教育科長 兵頭 美香子
8月8日(木)に、ふれあい看護体験を開催し、高校生4名が参加してくださいました。看護師と一緒に車椅子移送や全身清拭を行いました。その他、バイタルサイン測定の場面も見ていただきました。参加者のみなさまから「患者さんの体を拭いたときに、患者さんから『ありがとう』と言ってもらえて嬉しかったです」「患者さんとしっかりコミュニケーションをとることによって、患者さんが安心して過ごせるのだと感じました」などの感想をいただきました。
教育科長 兵頭 美香子
8月8日(木)に、ふれあい看護体験を開催し、高校生4名が参加してくださいました。看護師と一緒に車椅子移送や全身清拭を行いました。その他、バイタルサイン測定の場面も見ていただきました。参加者のみなさまから「患者さんの体を拭いたときに、患者さんから『ありがとう』と言ってもらえて嬉しかったです」「患者さんとしっかりコミュニケーションをとることによって、患者さんが安心して過ごせるのだと感じました」などの感想をいただきました。
咳でお困りの患者さんは実はとても数が多く、近年増加傾向です。
咳は持続する期間で3つに分類され、咳が出始めてから3週間未満の急性咳嗽、3~8週間の遷延性咳嗽、8週間以上の慢性咳嗽です。急性咳嗽は感冒・上気道炎などの感染性咳嗽が主体ですが、遷延性咳嗽と慢性咳嗽は感染症以外の咳が主体であり、胸部レントゲンで異常のないものをいいます。長引く咳の原因は、胃食道逆流(GERD)、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、腫瘍性疾患、間質性肺炎など多岐にわたりますが、そのなかでも本邦で最も多いのは「咳喘息」であり、ある統計では全体の34%を占めるといわれています。
咳喘息は、気管支喘息と同様にアレルギーによって起こる病気ですが、気管支喘息のような「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」といった呼吸困難を伴わず、咳だけが唯一の症状です。喘息と似たような症状としては、「夜間や早朝の悪化」、「季節性の変動」といったものがあり、残念ながら、咳喘息の30%は典型的気管支喘息に移行してしまうといわれています。そのため、初期治療が非常に重要です。吸入ステロイド、なかでも気管支拡張薬配合の合成吸入薬が有効であり、早期からの導入が望まれます。吸入薬を開始すればすぐに良くなることが多いですが、良くなったからといって治療を数日でやめてしまうと症状が再燃してしまうことがあります。気管支喘息と同様に、症状が治まってからも気道の炎症がくすぶっていることが多いため、少なくとも1か月以上の吸入薬継続が望ましく、状況に合わせて薬剤を調節します。吸入薬を処方された場合には、症状がすぐによくなっても自己判断で治療を中断しないようにしましょう。日本呼吸器学会「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019」によりますと、診断は ❶喘鳴の無い咳嗽が8週間以上持続していること、❷気管支拡張薬(β2刺激薬など)が有効であること、このいずれも満たす場合に限ります。ただし実際には咳嗽症状が3週間以上続く場合でも辛いですので、積極的に鑑別診断を行い、治療介入をすることもあります。
当院では、肺機能検査に加え、咳喘息や気管支喘息の診断の手助けとなる呼気一酸化窒素(NO)検査を2023年より取り入れており、
気道炎症の評価が可能です。咳でお困りの際は是非、西陣病院の呼吸器内科外来を受診ください。
栄養科 管理栄養士 須惠 裕子
福井県におけるそばの栽培は、戦国大名が、一条谷に築城、短期間で収穫できるそばを合戦の合間に栽培し、籠城用食糧にしたことが始まりとされています。当時のそばは、麺状ではなく、そば粉をお湯でこねた「そばがき」や「そば団子」といった形で食べられていたそうです。麺状のそばは府中の城主が帯同させた京都伏見のそば職人により、細麺のそばにだいこんおろしを乗せる「おろしそば」が生まれたと言われています。現在では、福井県を代表する郷土料理の一つとして多くのお店が県内にあります。
(1人分)エネルギー 320kcal/たんぱく質14.3g/塩分3.1g
材料 (1人分) | 作り方 |
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●蕎麦(ゆで)・・ 160g ~出汁~ |
< 作り方 > ①蕎麦出汁の材料を鍋に入れ一煮立ちさせたあと冷ましておく。 |
