京都府立医科大学附属病院および関連病院では、緊急の冠動脈造影を施行された患者さん(心肺停止を発症された患者さんを含む)の治療実態や予後に関する臨床研究を実施しています。実施にあたり京都府立医科大学医学倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長より適切な研究であると承認されています。
京都府における急性心筋梗塞の発生率は人口 10 万人あたり 50 人程度とされています。急性心筋梗塞の院内死亡率はカテーテル治療の発展に伴い、20 年前と比し低下傾向にありますが、高齢化を背景にここ数年は改善に乏しく、院内死亡率は 7~10%と依然高く推移しています。また、急性心筋梗塞は心肺停止の要因になりうる疾患であり、心肺停止を呈した場合の予後は不良です。
急性心筋梗塞や心肺停止症例の実態を正確に把握できる資料は存在しておりませんでしたが、2000 年より京都府立医科大学循環器内科と京都府立医科大学附属病院関連施設による京都心筋梗塞研究会が組織され、疫学調査と治療成績を検討し、多くの報告を行ってまいりました。しかしながら、今後高齢化を背景に急性心筋梗塞患者が増えてくることが予想されており、我々はさらに急性心筋梗塞の予後を改善する取り組みを行う必要があります。また、20 年前と比し患者さんの高齢化や食生活の変化、また急性心筋梗塞に対する治療方法の変化もあり、現行の治療に即した新たな内容で研究を行う必要があります。
急性心筋梗塞を含む急性冠症候群の新たな観察研究を行うことは、現状の治療や救急医療体制の課題を明らかにし、急性心筋梗塞や心肺停止で来院または搬送された患者さんの院内死亡率の低下や、長期予後の改善に寄与できると考えております。
そこで、本研究において京都府立医科大学附属病院と関連病院における多くの病院での症例を可能な限り登録
し、以下の方法で研究を行うことにいたしました。
2020 年 1 月 1 日以降、京都府立医科大学及び関連病院に急性心筋梗塞及び搬送時心肺停止にて来院又は搬送された方
医学倫理審査委員会承認後から永年
診療録(カルテ)より以下の情報を取得します。
年齢・生年月日・性別、既往歴、病歴、心肺停止状況(心肺停止の症例のみ)、検査値、血管造影所見、治療内容、死亡原因、死亡以外のイベント(心筋梗塞の再発、脳卒中、出血性合併症、致死性不整脈など)の発生状況など
氏名、生年月日などの患者さんを直ちに特定できる情報は削除し研究用の番号を付けて取り扱います。患者さんと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、インターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、入室が管理されており、第三者が立ち入ることができません。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、患者さんが特定できる情報を使用することはありません。
なお、この研究で得られた情報は研究代表者(京都府立医科大学 循環器内科学 教授 的場聖明)の責任の下、厳重な管理を行い、患者さんの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
本研究に関連して、開示すべき利益相反関係にある企業等はありません。
カルテから抽出した情報は原則としてこの研究のために使用し結果を発表したあとは、京都府立医科大学循環器内科において教授 的場聖明の下、原則永年保存させていただきます。
保存した情報を用いて将来新たな研究を行う際の貴重な情報として永年保管し、新たな研究を行う際の貴重な情報として利用させていただきたいと思います。新たな研究を行う際にはあらためてその研究計画を医学倫理審査委員会で審査し承認を得ます。
研究代表者:京都府立医科大学大学院医学研究科 循環器内科学 教授 的場 聖明 共同研究機関:別紙 1の通り
患者さんのご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。
また、情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
< 連絡先 >
京都府立医科大学 循環器内科
准教授 中村 猛
電話:075-251-5511(平日9:00〜17:00)