宅に近づけるようなレイアウトにしたり、点滴や治療に必要なチューブ類が気にならないような工夫を行ったりしています。そして、苦痛をうまく訴えられない認知症の方の表情やしぐさを捉え、全身の観察を行い、隠された身体異常を察知してケアへ繋げています。そのためにも、スタッフに対する指導や教育も重要な特定認定看護師の役割の一つであり、院内で認知症に関する研修会を実施したり、近隣の看護専門学校へ講義を行ったりもしています。
認知症の方が「地域で自分らしく暮らすことができる」よう、活動していきたいと思いますので、認知症に関する困りごとがありましたら、いつでもご相談ください。
施設や医院で働く方々に向けた出張研修会などを行いますので、s.saeki@nishijinhp.com(佐伯)のメールか、地域医療連携室に是非ご相談ください。お待ちしております。
<出張研修会内容の例>
●感染管理認定看護師
「新型コロナウイルス感染対策について」
「感染性吐物・排泄物処理方法について」
●透析看護認定看護師
「腎臓の悪化に気づくポイント」
●皮膚・排泄ケア特定認定看護師
「褥瘡の予防・治療ケア」
「高齢者の失禁管理」
症例検討など
この他にもご希望がございましたら、ご相談ください。