西陣だより

新年、明けましておめでとうございます

(この記事は2024年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部 部長
石本 昌裕

 昨年の4月に薬剤部部長に着任いたしました。今後は病診連携・薬薬連携など、この地域の医療連携にも注力していくつもりです。
 昨年、厚生労働省から発表された報告によると、100歳以上を超える高齢者は9万526人と初めて9万人を超え、この25年間で約9倍の伸びとなっています。
 高齢者の薬物療法では加齢とともに複数の疾患を合併するため、複数の診療科からの多くの薬剤を服用することになります。そのために、重複投与や薬物相互作用が発現しやすく安全管理が重要となります。また、高齢者は視覚や聴覚機能の低下に加え、嚥下機能の低下・認知機能の低下などにより、服薬の自己管理や服薬自体に支援が必要になってきます。さらに、腎機能・肝機能の加齢による低下や体成分組成(筋肉量減少・体脂肪比率増加等)の変化により薬の効き方にも変化が見られます。こうした生理機能の個人差に対応した処方、調剤、服薬の管理が必要となります。
 西陣病院薬剤部では患者さんに安心して、安全な薬物治療を受けられるように情報提供をしてまいりますので、今後ともよろしくお願いします。
 コロナ禍で直接顔を合わせる機会が減っておりますが、皆様にとって幸多き一年になりますよう心からお祈り申し上げます。

2024年01月01日

謹んで新年のご挨拶を申し上げます

(この記事は2024年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

循環器内科 部長
角田 聖

 

 旧年中、循環器内科に賜りました数々のご厚情とご支援に対しまして、心血管病治療に携わるメディカルスタッフ一同心より御礼申し上げます。
 2020年度から循環器内科部長を拝命し、はや4年が経とうとしています。この4年間はコロナ禍というパンデミック(世界的な大流行)でしたので、患者さん自身もご開業の先生方も病院職員も、もれなく大きな影響を受けました。外出を控えることで運動不足になり、生活習慣病が悪化したり、病院の受診を控えたり、医療体制のひっ迫で早期治療が滞ったりしたことで、脳卒中や心臓病の院外死亡率が増加したと言われています。
 パンデミックはコロナウイルスだけの話ではありません。日本は超高齢化社会となり心不全を発症する患者さんが急増しており、これを心不全パンデミックと呼んでいます。当院では心不全で繰り返し入院して体力が低下していく患者さんが一人でも多く救われるよう、医師、コメディカルが一丸となって再入院予防に取り組んでおり、病院職員同士や患者さんとの絆だけでなく近隣の医療機関の先生方・スタッフの皆様との連携も強まってきたことを肌で感じています。
 今後も循環器チームは地域の患者さんに寄り添い、ご開業の先生方と連携し、より良い循環器疾患予防および治療をご提供出来るよう「One Team」で努力して参ります。
 本年も変わらぬご支援、ご指導を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

2024年01月01日

新年明けましておめでとうございます

(この記事は2024年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

副院長・整形外科 主任部長
牧之段 淳

 

 患者さん、地域の皆様および開業医の先生方におかれましては健やかに新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。
 この度当院では西館屋上にリハビリテーション施設を増設することになりました。現在リハビリを行う機能訓練室は地下1階にありますが打って変わって大文字を臨むこともできる開放的な場所でリハビリを行うことができるようになります。
 リハビリスタッフは患者さんが円滑に日常生活に復帰できるよう退院が近づくと病院周囲で歩行訓練を行ってくれていますが一般道であり心配の声も聞かれることがあります。元気に歩いて帰っていただくことを使命としております整形外科としても病院の屋上に歩行訓練のための歩道や階段昇降訓練のための階段を設けることで多くの患者さんが恩恵を受けることができるものと期待しております。
 なお、この屋上に増設するリハビリ施設は西陣病院で初めてとなるクラウドファンディングを募ってのプロジェクトとなりますので何卒ご理解・ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

2024年01月01日

新年のごあいさつ

(この記事は2024年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院 院長 葛西 恭一


新年あけましておめでとうございます。

皆様には、さわやかな新春をお迎えのことと心よりお喜び申し上げます。皆様のご協力・ご支援により無事に新しい年を迎えることができました。職員一同より皆様への感謝を申しあげますとともに、新しい年が皆様にとって素晴らしい年となりますよう祈念いたします。