リハビリテーション科 理学療法士・骨粗鬆症マネージャー 堀 博寿
昨年度より当院で取り組んでいる骨折リエゾンサービスについてご紹介させていただきます。
皆さんは骨粗鬆症についてご存じですか。骨粗鬆症とは「骨の強度が下がり骨折のリスクが高まった状態」をいいます。骨粗鬆症は女性に多く、骨の強度を示す骨密度は閉経後の50代から急激に低下します。骨の強度が低下すると転倒など軽微な外力によって骨折に至ります。
腰椎の骨折や足の付け根の骨折は歩くなどの基本的な動作や日常生活動作の低下に繋がります。1度骨折を起こした方は2度目の骨折のリスクが極めて高く、骨折を機に寝たきりになる方も少なくありません。そのため骨折を防ぐために骨粗鬆症の治療が必要となりますが、治療をされてない方や自覚症状がないため治療を途中で止めてしまう方が数多くおられます。この骨粗鬆症の治療開始と継続を支援し、転倒予防を図り、2度目の骨折を防ぐための取り組みを「骨折
リエゾンサービス(Fracture Liaison Service : FLS)」といいます。
当院では 昨年度より足の付け根の骨折をした方を対象に骨折リエゾンサービスを開始しました。医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリなど多職種で協力し、患者さんの生活スタイルにあった治療薬のご提案、骨を強くするためのバランスが取れた食事や骨を作る細胞を活性化させるための運動について説明をしています。また転倒を予防するために手すりの設置や段差解消など患者さんの個別性に配慮した自宅環境の見直しも行っています。
当院には骨粗鬆症に対する基本的な知識と技能を有する「骨粗鬆症マネージャー」が 2名在籍しており、FLS活動に注力しています。10月20日は世界骨粗鬆症
デーです。骨粗鬆症と骨代謝障害の啓発を目的に制定され、「世界中から骨粗鬆症の骨折をなくす」ことを目標に掲げています。皆さんも「骨の健康」について見直してみませんか。
薬剤部 科長 牛嶋 麻紀
皆さんは、バイオ医薬品についてご存じでしょうか?最近「バイオ医薬品」というお薬が多く開発され、これまで治療が困難だった病気の治療に貢献し、注目を集めています。
バイオ医薬品は、遺伝子組み換え技術や細胞培養技術を用いて製造したタンパク質を有効成分とする最先端の医薬品で、製造には最新の設備での品質管理が必要とされています。そのため、開発や製造などに費用がかかり、患者さんの医療費負担が高くなってしまうという問題があります。
そこで、特許切れのバイオ医薬品を他のメーカーが開発・販売し、医療費の負担を抑える「バイオ後続品(バイオシミラー)」というお薬が誕生しました。これは、ジェネリック医薬品(後発医薬品)と少し似ています。
どちらも「新薬特許が切れた後に発売された医薬品」ですが、バイオ医薬品の場合は「バイオシミラー」、それ以外の場合は「後発医薬品」と呼びます。
バイオシミラーは先行バイオ医薬品(先に発売されたバイオ医薬品)と同様に、製造には高度なバイオ技術を用いるため、工程が多く複雑です。さらに、後発医薬品と異なり多くの試験やチェックを行うことが必要とされています。このように開発され、承認されたバイオシミラーは、先行バイオ医薬品と品質がほとんど同じで、同じ効果と安全性が確認された薬剤です。
バイオシミラーの薬価は、原則、先行バイオ医薬品薬価の70%で算定されるというルールがあります。このため、患者さんの経済的負担の軽減や医療費の削減に貢献することが期待されています。西陣病院でもインスリンをはじめ、様々なバイオシミラーを採用しており、治療の質の向上、医療費の削減に貢献しています。
整形外科 医長
下島 康太
「ロコモティブシンドローム」皆さんはこの言葉を聞いたことがありますか。ロコモティブシンドローム(ロコモ)と骨折は、健康と生活の質に密接に関連する重要な問題です。ぜひ、自分自身やご家族の方などを思いながら一読いただければ幸いです。
ロコモティブシンドローム( Locomotive Syndrome、略してロコモ )は、骨、関節、筋肉、神経などの運動器の障害により「立つ」「歩く」といった基本的な移動機能が低下した状態を指します。この概念は、2007年に日本整形外科学会によって提唱され、高齢化社会における健康問題として注目されています。ロコモの主な原因は、運動器の疾患や障害です。代表的な疾患には、骨粗鬆症、変形性関節症、脊柱管狭窄症、筋力低下(サルコペニア)などがあります。これらの疾患や障害が進行すると、日常生活での移動や動作の困難さから要介護状態になったり、転倒や骨折を引き起こしたりするリスクが高まります。
