西陣だより

世界糖尿病デーのイベントを行いました

(この記事は2024年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

世界糖尿病デーのイベントを行いました

 11月14日はインスリンを発見したカナダのバンティング博士の誕生日で、糖尿病の予防、治療、療養の喚起を推進することが世界的に行われています。当院でも昨年の11月11日(土曜日)にイベントを行い、多数の方に御参加いただき盛況に終わることが出来ました。糖尿病に関する講演・クイズ大会・体操教室・動脈硬化測定・各種相談コーナー設置を行いました。皆様の笑顔で糖尿病チームのスタッフまでもが楽しい時間を過ごせました。
 また、11月14日に本館玄関前のオリーブの木を糖尿病デーのシンボルマークのブルーサークルにちなんでブルーのイルミネーションで飾りました。今年も皆様と様々なイベントでお会い出来ればと思っております。

         

2024年03月01日

切らない痔の治療 痔核硬化療法(ALTA療法)

手術をあきらめていませんか?安心安全確実で満足度の高い鼠経ヘルニア手術

(この記事は2024年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

外科医長
古家 裕貴

 

 

痔は日本人の約3人に1人の方が発症すると言われています。お尻から出血したり、排便時に脱出したり、痛みがでたりしていないでしょうか。これらの症状でお困りの方、注射で治せるかもしれません。

内痔核とは

 一言で痔といっても実は色んな種類があります。その中で内痔核は最も頻度の高いタイプになります。症状は排便時の出血や脱出が多く、痛みはないことが多いですがひどくなると痛みがでることもあります。急性期は肛門に塗る外用薬による治療を行います。症状が落ち着いた段階で必要な方には追加の治療をお勧めします。手術などで切除するか、今回説明する注射での治療法があります。

ALTA(アルタ)療法とは

 内痔核にのみ適応がある治療方法です。硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸(ALTA)という物質を内痔核に直接注射することで局所に一時的な炎症を起こします。その後1週間から1か月程度かけて線維化が起こり、だんだん痔が硬く小さくなり治っていきます。また痔核内の血の巡りを抑える効果があり出血もしにくくなります。1か所の内痔核なら手術に要する時間は10分程度で、全身麻酔は必要なく主に局所麻酔で行います。不安の強い方には鎮静剤を使用することも可能です。一度に数か所の内痔核を治療することもできます。手術による痛みや出血もほとんどないので術後の回復も早いです。治療費も手術による切除に比べて安くなるのもメリットの一つといえます。

当院でのALTA療法

 ALTA療法は手技を誤ると重篤な合併症(直腸狭窄や直腸潰瘍、前立腺炎/膣炎など)を引き起こす可能性もあるため、全ての医師が行えるわけではありません。当院には講習を受けた上で資格を持った外科医師が3人いますので安心して手術を受けていただけると思います。局所麻酔で行う手術になりますので外来で行うことも可能なのですが、当院では患者さんの安全のため手術当日に1泊入院していただくようにしています(条件を満たせば日帰り手術も可能です)。全ての痔に対して適応があるわけではありませんのでまずは適切に診断する必要性があります(外痔核や痔ろうは適応外になります)。また患者さんの状態によっては使用できない場合もあります。もし痔の症状でお困りでしたら、まずは気軽にご相談下さい。

2024年03月01日

お薬の正しい飲み方

(この記事は2024年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部  薬剤師  北村 有梨

新年あけましておめでとうございます。
お正月は生活リズムが崩れやすい時期でもあります。お薬も飲み忘れや、服用時間がずれることがあるかもしれません。そこで、お薬の正しい飲み方をもう一度確認しましょう。

お薬の効果を十分に得るためには、指示された量、回数、時間を守り、正しく服用することが大切です。

飲む時間について

食 前 食事の30分前 食 間 食後2時間くらい後
食直前 食事のすぐ前         ※食事の最中に服用することではありません。
食直後 食事のすぐ後 就寝前 寝る前30分以内
食 後 食事の30分以内 頓 服 症状のある時