 2023年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し始めてから4年目の年となり、5月にはようやく感染症法上の取り扱いが 2 類から5類へと変更されました。一般社会はほぼコロナ禍以前の状態に戻り、外国人、日本人問わず多くの観光客が京都を訪れています。しかしながら、新型コロナウイルスがこの世の中から無くなったわけではありません。我々医療従事者は、リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方と接するため引き続き感染予防策を徹底していきます。
 当院は2024年3月末で夜間診療を終了し、新たに午後診療を開設いたします。これまで夜間診療を利用していただきました患者さんや開業医の先生方にはご迷惑をおかけしますが、今後は午前・午後診療を利用していただきますようお願いいたします。夜間・休日の救急の対応はこれまでと変わりませんのでご安心ください。
 2024年は 2年ぶりの診療報酬改定が実施されます。どのような改訂になるかは不明ですが、当院の基本方針である「地域に密着した良質な医療を提供する」という目標は変わりません。一般診療と透析医療を中心に大病院に引けをとらない高いレベルの医療を提供するとともに、急性期病棟、亜急性期病棟、慢性期病棟を有する当院の特徴を生かし、患者さん個々の療養状況に応じた切れ目の無いきめ細かい医療を提供してまいります。当院は地域に根差した病院として中心的な役割を果たし、患者さんや開業医の先生方との繋がりを大切にすることで地域に愛される病院となるよう引き続き努力してまいりますのでよろしくお願いいたします。

 

2024年01月01日

日本列島 ”食” めぐり「沖縄県」

(この記事は2023年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 桑原 雪衣

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

ソーミンタシヤー

 「ソーミンタシヤー」とは、そうめんを炒めた沖縄県の郷土料理です。少量の野菜やツナなどの具材とそうめんを塩や醤油で仕上げる手軽な料理で、家庭料理や酒の肴として食べられています。昔は台風などで出歩けない時の食事として重宝されていたようです。

(1人分)エネルギー 242kcal/たんぱく質7.8g/塩分2.5g

材料 (2人分) 作り方

●そうめん(乾燥)・・ 200g
●塩(まぶす用)・・・ 少々
●油(まぶす用)・・・ 小さじ1
●人参・・・・・・・・ 40g
●青ねぎ・・・・・・・ 20g
●油(炒める用)・・・ 大さじ1
●ツナ缶・・・・・・・ 60g
●塩(炒める用)・・・ 少々

< 作り方 >

① たっぷりの熱湯でそうめんを茹で、ざるにあげて水気を切る。
② ①のそうめんに塩と油をまぶす。
③ 人参は千切り、青ねぎは小口切りにする。
④ フライパンに油を熱し、人参、ツナを炒め、塩を加える。
➄ ④に②を加えてよく混ぜ合わせる。仕上げに青ねぎを散らして出来上がり。

 

2023年11月01日

風邪と市販のお薬について

(この記事は2023年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部  薬剤師  岩佐 優里香

 冬の前触れを感じる季節になりました。朝夕の冷え込みが厳しくなり、体調を崩しやすく、風邪を引きやすい時期です。今回は市販薬の風邪薬について、お話したいと思います。

風邪とは?

 医学的には「風邪症候群」といい、上気道(鼻やのど)の急な炎症の総称です。風邪の原因は約90%がウイルスであり、粘膜から感染して炎症を起こします。それによりくしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰、発熱といった症状が起こります。風邪薬は風邪を直接治すのでなく、症状を緩和させる目的で作られています。従って、症状に合わせたお薬の選択が必要になります。

症状とそれにあった成分について

現在よく処方されている睡眠薬は、大きく3つに分類されます。

  1. 熱を下げたり、頭痛を抑える成分
    解熱鎮痛剤というお薬です。アセトアミノフェンやイブプロフェンなど。NSAIDs(例ロキソプロフェンなど)と呼ばれるものは腎機能が低下している方には注意が必要です。

