西陣だより

TQM活動発表会報告

(この記事は2019年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

入退院支援室 科長
松山 みどり

 

3月3日(日)に西陣病院第8回TQM活動報告会がありました。TQM活動とは患者さん中心のチーム医療と病院の質向上のための活動を言います。

私達入退院支援室は2年目の新しい部署で、スタッフ4名で日々勉強しながらの業務を行なっています。
今回の発表テーマは、「広めよう介護連携の輪 ~ ケアマネジャーとのネットワークで安心した在宅生活+加算もね ~ 」と題して、私達退院支援者が担当ケアマネジャーとなかなか会えないことや加算があまり取れていないことに着目し取り組みました。
今回の活動を通して、病棟はもちろん地域医療連携室、医療社会福祉課、経営管理室、医事課など多くの部署からの協力を頂き、担当ケアマネジャーと会う回数や加算件数を順調に増やすことができました。また、ケアマネジャーの事業所へも出向いたことでコミュニケーションがスムーズになり連携がしやすくなるなど思った以上に成果を感じることが出来ました。

発表の日は、緊張しながらでしたが、パフォーマーも裏方も一つになってのパフォーマンスでした。
終わった後で「解りやすかったよ」と声をかけて頂きホッとした事を覚えています。
結果発表では優勝チームとして名前を呼ばれたときに、「えっ、本当?」という感じで大きなリアクションがとれなかったことが悔やまれます。
TQMに取り組んで本当に良かったです。

ご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。

 

2019年05月01日

お家に余っているくすりはありませんか? 余っているくすりがあれば、 かかりつけ薬局に相談しましょう

(この記事は2019年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 薬剤師 安田 早織

 

この余っているくすり(家に眠っている薬)のことを残薬といいます。飲み忘れや、副作用が気になったり、症状が良くなって自己判断でやめてしまったり・・・。
なかには、薬を飲んでいないことに医師が気付かず、症状が改善しないからと新たな薬を処方し、薬がさらに増えていく悪循環に陥ることもあります。
もしかして、薬の種類が多すぎて適切な服用ができなくなっていませんか?実は、「残薬」は、大きな社会問題になっています。
それは、「くすりの無駄遣い」です。厚生労働省の資料によると残薬の金額は年間500億円にもなると言われています。医療費節約のために、一人一人が意識しないといけません。

まずは薬剤師に相談

くすりの重複や悪い飲み合わせを防ぐには、『お薬手帳』を活用します。今、飲んでいるくすりを医師や薬剤師に知らせることはもちろん、くすりを飲み残してしまったときも、隠さずに伝えましょう。
飲み忘れてしまうのは、くすりを飲むタイミングが仕事や生活と合わないからかもしれません。理由が分かれば、例えば「1日3回では飲み忘れるのなら、1日1回や2回の薬に変えてもらいましょう」といったように、薬剤師から医師に提案をすることも可能です。
「かかりつけ薬局」が身近にあれば、気軽に相談しやすくなります。

残薬の有効活用

残薬を薬局へ持っていくと、薬剤師がくすりの種類や量、使用期限などを確認して医師に連絡し、「本来もらうべきくすりの数」から「余っているくすりの数」を引き算し、患者さんにくすりをお渡し(残薬調整)します。この作業を行うことで、くすりを捨てることなく有効利用することができます。
患者さん自身の会計が安くなり、さらには医療費の節約をおこなうことができます。残薬を調節すると、ご自身だけでなく小さいお子さんが間違ってくすりを飲む危険性を減らすこともできます。

くすりを正しく服用するために

くすりについての不安やくすりの管理で困ったことがある場合には、かかりつけ薬局に相談し、継続したくすりの管理を手伝ってもらいましょう。またくすりの保管場所をわかりやすい場所にする、ピルケースやカレンダー、アラーム等を活用する、ご家族や介護者に声掛けや支援をお願いするなど、くすりの管理について見直しや工夫をし、くすりを適切に服用しましょう。

 

 

2019年05月01日

日本列島 ”食” めぐり「大阪府」

(この記事は2019年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 副主任 管理栄養士 和歌﨑 清香

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます。

~水なす~

水なすは江戸時代頃から大阪泉州地域で栽培され、この地域以外では育たないと言われていました。
しかも、鮮度がすぐに落ちてしまうために出回ることが少ない泉州の伝統野菜でした。

