西陣病院、京都府立医科大学消化器内科では、潰瘍性大腸炎の患者さんにおける臨床経過に関する後ろ向き調査に関する研究を京都・滋賀・大阪の多施設と共同して実施いたします。そのため、過去に西陣病院、京都府立医科大学附属病院、ならびに、協力していただける京都・滋賀・大阪の病院で上記診断を受けられた患者さんの診療録を過去にさかのぼって調査させていただきたいと考えています。 実施にあたり西陣病院倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長より適切な研究であると承認されています。また、共同研究機関においても倫理審査委員会の承認を受けています。
潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis: UC)は小腸、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる炎症性疾患であり、免疫異常、遺伝的要因、食習慣などの様々な要因が複合して発症すると考えられていますが、今なお原因不明の疾患であり、根本的な治療法は存在しません。当院で入院・外来にて加療を受けているUC患者は500人を超えており、その経過もさまざまです。UCは比較的若年者に多く発症するため、若い世代の病気と認識されがちでありますが、60~70歳代で発症する例も存在いたします。現在のところ、小児炎症性腸疾患に対する治療指針に関しては難治性疾患克服研究事業などを中心として作成されつつありますが、高齢者(65歳以上)・高齢発症(65歳以上)患者さんの情報は少なく、特に広範囲な範囲(地方レベルや全国レベル)での情報は非常に不足しております。
日本では罹患年数の長期化に加え、人口の高齢化も伴い高齢者UC患者数は以前より増加しております。特に高齢発症UCは若年者発症UCとは病態が異なる可能性も指摘されています。そのため、高齢発症UCの病態とその特徴を明らかにすることは重要な課題であるといえます。
これらの患者さんに関して、京都・滋賀・大阪の広範囲で調査を行い、治療経過、自然経過を後ろ向きに検討し、解析することは今後のUC診療の方向性を決定づけることにおいて有用であると考えられます。
本研究では高齢発症UC患者さんの臨床経過を後ろ向きに多施設共同で解析することで、その適切な治療選択について検討することを目的とします。
患者さんのカルテ情報をこの研究に使用する際は、氏名、生年月日などの患者さんを直ちに特定できる情報は削除し研究用の番号を付けて取り扱います。患者さんと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、インターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、入室が管理されており、第三者が立ち入ることができません。また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、患者さんが特定できる情報を使用することはありません。
なお、この研究で得られた情報は研究責任者(京都府立医科大学 消化器内科学教室 准教授 内藤裕二)の責任の下、厳重な管理を行い、患者さんの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
【研究責任者】
京都府立医科大学消化器内科・准教授 内藤裕二
【研究担当者】
京都府立医科大学医療フロンティア展開学・准教授 髙木智久
京都府立医科大学消化器内科・准教授 小西英幸
京都府立医科大学消化器内科・講師 阪上順一
京都府立医科大学消化器内科・講師 保田宏明
京都府立医科大学消化器内科・学内講師 内山和彦
京都府立医科大学消化器内科・学内講師 鎌田和浩
京都府立医科大学北部医療センター消化器内科・学内講師 堅田和弘
京都府立医科大学北部医療センター消化器内科・助教 岡山哲也
京都府立医科大学北部医療センター消化器内科・助教 春里暁人
京都府立医科大学北部医療センター消化器内科・助教 福居顕文
京都府立医科大学消化器内科・大学院生 梶原真理子
【共同研究機関】(多施設共同研究)
滋賀医科大学 消化器内科 安藤 朗、馬場重樹
京都大学医学部附属病院 消化器内科 山本修司、本澤有介、山田 聡
朝日大学病院 消化器内科 八木信明、尾松達司
国立病院機構京都医療センター 消化器内科 勝島慎二
京都桂病院 消化器内科 日下利広
京都第一赤十字病院 消化器内科 奥山祐右
京都第二赤十字病院 消化器内科 河村卓二
大津赤十字病院 第一消化器科 河南智晴
東近江総合医療センター 消化器内科 辻川知之
粉川内科医院 粉川隆文
小畑内科クリニック 小畑寛純
沖医院 沖 映希
大津市民病院 消化器内科 若林直樹、皆川優季
京都鞍馬口医療センター 消化器内科 今本栄子、堀江隆介
松下記念病院 消化器内科 小山田裕一、磯崎 豊、堀田祐馬
康生会武田病院 消化器内科 高橋周史、平田育大
西陣病院 消化器内科 葛西恭一
福知山市民病院 消化器内科 奥田隆史、辻 俊史
済生会滋賀病院 消化器内科 重松 忠、田中 信
統計解析機関:株式会社サティスタ(統計解析業務)
利益相反とは、寄附金の提供を受けた特定の企業に有利なようにデータを操作する、都合の悪いデータを無視するといった、企業等との経済的な関係によって、研究の公正かつ適正な実施が損なわれるまたは損なわれているのではないかと第3者から懸念される状態をいいます。本研究に関する利益相反については、京都府公立大学法人の利益相反に関する規程、京都府立医科大学の臨床研究に係る利益相反に関する規程等にしたがって管理されています。
本研究は杏林製薬株式会社からの奨学寄附金により実施しますが、同社は本研究の計画立案・実施・解析・論文執筆に一切の関与いたしません。これらのことについては自己申告し、外部有識者を含む委員会において審査・承認されています。資金提供者等の利益や意向に影響されることなく、本研究を公正かつ適正に実施することをお約束します。
患者さんのご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。
また、情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2019年12月31日までに下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。また、この研究計画についてご質問がある場合にも下記までご連絡ください。
< 連絡先 >
西陣病院 消化器内科
職・氏名 部長・葛西 恭一
電話:075-461-8800
京都府立医科大学 消化器内科
職・氏名 准教授・内藤裕二
電話:075-251-5519(消化器内科内)