(この記事は2019年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
薬剤部 薬剤師 大竹 優樹
「春眠暁をおぼえず」とは中国の故事で、「春の夜は気持ちよく眠れるので朝が来たことにも気が付かず寝過ごしてしまう」という意味だそうです。しかし患者さんの中には睡眠障害で悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。
睡眠障害に使用される睡眠薬には、寝つきが悪い方(入眠障害)、途中で起きてその後眠れない方(中途覚醒)など、症状に応じて超短時間作用~超長時間作用の様々な種類の薬があります。最近は睡眠に深く関わるホルモンに作用することで、睡眠と覚醒のリズムを整え、脳とカラダを「寝つきやすい状態」にするという新しいタイプの睡眠薬もでています。睡眠薬を希望する場合には、悩んでいる睡眠障害のタイプ(入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒)を医師へ伝えてよく相談しましょう。また睡眠薬の服用によって、ふらつきや翌朝まで持ち越されるような過度の眠気から、転倒や骨折、嚥下障害などのリスクを高めてしまうというデータがあり副作用には注意が必要です。
睡眠障害には睡眠薬の利用だけでなく、生活習慣の見直しも重要であることがわかっています。
睡眠障害を感じたら以下のような生活習慣の見直しを試してみましょう |
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アルコールの摂取は一時的に睡眠導入効果がありますが、浅い睡眠となり睡眠障害の対応には向いていません。またアルコールと睡眠薬の併用は過剰な眠気・脱力・呼吸抑制などの副作用のリスクが高まるため、大変危険ですので避けましょう。
春は気候もよく、過ごしやすくなりますよね。暁が来たら、毎朝決まった時刻にしっかり起きて春を楽しみましょう! 睡眠薬の使用方法についてご不安な方は、医師・薬剤師までご相談ください。