西陣だより

新年のごあいさつ

(この記事は2020年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院、西陣病院 院長 伊谷 賢次

西陣病院 院長 伊谷 賢次


新年明けましておめでとうございます。

皆様には、さわやかな新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。また、昨年中、当院に賜りました数々のご厚情とご支援に対しまして、職員一同心より御礼申し上げます。

昨年も大型台風到来による暴風や記録的な豪雨により、関東地方を中心に多くの人が被災されました。特に、真夏での長時間の停電は、医療福祉施設でも、エアコンが使用できなくなり、熱中症のリスク化が高く、転院を余儀なくされた様子をテレビ画面から目の当たりにしました。今後も、地球温暖化による今までに経験したことのない異常気象は頻繁に起こることが予想され、医療機関は今まで以上に様々な災害対策の必要性を痛感しました。当院では、電源設備の拡充工事を昨年10月より開始し、今年7月まで行います。長時間の停電時にも人工呼吸器などの非常用電源以外に、エレベーターやエアコンなどの電源も確保できるようになり、安心で安全な病院を目指します。また、工事期間中は、地域住民の皆様には、交通規制などのご不便をお掛けしますが、ご理解・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

また、昨年10月より消費税が8%から10%に増税されました。消費税増収分の一部は社会保障の充実にあてられることになっていますが、国民の生活はもとより、病院経営にとっても厳しい増税となりました。また、今年4月に2年ごとの診療報酬改定がありますが、医療費抑制政策によりマイナス改定が予想され、良質な福祉医療の継続には大きな不安があります。このような厳しい状況でも、当院の目指すべき目標は、設立当初からの基本方針である、「地域に密着した良質な医療を高いレベルで提供する」ことです。

今年も、地域のニーズに合った急性期病棟、地域包括ケア病棟、障害者病棟のケアミックス病院としての診療体制を維持していきます。急性期病棟では、高齢者の多い地域で、透析患者さんと同様に、多くの合併症を持った患者さんが多く、内科系・外科系・画像診断医・麻酔科医などによるスピーディーなチーム医療を行います。今年4月の診療報酬改定でも、包括医療費支払い制度方式(DPC)は導入せず、開業医の先生方からのご要望や患者さんの病態にあった医療を提供していきます。また、地域包括ケア病棟ではサブアキュート・ポストアキュート・レスパイトなど地域にあった医療を提供していきます。

今後も職員全体が患者さんを主体に考え、良質な医療を提供するためにスタッフ一人ひとりが役割と責任を自覚して努力していきますので、今年一年、さらなるご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

令和二年 元旦

2020年01月01日