 

お薬はコップ一杯の水かぬるま湯で飲むのが一般的です。水の量が少ないと、お薬が食道に張り付いて炎症などを起こすことがあります。また、水なしで飲むと薬を吸収しにくくなり、効き目が低下したり、遅くなることがあります。ただし、水分制限を指示されている場合は、医師の指示に従って飲んで下さい。

お薬を飲み忘れた場合に注意すること

 お薬を飲み忘れたことにすぐ気付いた場合は、気付いた時点で飲むようにしましょう。胃に負担がかかるようなお薬の場合は、何か口に入れてから服用するようにしましょう。次のお薬を飲む時間が近い時には、1回飲むのをやめるか、またはお薬を飲んで次に飲むお薬の時間を遅らせるようにします。

時 間 を
遅らせる
目      安
●1日3回飲むお薬 ・・・ 4時間以上あける
●1日2回飲むお薬 ・・・ 6時間以上あける
1日1回飲むお薬 ・・・ 8時間以上あける

 

 1回飲み忘れたからといって決して1度に2回分を飲まないで下さい。2回分を服用したからといって効果が期待できるわけではなく、副作用の症状が出る可能性が高くなり危険です。お薬の種類によって対処法が異なる場合もあるため、お薬の飲み方で分からないことがあれば、医師・薬剤師に相談するようにしましょう。

2024年01月01日

新年、明けましておめでとうございます

(この記事は2024年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 部長
石本 昌裕

 昨年の4月に薬剤部部長に着任いたしました。今後は病診連携・薬薬連携など、この地域の医療連携にも注力していくつもりです。
 昨年、厚生労働省から発表された報告によると、100歳以上を超える高齢者は9万526人と初めて9万人を超え、この25年間で約9倍の伸びとなっています。
 高齢者の薬物療法では加齢とともに複数の疾患を合併するため、複数の診療科からの多くの薬剤を服用することになります。そのために、重複投与や薬物相互作用が発現しやすく安全管理が重要となります。また、高齢者は視覚や聴覚機能の低下に加え、嚥下機能の低下・認知機能の低下などにより、服薬の自己管理や服薬自体に支援が必要になってきます。さらに、腎機能・肝機能の加齢による低下や体成分組成(筋肉量減少・体脂肪比率増加等)の変化により薬の効き方にも変化が見られます。こうした生理機能の個人差に対応した処方、調剤、服薬の管理が必要となります。
 西陣病院薬剤部では患者さんに安心して、安全な薬物治療を受けられるように情報提供をしてまいりますので、今後ともよろしくお願いします。
 コロナ禍で直接顔を合わせる機会が減っておりますが、皆様にとって幸多き一年になりますよう心からお祈り申し上げます。

2024年01月01日

謹んで新年のご挨拶を申し上げます

(この記事は2024年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

循環器内科 部長
角田 聖

 

 旧年中、循環器内科に賜りました数々のご厚情とご支援に対しまして、心血管病治療に携わるメディカルスタッフ一同心より御礼申し上げます。
 2020年度から循環器内科部長を拝命し、はや4年が経とうとしています。この4年間はコロナ禍というパンデミック(世界的な大流行)でしたので、患者さん自身もご開業の先生方も病院職員も、もれなく大きな影響を受けました。外出を控えることで運動不足になり、生活習慣病が悪化したり、病院の受診を控えたり、医療体制のひっ迫で早期治療が滞ったりしたことで、脳卒中や心臓病の院外死亡率が増加したと言われています。
 パンデミックはコロナウイルスだけの話ではありません。日本は超高齢化社会となり心不全を発症する患者さんが急増しており、これを心不全パンデミックと呼んでいます。当院では心不全で繰り返し入院して体力が低下していく患者さんが一人でも多く救われるよう、医師、コメディカルが一丸となって再入院予防に取り組んでおり、病院職員同士や患者さんとの絆だけでなく近隣の医療機関の先生方・スタッフの皆様との連携も強まってきたことを肌で感じています。
 今後も循環器チームは地域の患者さんに寄り添い、ご開業の先生方と連携し、より良い循環器疾患予防および治療をご提供出来るよう「One Team」で努力して参ります。
 本年も変わらぬご支援、ご指導を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