水なすは天候にすごく影響を受けやすく、味も毎年違ってきます。
路地栽培のものは5月~11月の出荷、ハウス栽培のものは2月~8月の出荷で、現在では流通の仕組みも進化して全国的にだいたい年中食すことが出来ます。

 

●水なすのカルパッチョ風 玉ねぎソースがけ 1人分: エネルギー64kcal たんぱく質1.4g 塩分0.7g
材料 (4人分)(8個分) 作り方

水なす(中) 1個
塩 小さじ1

(甘い玉ねぎソース)
玉ねぎ 1/2ケ
薄口醤油 大さじ1
酢 大さじ1
はちみつ 大さじ2

  1. 水なすはピーラーで皮を縞々に剥き、2mmくらいの薄さに輪切りする。
  2. タッパーに(1)の水なすを並べ、ひたひたに水を張り、塩を入れてしばらく浸す(変色を防ぐため)。
  3. 玉ねぎはみじん切りにして水にさらし、辛みを少し取る。
  4. ボウルに(3)の玉ねぎとソースの調味料を入れてよく混ぜて、冷蔵庫でしばらく寝かす(10分~一晩)。
  5. (2)の水なすの水気をよく取り、お皿に並べて、(4)のソースを食べる直前にかける。

 

 

2019年05月01日

食塩の多い食事は心臓病や胃がんになりやすい。

(この記事は2019年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

内科 副部長
角田 聖



食塩(塩分)が高血圧の原因になり、心不全や脳卒中など心血管病の予防や治療に減塩食が大事だということはよくご存じだと思います。しかし食塩の摂りすぎが関係している病気は心血管病だけではありません。それに、自分は薄味にしているから大丈夫と思っていませんか? 実際にどれくらい塩分を摂っているか調べる方法について説明します。

食塩と関係する病気

食塩の摂りすぎは心血管病の原因となるだけでなく、(表1)のように多くの診療科で扱う病気と関係があります。動脈硬化、心不全、心筋梗塞、脳卒中など高血圧と関わりが深い病気になりやすいのは言うまでもないことですが、食事の塩分が多い国や地域では胃がんが多いことがわかっており、その理由として血圧は関係なく、胃がんの原因になるヘリコバクター・ピロリ菌という細菌が、塩分が多い胃粘膜では感染しやすいからなどと考えられています。腎臓に石ができる腎尿管結石や骨粗鬆症も食塩が関係しています。

 

 

 

 

 

 

日本人と塩分

食べ物の保存を主に塩に頼っていた昔に比べ、現代の日本人の食塩摂取量は減少傾向にありますが、アメリカやイギリスに比べるとまだ多く、平成29年の調査によると日本人の食塩摂取量は1日あたり男性で10.9グラム、女性で9.1グラムでした。男性のほうが多いのは、同じ味付けでも男性は食べる量が多いからと分析されています。いくら薄味にしても、食べ過ぎては意味がないということです。

自分の食生活で塩分はどれくらい?

食塩は料理に溶け込んでいますから目に見えません。家庭での調味料や加工食品の成分表示を確認することで、1食あたりどのくらい塩分が含まれているか、計算できます。外食の場合もお店によってはカロリーや塩分表示のあるメニューがおいてあるので助かります。でもこれだけでは実際のところはわかりません。西陣病院では1回分の尿検査で1日の推定食塩摂取量が表示できるようになりました。1回の尿に含まれるナトリウムの濃度から1日の食塩摂取量を予想する計算式を使うので多少の誤差はありますが、24時間尿をためておくよりも簡便に、繰り返して定期的に調べることができます。

高血圧の人は1日6グラム未満、そうでない人は7~8グラム未満に

自分の食塩摂取量がわかったら、目標を決めます。日本人の食塩摂取量の目標値は男性で1日8グラム未満、女性で1日7グラム未満です。高血圧の人は男女とも1日6グラム、1食あたり2グラムにすることが目標です。しかし食塩を制限しているつもりでも、実際はあまり出来ていないものです。高血圧患者さんを対象にしたある研究によると、減塩を意識していない人の平均値は1日10.6グラムだったのに対し、減塩を意識している人でも平均9.4グラムの食塩を摂っていたという報告があります。西陣病院でも調べてみましたが、6グラム未満を守れているのはわずかに3~5パーセントの人だけでした。