  2. 鼻水や鼻づまりを改善する成分
     抗ヒスタミン剤というお薬です。クロルフェニラミンマレイン酸塩やクレマスチンフマル酸塩など。副作用で眠気を引き起こすことがあります。

  3. 咳を止める成分
     鎮咳剤というお薬です。ジヒドロコデインやメチルエフェドリンなど。

  4. 痰を出しやすくする成分
       去痰剤というお薬です。ブロムヘキシンやカルボシステインなどがあてはまります。

  5. のどの痛みなど炎症を抑える成分
     抗炎症剤というお薬です。トラネキサム酸など。

 腎機能が低下している方やその他疾患によってはよくない成分が含まれていることがあります。また、病院で処方されるお薬と同じ成分や効果のものが含まれていることがあるため、市販薬を購入される場合はおくすり手帳を持参するなど薬剤師に相談するようにして下さい。数日間市販薬を服用しても症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。

 

2023年11月01日

世界糖尿病デーのイベントのお知らせ

(この記事は2023年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 11月14日は世界糖尿病デーです。今年のテーマは「アドボカシー~偏見にNO!」です。ご自分やご家族、大切な人と共に、糖尿病について考え、予防にむけた一歩を踏み出していただきたいと思います。
 本年は昨年よりさらに充実した糖尿病デーのイベントを行う予定です。平日はお仕事や家事で普段の糖尿病教室に御参加いただけない方も含めて、ぜひ御参加をお待ちしております。

 

糖尿病デーライトアップのお知らせ

 11月14日の世界糖尿病デーは世界に拡がる糖尿病の脅威に対応するために国際連合により認定されました。11月14日はインスリンを発見したカナダのバンティング博士の誕生日であり、糖尿病の予防、治療、療養を喚起することを推進することが世界的に行われています。世界糖尿病デーのシンボルマークの「ブルーサークル」にちなんで、各地で著名な建造物をブルーにライトアップしています。
 昨年から、西陣病院でもライトアップすることにしております。ご自分やご家族、大切な人と共に、糖尿病について考えていただく機会になればと思います。


昨年のライトアップの様子
(西陣病院玄関前オリーブの木)

2023年11月01日

「術後疼痛管理チーム」活動開始!

(この記事は2023年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

麻酔科 部長 中川 博美



手術の後は「切ったから痛いのは当然」と思っておられませんか。
当院では、麻酔科医や術後疼痛に係る所定の研修を修了した看護師・薬剤師も加わった「術後疼痛管理チーム」が活動をはじめ、「安全で痛みの少ない手術後」をお過ごしいただくことで患者様の順調な術後回復をご支援いたします。

 

 当院では20年ほど前から患者様が安心して安全に手術を受けていただけるように、医師・看護師だけでなく薬剤科・放射線科・臨床工学科・臨床検査科・総務室・経営管理室などの多くの部門が協力して、手術医療にかかわる安全管理業務を行う手術室安全管理委員会が活動してきました。この度、この委員会の活動の一環として、手術中のみならず手術後も患者様に安全で適正な術後疼痛管理をご提供し順調な術後回復につなげていくことを目的にする「術後疼痛管理チーム」を結成いたしました。
 チームメンバーは、麻酔科医、術後疼痛に係わる所定の研修を修了した専任の看護師・薬剤師、主治医、病棟看護師、病棟薬剤師と臨床工学技士から構成されています。チームの回診は、主に硬膜外患者自己管理型持続鎮痛法や経静脈的持続鎮痛法を用いて術後疼痛管理法を施行した患者様が対象となりますが、あまねく術後の患者様からの「痛い」・「気持ちが悪い」などの訴えがあったときの相談窓口としての役割も担っています。患者様には、麻酔科術前外来を受診された際に「術後疼痛管理計画書」を用いて個別の術後疼痛管理法についてご説明させていただきます。また、疼痛評価法(NRS:Numeric rating Scale)に基づき「痛みを数字で表現」していただくようにご協力をお願いいたします。万が一、悪心、嘔吐、かゆみ、下肢のしびれや運動障害などの術後鎮痛法による副作用が発生した場合には、チームメンバーに限らずお近くの医師、看護師、薬剤師にご遠慮なくご相談いただければ早期に対応させていただきます。
 手術後は「切ったから痛いのは当然」ではなく、安全な範囲内での十分な術後疼痛管理を行い「手術後もなるべく痛みが少なく辛くないように」お過ごしいただけるように、また、これにより、術後せん妄や混乱に陥ることなくより早く日常の生活に戻り、術後のリハビリテーションにも積極的に取り組んでいただけますように、チームで患者様の順調な術後回復をご支援できればと思っております。

