~西陣病院で透析を受けておられる患者さん・ご家族の皆様へ~
「I-HDFによる除水停止効果の有用性を検討した症例 分析的研究(クロスオーバー試験)」へのご協力のお願い
今回、西陣病院は透析低血圧症に対してIHDF治療に除水停止時間を設けるプログラムを使用して分析的研究(クロスオーバー試験)を実施いたします。そのため、西陣病院で透析を受けておられ、透析中に血圧低下を伴う患者さんに対して透析中のバイタルサイン、処置回数の調査をさせていただきたいと考えています。
IHDFは多くの施設で透析低血圧症に対して施行されており、改善報告も多く出ております。しかし、心不全や低栄養を合併し改善しない難治性の透析低血圧症もある事から治療の選択肢として様々なプログラムで患者さん個々に合わせた治療ができることも特徴の一つです。今回、補液を行うIHDFプログラムで治療中の血圧が低下する難治性透析低血圧症の患者さんに除水を停止する時間を設けるプログラムを施行し難治性透析低血圧症に有効な治療に成り得るかを評価し、透析ケアの質の向上を図ることを目的としています。
※1 I-HDFとは、血液透析ろ過治療を行いながら間歇的に補液を行い末梢循環障害の改善、低血圧予防などの効果が期待できる治療方法です。
※2 除水を停止する時間を設けるプログラムとは、現在一定量の補液を行っているIHDFプログラムに除水を行わない時間を設けるプログラムを追加することです。このプログラムによる透析時間の延長はありません。
対象患者さんは透析低血圧症に対してIHDF治療を施行しているが補液を行うプログラムで治療中の血圧上昇が見られない患者さんが対象となります。
①対象患者さんに現在行っている補液のみのIHDFプログラム*1)治療を1週間挟み、補液+除水停止プログラム*2)と超少量補液+除水停止プログラム*3)を2週間ごとに施行し各プログラムにおける治療効果を確認します。
➁各プログラムのバイタルサイン、透析中の処置回数の違いを比較します。
③プログラム変更での透析効率(Kt/V)の変化を比較します。コンソールに付属している透析量モニターを使用し透析効率を確認します。また、各プログラム終了時に透析前後採血を行い透析効率(kt/V)を確認し透析量モニターとの比較を行います。
④治療中にBV計モニターを使用し、%BV、Ht、PRRの変化を各プログラムにて比較を行います。
(各治療プログラム)
*1):補液量50ml/回、補液回数15分/回、補液速度50ml/min、除水開始時間0分
*2):補液量50ml/回、補液回数15分/回、補液速度50ml/min、除水開始時間1分
*3):補液量10ml/回、補液回数15分/回、補液速度40ml/min、除水開始時間2分
情報はすべて匿名化され、個人が特定されることはありません。また、研究発表が公表される場合でも個人が特定されることはありません。研究計画書及び研究の方法に関する資料を入手又は閲覧は可能です。ご希望の方は下記の連絡先までご連絡ください。
対象となる患者さんには治療の説明を実施し、口頭で同意を得られた場合に実施させていただきます。また治療の実施には同意して実施はしたが、ご自分、あるいはご家族の情報を本研究に登録したくない場合は、令和3年5月1日までに下記連絡先までご連絡ください。
なお上記までに申し出がなかった場合には、参加を了承していただいたものとさせていただきます。本研究は、西陣病院倫理審査委員会において、適切な研究であると承認されています。この研究計画についてご質問がある場合は下記までご連絡ください。
<参考文献>
「iHDFの血圧安定化には透析停止による血漿再充填の促進が寄与している」
(2019):日本血液浄化技術学会BPA
「iHDFの血圧安定化は除水停止がもたらす」
(2018):第3回IHDF研究会
「iHDFと循環動態の安定~除水停止と透析停止時間の付加は より血圧を安定させる」
(2019):日本透析機能評価研究会
五十嵐一生 (本間病院)
西陣病院 臨床工学科 東 克樹
電話:075-461-8800
研究責任者:西陣病院 臨床工学科 科長 松田 英樹