 

<おわりに>

食塩の摂りすぎで年間4万人近くの人が亡くなっています。その半数は心血管病で、のこりは癌であることがわかっています(2007年データ)。高血圧の人はもちろんのこと、そうでない人も、大人も子供も減塩生活をお勧めします。一度担当の先生に検尿してもらって自分の食塩摂取量を知っておきましょう。

 

 

2019年03月01日

骨密度検査と骨粗鬆症の治療について

(この記事は2019年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院 整形外科 医長 森 裕貴

整形外科 医長
森 裕貴



骨粗鬆症は骨の強度が低下してもろくなり、骨折しやすくなる病気です。
骨粗鬆症による脆弱性骨折が生じると、生命予後や身体機能が低下することが知られています。健康寿命を延ばすためには早期に骨粗鬆症の治療を開始し、骨折を予防することが重要です。

 

骨粗鬆症の患者は約1,300万人(女性1,000万人、男性300万人)と推測され、骨粗鬆症の結果として生じる骨折も増加しています。女性ホルモンであるエストロゲンの欠乏、加齢、運動不足などの生活習慣が骨強度の低下する主な要因とされています。

骨粗鬆症の治療を開始する前に、まずは骨密度を測定することが重要です。当院では腰椎と大腿骨の2つの骨密度をDXA 法で測定しています。検査は苦痛を伴わず、短時間で行えます。原則1年に1回、特に女性では40歳頃から骨密度を測定することが推奨されています。検査を施行された方は、特に『若い人と比較した値(YAM)』に着目してください。多くの場合、YAM が70%以下で骨粗鬆症と診断されます。しかし、椎体骨折や大腿骨近位部骨折の既往があれば骨密度と関係なく骨粗鬆症に対する治療が必要です。

 

初期の骨量減少であれば、食事(Ca の摂取)、運動、日光浴などを行うことで骨量の増加が期待できますが、多くの方は薬物治療が必要です。治療薬は大きく分けて、骨吸収を少なくする薬(骨吸収抑制薬)、骨形成を助ける薬(骨形成促進薬)、Ca の吸収量を増やす薬(骨・Ca代謝調整薬)の3種類があります。現在、最も多く処方されている治療薬は骨吸収抑制薬であるビスホスホネート薬です。ビスホスホネート薬は有効である一方、内服時の注意点(起床後すぐに内服、服用後30分は横にならず、食事もさける)があるため、服薬が継続できない方もいます。半年や1年に1回の注射製剤も誕生しており、自分にあった治療薬を選択し、治療を継続していくことが最も重要です。

 

骨密度が気になる方や骨折の既往がある方は、ぜひ一度整形外科を受診してください。

 

 

2019年03月01日

快適な睡眠を得るために

(この記事は2019年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 薬剤師 大竹 優樹

「春眠暁をおぼえず」とは中国の故事で、「春の夜は気持ちよく眠れるので朝が来たことにも気が付かず寝過ごしてしまう」という意味だそうです。しかし患者さんの中には睡眠障害で悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。

 

睡眠障害に使用される睡眠薬には、寝つきが悪い方(入眠障害)、途中で起きてその後眠れない方(中途覚醒)など、症状に応じて超短時間作用~超長時間作用の様々な種類の薬があります。最近は睡眠に深く関わるホルモンに作用することで、睡眠と覚醒のリズムを整え、脳とカラダを「寝つきやすい状態」にするという新しいタイプの睡眠薬もでています。睡眠薬を希望する場合には、悩んでいる睡眠障害のタイプ(入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒)を医師へ伝えてよく相談しましょう。また睡眠薬の服用によって、ふらつきや翌朝まで持ち越されるような過度の眠気から、転倒や骨折、嚥下障害などのリスクを高めてしまうというデータがあり副作用には注意が必要です。

