西陣病院 院長 伊谷 賢次
新年明けましておめでとうございます。
皆様には、さわやかな新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。また、昨年中、当院に賜りました数々のご厚情とご支援に対しまして、職員一同心より御礼申し上げます。
昨年の師走恒例の「今年の漢字」が「災」に決まりました。昨年は大阪北部地震、北海道地震、西日本豪雨、大型台風到来、記録的な猛暑など、日本各地で起きた大規模な自然災害により、多くの人が被災されました。大規模な停電やJRなどの交通機関の運休により、医療機関も通常通りの診療ができない事態も発生しました。今後も、今までに経験したことのない異常気象も頻繁に起こることが予測され、医療機関は今まで以上に様々な災害対策の必要性を痛感した1年でした。一方、昨年のノーベル医学生理学賞を京都大学特別教授の本庶佑先生が受賞されました。本庶先生が記者会見で「この免疫療法で回復された患者さんから『助かったのはあなたのおかげです』と言われることが何よりもうれしい」と話されていました。医療人として患者さんから感謝の言葉を頂くと嬉しい限りですが、本庶先生の画期的な免疫療法が、今後さらに多くの患者さんに効果がある免疫療法へと発展することを願っています。
福祉医療においては、昨年4月診療報酬改定があり、また、今年10月に消費税増税が予定されており、病院経営にとっては厳しいものとなります。当院におきましても、良質な福祉医療の継続には大きな不安があります。このような厳しい状況でも、当院の目指すべき目標は、設立当初からの基本方針である、「地域に密着した良質な医療を高いレベルで提供する」ことです。
昨年末から、2025年高齢化社会に向けて、京都市のブロックごとに地域のニーズに合った医療体制を話し合う地域医療構想調整会議が始まりました。西陣病院は今後も開業医の先生方からのご要望や患者さんの病態にあった医療を提供していくため、急性期病棟、地域包括ケア病棟、障害者病棟のケアミックス病院としての診療体制を維持していきます。
昨年9月には3回目の電子カルテの更新及び多くのパソコン端末機を導入しました。特に、病棟看護師には一台ずつ移動型ノートパソコンを提供し、勤務時間中、できるだけ多くの時間を患者さんに寄り添った看護ができるように環境を整えました。今後も、一般急性期医療と透析医療を車の両輪と考え、2次医療圏で小回りの利くチーム医療を地域にアピールしながら全人的医療を行っていきます。
今後も職員全体が患者さんを主体に考え、良質な医療を提供するためにスタッフ一人ひとりが役割と責任を自覚して努力していきますので、今年一年、さらなるご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。