骨折とは、文字通り骨が折れることです。骨の連続性が途切れることを指し、粉々になっているものから、ひび割れや骨が潰れているものなども含めて整形外科の領域では骨折と呼びます。一般的には外部からの強い力によって発生しますが、高齢者に多いのが脆弱性骨折と呼ばれる骨折です。これは骨密度の低下や骨の質の低下によって骨が弱くなり、日常的な動作や軽微な転倒でも骨折が生じるものです。骨折のリスクは年齢とともに増加し、特に閉経後の女性は骨密度が急激に低下するため、骨粗鬆症に伴う骨折のリスクが高くなります。骨折が起きた場合、日常生活に制限が生じることも少なくありません。長期間の安静や活動制限などから筋力やバランス能力がさらに低下し、さらにロコモが進行してしまうだけでなく、痛みや不安感が精神的な健康にも悪影響を及ぼすこともあります。
このようにロコモと骨折は相互に関連し合う問題であり悪循環を引き起こすことがあります。骨折によって運動機能が低下し、それがロコモの進行を促進する一方、ロコモによる筋力やバランスの低下が転倒や骨折のリスクを高めます。特に高齢者では、この悪循環が要介護状態への移行を加速させることがあります。例えば、股関節周囲の骨折(大腿骨近位部骨折)は手術や長期間の入院リハビリテーションを必要とし、場合によっては歩行能力の喪失や介護の必要性を伴うこともあります。当院でも同部位の骨折患者さんはたくさんいらっしゃいますが、その多くが骨粗鬆症や筋力低下、関節変形などを背景としたロコモを来しているように思われます。
「 最近、関節が痛いんだけど大丈夫かな?」「骨粗鬆症やロコモになってないかしら?」など運動器でお困りの方はぜひ一度整形外科でご相談してください。
栄養科 管理栄養士 須惠 裕子
「うす焼き」は、具材によって味を変化させることができ、手軽に作れる小麦料理です。山梨県が次世代への継承に取り組んでいく郷土食として認定している「やまなしの食」176品目のうちの一つです。各家庭により具材や味付けはさまざまで、さつまいもや甘い煮豆、あんこを入れて焼いたり、またソーセージを入れてケチャップをつけて食べることもあるそうです。
(1枚分)エネルギー 60kcal/たんぱく質2g/塩分0.4g
材料 (5枚分) | 作り方 |
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●小麦粉・・・・・・ 75g
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< 作り方 > ① 青じそを千切りにする |
薬剤部 部長 石本 昌裕
今回は「トローチ」にスポットを当ててみましょう。おそらく、皆さんも一度は舐めたことがあると思います。
のど飴とトローチの違いですが、のど飴には厳密な定義がありません。トローチは口の中でなめて、徐々に溶かすことによって、口や喉の細菌を殺したり増殖を防いだりする目的で使用します。トローチは口の中でゆっくり溶けるようにするため、普通の錠剤より硬く作られています。
トローチの主な作用は、口腔内と咽頭の殺菌です。有効成分は消毒剤であり、代表的なトローチである「SPトローチ」の有効成分は、「デカリニウム」です。ほかにも殺菌剤の「塩化セチルピリジニウム」や消炎成分の「アズレンスルホン酸ナトリウム」が代表的です。
口腔内や咽頭の殺菌を目的としているので、口の中で長時間とどめておいて、唾液によって溶かす必要があります。比較的錠剤が大きいため、噛み砕きたくなりますが、噛み砕いたり、飲み込んでしまっては効果がありません。必ず、ゆっくりと溶かすことを忘れないでください。トローチの成分は触れた部分にのみ作用しますので、成分が患部に触れる時間が長いほど効果的なのです。正しく使えば、舐め終わるのに7~8分程度かかると思います。なお、使用後30分間は飲食を控えることが推奨されています。
唾液に触れる表面積が大きいほど、薬が溶け出しやすいという特徴もあるかと思いますが、本来の目的は、間違って飲み込んでしまい、喉に詰まったというような緊急時でも呼吸ができるように工夫して設計されたものです。
常用しても症状を予防する効果はありません。15歳以上の場合、どの商品も1日6個が上限となっています。1度に2個以上のトローチを使っても効果は上がりません。また、口腔内や腸内の細菌バランスを崩す可能性もあります。
トローチも薬です。注意事項を確認して、正しく使いましょう!