睡眠障害には睡眠薬の利用だけでなく、生活習慣の見直しも重要であることがわかっています。

薬剤師

睡眠障害を感じたら以下のような生活習慣の見直しを試してみましょう
  1. 起床後は太陽の光を浴びる
  2. 規則正しい食生活
  3. 音や光に配慮して眠りやすい寝室の環境を整える
  4. 就寝時刻に関わらず、毎朝決まった時刻に起床する
  5. 就寝前にスマートフォン・テレビ等の明るい光を見ない
  6. 夕方以降のカフェインの摂取をさける
  7. 就寝前の喫煙は避ける
  8. 寝床での考え事は避ける

アルコールの摂取は一時的に睡眠導入効果がありますが、浅い睡眠となり睡眠障害の対応には向いていません。またアルコールと睡眠薬の併用は過剰な眠気・脱力・呼吸抑制などの副作用のリスクが高まるため、大変危険ですので避けましょう。

 

春は気候もよく、過ごしやすくなりますよね。暁が来たら、毎朝決まった時刻にしっかり起きて春を楽しみましょう! 睡眠薬の使用方法についてご不安な方は、医師・薬剤師までご相談ください。

 

 

2019年03月01日

日本列島 ”食” めぐり「埼玉県」

(この記事は2019年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 岩本 春奈

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます。

ゼリーフライ

~ゼリーフライ~

ゼリーと言っても、ゼラチンで固めたお菓子のゼリーではありません。じゃがいもとおからを合わせて小判型に整え、素揚げにしたコロッケのような料理でウスターソースによく合います。明治時代後期に、中国東北地方の野菜まんじゅうをアレンジして誕生したとされ、埼玉県行田市を中心に食べられています。現地ではお肉屋さん、お総菜屋さんなどにごく普通に並んでいるそうです。その名の由来は、形が小判に近いことから「銭富来(ぜにふらい)」と言っていたものが訛り、「ゼリーフライ」になったと伝えられています。おから料理といえば卯の花が定番ですが、ぜひ「ゼリーフライ」もレパートリーに加えてみてください。

 

●ゼリーフライ 1人分: エネルギー245kcal たんぱく質5.5g 塩分1.8g
材料 (4人分)(8個分) 作り方

じゃがいも 150g
人参 40g
たまねぎ 30g
白ネギ 30g
サラダ油 小さじ1

(A)----------
おから 150g
卵 1個
小麦粉 大さじ3
塩 ひとつまみ
こしょう 少々
----------------

ウスターソース 大さじ4
揚げ油 適量

  1. じゃがいもは皮をむいて一口大に切り、水から茹でる。
    火が通ったら湯を切って、熱いうちにつぶす。
  2. 人参、たまねぎ、白ネギはみじん切りにする。
  3. フライパンに油を熱し、(2)をしんなりするまで炒めて
    取り出して粗熱をとっておく。
  4. ボウルにつぶしたじゃがいも、炒めた野菜、(A)を加え、よく混ぜる。
  5. ボウルの中身を8等分にし、小判型に成形する。
  6. 170℃の油で色よく揚げる。
  7. ウスターソースの中にゼリーフライをくぐらせて仕上げる。

 

 

2019年03月01日

新年のごあいさつ

(この記事は2019年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院、西陣病院 院長 伊谷 賢次

西陣病院 院長 伊谷 賢次


新年明けましておめでとうございます。

皆様には、さわやかな新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。また、昨年中、当院に賜りました数々のご厚情とご支援に対しまして、職員一同心より御礼申し上げます。

昨年の師走恒例の「今年の漢字」が「災」に決まりました。昨年は大阪北部地震、北海道地震、西日本豪雨、大型台風到来、記録的な猛暑など、日本各地で起きた大規模な自然災害により、多くの人が被災されました。大規模な停電やJRなどの交通機関の運休により、医療機関も通常通りの診療ができない事態も発生しました。今後も、今までに経験したことのない異常気象も頻繁に起こることが予測され、医療機関は今まで以上に様々な災害対策の必要性を痛感した1年でした。一方、昨年のノーベル医学生理学賞を京都大学特別教授の本庶佑先生が受賞されました。本庶先生が記者会見で「この免疫療法で回復された患者さんから『助かったのはあなたのおかげです』と言われることが何よりもうれしい」と話されていました。医療人として患者さんから感謝の言葉を頂くと嬉しい限りですが、本庶先生の画期的な免疫療法が、今後さらに多くの患者さんに効果がある免疫療法へと発展することを願っています。

