西陣だより

漢方薬のあれこれ

(この記事は2019年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 薬剤師 東野 公亮

 

確認しよう  ‒漢方薬の飲むタイミングと飲み方‒

飲むタイミング 食前(ごはんの30分前)もしくは、食間(ごはんを食べて2~3時間後)。

※おなかの中が空っぽの状態の方が、漢方薬の効果が発揮されやすいため。
※食後でも服用できる場合があります。かかりつけ医、かかりつけ薬剤師に確認しましょう。

飲み方 水または白湯。

漢方薬は、症状にあわせて選ばれる薬です。(下記は一例です。)

症   状 処方される漢方薬
腹部膨満感、腹痛 など 大建中湯
体力があり、汗が出ない風邪のひきはじめ など 葛根湯
体力低下、夏バテ、全身倦怠感 など 補中益気湯
こむら返り、筋肉痛 など 芍薬甘草湯

 

漢方薬を飲みやすくするコツ

味やにおいが気になる

漢方薬の独特な味やにおいも、治療の大事なひとつとされています。一般的には水または白湯で服用とされていますが、味やにおいが苦手な方は、オブラートに包む、甘いゼリーに混ぜることで、独特な味やにおいを消す方法や、お茶でも服用できます。

顆粒が苦手

顆粒が苦手な方は、1包あたり100cc ~200ccのお湯に入れ顆粒を溶かして服用しましょう。

漢方薬を飲んで、こんな症状が出たら相談

漢方薬にも副作用があります。すべての漢方薬にあてはまることではありませんが、漢方薬服用後、下記のような症状が出たら、注意が必要です。

漢方服用後に特に注意する症状

空咳(痰のない咳)、発熱、労作時の息切れ、顔や手足のむくみ、脱力感、吐気・嘔吐 など

 

漢方薬は歴史のある薬です。上記以外にも症状に合わせて 薬が選ばれますので、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師と 相談し、漢方薬とうまく付き合いましょう。

2019年07月01日