2024年01月01日

新年明けましておめでとうございます

(この記事は2024年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

副院長・整形外科 主任部長
牧之段 淳

 

 患者さん、地域の皆様および開業医の先生方におかれましては健やかに新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。
 この度当院では西館屋上にリハビリテーション施設を増設することになりました。現在リハビリを行う機能訓練室は地下1階にありますが打って変わって大文字を臨むこともできる開放的な場所でリハビリを行うことができるようになります。
 リハビリスタッフは患者さんが円滑に日常生活に復帰できるよう退院が近づくと病院周囲で歩行訓練を行ってくれていますが一般道であり心配の声も聞かれることがあります。元気に歩いて帰っていただくことを使命としております整形外科としても病院の屋上に歩行訓練のための歩道や階段昇降訓練のための階段を設けることで多くの患者さんが恩恵を受けることができるものと期待しております。
 なお、この屋上に増設するリハビリ施設は西陣病院で初めてとなるクラウドファンディングを募ってのプロジェクトとなりますので何卒ご理解・ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

2024年01月01日

新年のごあいさつ

(この記事は2024年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院 院長 葛西 恭一


新年あけましておめでとうございます。

皆様には、さわやかな新春をお迎えのことと心よりお喜び申し上げます。皆様のご協力・ご支援により無事に新しい年を迎えることができました。職員一同より皆様への感謝を申しあげますとともに、新しい年が皆様にとって素晴らしい年となりますよう祈念いたします。

 2023年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し始めてから4年目の年となり、5月にはようやく感染症法上の取り扱いが 2 類から5類へと変更されました。一般社会はほぼコロナ禍以前の状態に戻り、外国人、日本人問わず多くの観光客が京都を訪れています。しかしながら、新型コロナウイルスがこの世の中から無くなったわけではありません。我々医療従事者は、リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方と接するため引き続き感染予防策を徹底していきます。
 当院は2024年3月末で夜間診療を終了し、新たに午後診療を開設いたします。これまで夜間診療を利用していただきました患者さんや開業医の先生方にはご迷惑をおかけしますが、今後は午前・午後診療を利用していただきますようお願いいたします。夜間・休日の救急の対応はこれまでと変わりませんのでご安心ください。
 2024年は 2年ぶりの診療報酬改定が実施されます。どのような改訂になるかは不明ですが、当院の基本方針である「地域に密着した良質な医療を提供する」という目標は変わりません。一般診療と透析医療を中心に大病院に引けをとらない高いレベルの医療を提供するとともに、急性期病棟、亜急性期病棟、慢性期病棟を有する当院の特徴を生かし、患者さん個々の療養状況に応じた切れ目の無いきめ細かい医療を提供してまいります。当院は地域に根差した病院として中心的な役割を果たし、患者さんや開業医の先生方との繋がりを大切にすることで地域に愛される病院となるよう引き続き努力してまいりますのでよろしくお願いいたします。

 

2024年01月01日

日本列島 ”食” めぐり「沖縄県」

(この記事は2023年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 桑原 雪衣

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

ソーミンタシヤー

 「ソーミンタシヤー」とは、そうめんを炒めた沖縄県の郷土料理です。少量の野菜やツナなどの具材とそうめんを塩や醤油で仕上げる手軽な料理で、家庭料理や酒の肴として食べられています。昔は台風などで出歩けない時の食事として重宝されていたようです。