 

 

  

  
2023年11月01日

日本列島 ”食” めぐり「愛媛県」

(この記事は2023年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 須惠 裕子

全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます

いもたき

 「いもたき」は鶏肉、里芋、こんにゃく、しいたけ等の具材を煮込んだ鍋料理で、お籠りと呼ばれる伝統行事でふるまう鍋に、各自が地元名産の里芋を持ち寄ったことが始まりといわれています。家庭だけでなく、学校給食の献立や家庭科の授業でつくる機会もあり、若い世代にも親しまれている郷土料理です。

(1人分)エネルギー 515kcal/たんぱく質23.5g/塩分2.5g

材料 (4人分) 作り方

●鶏肉・・・・ 300g
●里芋・・・・ 400g
●生揚げ・・・ 1枚
●白玉粉・・・ 100g
●しいたけ・・ 4枚
●だし汁・・・ 1ℓ

●調味料A
 ・酒・・・・・ 大さじ1
 ・砂糖・・・・ 大さじ2
 ・みりん・・・ 大さじ2
 ・醤油・・・・ 大さじ3
 ・塩・・・・・ 少々
 ・サラダ油・・・ 適量

< 作り方 >

①里芋は皮をとり、熱湯に塩少々を入れ茹でる。生揚げは一口大に切り油抜きする。
②白玉粉に少しずつ水を加え、耳たぶ位の固さに練り、団子にし、熱湯で茹でる。
③油を熱し、鶏肉を炒め、①を入れてよく炒め、だし汁を加えて煮る。
④里芋が煮えれば、②を入れ調味料Aを加え、全体に味がなじめば完成。

ポイント   里芋は、口の中でとろっとするくらい、やわらかく煮るとよい!

 

2023年09月01日

不眠とお薬について

(この記事は2023年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤部  薬剤師  寺崎 真帆

 一般成人の30~40%が何らかの不眠症状を有していて、不眠症は国民病と言われています。今回は身近な睡眠に関するお薬のお話です。

ドラッグストアで購入できる薬と、病院で処方される薬の違いは?

 ドラッグストアで購入できる薬は睡眠改善薬と呼ばれ、睡眠薬とは異なります。アレルギー薬などの眠たくなる副作用を利用し、一時的な不眠症状を緩和します。
 病院の処方薬は中枢神経系の機能に作用することで日常的な不眠症状に効果があり、医師の診断による処方が必要です。

睡眠薬の種類について

現在よく処方されている睡眠薬は、大きく3つに分類されます。

  1. GABA受容体作動薬
     脳の興奮を抑える神経伝達物質であるGABAの働きを促すことで、脳の活動を休ませます。作用時間の違いにより不眠の症状に合わせて使い分けることができ、服用後の効果を実感しやすいです。依存性、耐性(薬の効きが徐々に悪くなること)等の副作用に注意が必要です。

  2. メラトニン受容体作動薬
     体内時計のリズムを整える神経伝達物質であるメラトニンを刺激することで自然な睡眠を促します。依存性や耐性の副作用が少ない一方で、効果を感じるまで2週間ほど必要です。

  3. オレキシン受容体拮抗薬
     覚醒を維持する神経伝達物質であるオレキシンを抑えることで自然な睡眠を促します。副作用で悪夢を見ることがあります。


 ご自身の服用されている睡眠薬についてご質問があれば、医師・薬剤師までご相談ください。不眠の改善には、まず生活習慣の見直しをすること、そして睡眠薬を正しく服用することが大切です。医師の指示通りに服用すること、自己中断しないこと、お酒と一緒に服用しないことを守りましょう。

 

2023年09月01日