福祉医療においては、昨年4月診療報酬改定があり、また、今年10月に消費税増税が予定されており、病院経営にとっては厳しいものとなります。当院におきましても、良質な福祉医療の継続には大きな不安があります。このような厳しい状況でも、当院の目指すべき目標は、設立当初からの基本方針である、「地域に密着した良質な医療を高いレベルで提供する」ことです。

昨年末から、2025年高齢化社会に向けて、京都市のブロックごとに地域のニーズに合った医療体制を話し合う地域医療構想調整会議が始まりました。西陣病院は今後も開業医の先生方からのご要望や患者さんの病態にあった医療を提供していくため、急性期病棟、地域包括ケア病棟、障害者病棟のケアミックス病院としての診療体制を維持していきます。

昨年9月には3回目の電子カルテの更新及び多くのパソコン端末機を導入しました。特に、病棟看護師には一台ずつ移動型ノートパソコンを提供し、勤務時間中、できるだけ多くの時間を患者さんに寄り添った看護ができるように環境を整えました。今後も、一般急性期医療と透析医療を車の両輪と考え、2次医療圏で小回りの利くチーム医療を地域にアピールしながら全人的医療を行っていきます。

今後も職員全体が患者さんを主体に考え、良質な医療を提供するためにスタッフ一人ひとりが役割と責任を自覚して努力していきますので、今年一年、さらなるご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

平成三十一年 元旦

 

 

2019年01月01日

あけましておめでとうございます

(この記事は2019年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

麻酔科 部長
中川 博美

皆様にはお健やかに平成最後の新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。平素から近隣の先生方の温かいご支援、各診療科間の綿密な連携、また、コメディカルの協力によるチーム医療に支えられ、安全に麻酔と周術期管理ができましたこと、皆様方のおかげと深く感謝申し上げます。

西陣病院に赴任して22年目を迎え、麻酔科管理症例はのべ13,000件を超えました。当初は年間300件前後、平均年齢62歳、80歳以上は13%でしたが、近年は年間850~900余件と3倍増、平均年齢は70歳に上昇、80歳以上が30%を超え、麻酔を受ける皆様も着実に高齢化してきました。この間、麻酔分野も大きく変化し、麻酔がどのように周術期の転帰に影響を与えるのか、麻酔学の驚くべき可能性に気づかされます。当院でも麻酔科外来を開設し、禁煙指導、内科的治療依頼と周術期口腔機能管理の医科歯科連携、術前経口補水療法、また、虚弱(フレイル)高齢者の手術予後調査などに積極的に取り組み、周術期の危機的合併症を回避するとともに、術前から手術室を拠点とした周術期の集学的アプローチで術後転帰を改善できるようになりました。

人生100年時代、皆様とともにますます元気に過ごせるよう今後も麻酔科領域でも力を尽くして参りたいと存じます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

2019年01月01日

新年のご挨拶

(この記事は2019年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

内科 部長
中森 診

循環器内科は、高血圧、虚血性心疾患、心不全、不整脈などの循環器疾患を有する患者さんの診療を担当する科で、現在医師4名で救急医療を含めた様々な循環器疾患を診療しています。高血圧,糖尿病,脂質異常症など生活習慣病を治療されている患者さんの増加と高齢化によって近年循環器疾患の患者さんが増加しています。

急性心筋梗塞や急性心不全などの救急治療をはじめとして、経皮的冠動脈ステント留置術(冠血管をバルーンカテーテルで拡げ、ステンレス製の網状の筒を血管内に植え込み血流を十分に確保する方法)や徐脈性不整脈に対するペースメーカー移植術,末梢動脈疾患(足や手の動脈が動脈硬化によって狭くなったり詰まったりして血液の流れが悪くなることでさまざまな症状をひき起こす病気)に対する末梢動脈血管形成術などの診療を行っています。

我々が目指す循環器医療の目標は、「患者さんのために全力を尽くす」ことです。循環器室での検査・治療は医師だけでは行うことができませんので、看護師,臨床工学技士,診療放射線技師とともに力を合わせ、チームワークを大切に、地域の住民の皆様のために質の高い安全・安心な最善の医療を提供すべく、患者さんに信頼される循環器内科を目指してスタッフ全員が一丸となってがんばっていますので、循環器内科にどうぞお気軽にご相談ください。

 

2019年01月01日