内科 医長
福井 麻優子
藤原道長といえば「この世をば 我が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」という歌で有名です。この歌の意味は欠けることのない満月のようにこの世はすべて自分のもの、といったところでしょうか。道長がこの歌を詠んだころには権力は絶頂期でしたが、かなり健康状態は悪くなっていたようです。「日がな一日水を飲み、けれど口の渇きが収まらない。元気はないが、食欲はある」と記載されており、糖尿病の症状と酷似しています。望月の句を詠んだ際もほとんど目が見えなくなっていたといわれており、50代で糖尿病の症状がかなり進んでいたと考えられます。
平安時代の貴族は3日とあけず宴会が催されており、甘酒や果物などを食べてハイカロリーな食生活であったようです。貴族の生活が運動不足であったことも原因と考えられます。また、藤原摂関家(道長の血筋)は「飲水という病で亡くなった」という人の記録が多々あり、「糖尿病になりやすい体質が遺伝していたのでは?」ともいわれています。
権力の絶頂にあった道長ですら苦しんだ糖尿病ですが、現在は早期発見・早期治療によって糖尿病でない方と同じ寿命、ADLを保つことが可能になっています。当院での糖尿病に対する取り組みをご紹介させていただきます。
糖 尿 病 外 来 | 糖尿病の評価、治療、各種検査(外来での注射開始、血糖測定、必要時リブレ・リブレプロなどの連続グルコース測定も行っています。) |
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看 護 外 来 | インスリンや血糖測定(リブレも含む)の指導、糖尿病に関する説明、各種相談。 |
フットケア外来 | 看護師による足のチェック・ケア(毎週火曜日) |
薬剤師による指導 | インスリン導入指導 |
透析予防指導 | 腎機能悪化の予防のため、医師・看護師・栄養士による指導 |
毎週金曜日の14~15時に様々なテーマで行っております。
毎年11月14日の世界糖尿病デーに伴い、当院でもイベントを行います。是非御参加下さい。 | |
日 時 | 11月16日(土)、13時半~15時 |
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場 所 | 西陣病院本館地下2階 |
内 容 | ミニレクチャー・クイズ大会・体操教室動脈硬化チェック・各種相談コーナー |
腎臓・泌尿器科 医長
新納 摩子
腎臓・泌尿器科で扱う疾患は、尿を作る腎臓からはじまり、腎盂、尿管、膀胱、尿道などの尿の通り道にある臓器に加えて、男性の場合は、 精巣、精管、前立腺といった臓器に生じる疾患です。これらの臓器にかかわり、かつ、性別の関係なく生じる「血尿」について説明をします。
「血尿」は大きく2種類に分けられます。1つは「肉眼的血尿」で、目でみて、鮮紅色~暗赤褐色の尿です。数値で示すと、尿中1L中に血液1ml 以上を含む尿をいいます。もう1つは、「顕微鏡的血尿」といい、見た目には血尿を認めないのですが、尿検査(尿沈渣検査法)で、尿中赤血球5個/HPF以上を認めるものをいいます。簡単にいえば、「肉眼的血尿」は、自分で血尿だと分かる血尿で、「顕微鏡的血尿」は、尿検査でわかる血尿です(健診での尿検査は通常尿試験紙で行われますので、「尿潜血陽性」との結果が出ます)。
肉眼的にしろ、顕微鏡的にしろ、血尿が出るということは、尿の通り道のどこかに血が出るような原因があります。まず、膀胱炎のような感染症では、炎症により粘膜が傷つき、細い血管が切れて血尿になる場合があります。つぎに、尿路結石症があげられます。腎結石、尿管結石などがありますが、結石が動くことで、血尿が生じます。もっとも注意すべきは、悪性腫瘍、いわゆる癌です。腎臓癌、膀胱癌など、尿路に癌が生じることがあります。その他、臓器の形態の異常(腎動静脈奇形など)により生じる場合、外傷(腎外傷など)により生じる場合、女性では婦人科疾患がある場合などがあります。さらに、顕微鏡的血尿の場合は、腎炎・腎症つまり腎実質に何らかの疾患がある場合があり、このような疾患では同時に蛋白尿も認めることが多いです。
健診などで尿を検査するときに注意していただきたいことがあります。健診での尿検査は尿試験紙で行われますので、事前にビタミンCを多く含むものの摂取はひかえてください。検査で偽陰性になることがあります。また、尿をとるときは、出始めの尿はすてて、中間尿をとるようにしましょう。
西陣病院の腎臓・泌尿器科では、肉眼的血尿も顕微鏡的血尿も、その原因が何であるか精査を行い、疾患が明らかになれば治療を行っています。健診で尿潜血陽性と指摘された場合には、かかりつけの医療機関を受診して頂き、「顕微鏡的血尿」と診断された場合には、かかりつけの先生から腎臓・泌尿器科に御紹介頂ければと思います。「肉眼的血尿」の場合は、腎臓・泌尿器科をかならず受診してください。腎臓・泌尿器科を受診することを恥ずかしいと思われる方が多いかもしれません。西陣病院の腎臓・泌尿器科では、男性医師も女性医師も診察を担当していますので、ためらわずに受診をお願いします。