(1人分)エネルギー 242kcal/たんぱく質7.8g/塩分2.5g

材料 (2人分) 作り方

●そうめん(乾燥)・・ 200g
●塩(まぶす用)・・・ 少々
●油(まぶす用)・・・ 小さじ1
●人参・・・・・・・・ 40g
●青ねぎ・・・・・・・ 20g
●油(炒める用)・・・ 大さじ1
●ツナ缶・・・・・・・ 60g
●塩(炒める用)・・・ 少々

< 作り方 >

① たっぷりの熱湯でそうめんを茹で、ざるにあげて水気を切る。
② ①のそうめんに塩と油をまぶす。
③ 人参は千切り、青ねぎは小口切りにする。
④ フライパンに油を熱し、人参、ツナを炒め、塩を加える。
➄ ④に②を加えてよく混ぜ合わせる。仕上げに青ねぎを散らして出来上がり。

 

2023年11月01日

風邪と市販のお薬について

(この記事は2023年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部  薬剤師  岩佐 優里香

 冬の前触れを感じる季節になりました。朝夕の冷え込みが厳しくなり、体調を崩しやすく、風邪を引きやすい時期です。今回は市販薬の風邪薬について、お話したいと思います。

風邪とは?

 医学的には「風邪症候群」といい、上気道(鼻やのど)の急な炎症の総称です。風邪の原因は約90%がウイルスであり、粘膜から感染して炎症を起こします。それによりくしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰、発熱といった症状が起こります。風邪薬は風邪を直接治すのでなく、症状を緩和させる目的で作られています。従って、症状に合わせたお薬の選択が必要になります。

症状とそれにあった成分について

現在よく処方されている睡眠薬は、大きく3つに分類されます。

  1. 熱を下げたり、頭痛を抑える成分
    解熱鎮痛剤というお薬です。アセトアミノフェンやイブプロフェンなど。NSAIDs(例ロキソプロフェンなど)と呼ばれるものは腎機能が低下している方には注意が必要です。

  2. 鼻水や鼻づまりを改善する成分
     抗ヒスタミン剤というお薬です。クロルフェニラミンマレイン酸塩やクレマスチンフマル酸塩など。副作用で眠気を引き起こすことがあります。

  3. 咳を止める成分
     鎮咳剤というお薬です。ジヒドロコデインやメチルエフェドリンなど。

  4. 痰を出しやすくする成分
       去痰剤というお薬です。ブロムヘキシンやカルボシステインなどがあてはまります。

  5. のどの痛みなど炎症を抑える成分
     抗炎症剤というお薬です。トラネキサム酸など。

 腎機能が低下している方やその他疾患によってはよくない成分が含まれていることがあります。また、病院で処方されるお薬と同じ成分や効果のものが含まれていることがあるため、市販薬を購入される場合はおくすり手帳を持参するなど薬剤師に相談するようにして下さい。数日間市販薬を服用しても症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。

 

2023年11月01日

世界糖尿病デーのイベントのお知らせ

(この記事は2023年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 11月14日は世界糖尿病デーです。今年のテーマは「アドボカシー~偏見にNO!」です。ご自分やご家族、大切な人と共に、糖尿病について考え、予防にむけた一歩を踏み出していただきたいと思います。
 本年は昨年よりさらに充実した糖尿病デーのイベントを行う予定です。平日はお仕事や家事で普段の糖尿病教室に御参加いただけない方も含めて、ぜひ御参加をお待ちしております。

 

糖尿病デーライトアップのお知らせ

 11月14日の世界糖尿病デーは世界に拡がる糖尿病の脅威に対応するために国際連合により認定されました。11月14日はインスリンを発見したカナダのバンティング博士の誕生日であり、糖尿病の予防、治療、療養を喚起することを推進することが世界的に行われています。世界糖尿病デーのシンボルマークの「ブルーサークル」にちなんで、各地で著名な建造物をブルーにライトアップしています。
 昨年から、西陣病院でもライトアップすることにしております。ご自分やご家族、大切な人と共に、糖尿病について考えていただく機会になればと思います。


昨年のライトアップの様子
(西陣病院玄関前オリーブの木)

2023年11月01日