西陣病院だより

TQM活動発表会報告

(この記事は2020年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

本館3階 TQMメンバー

 

 2月23日(日)に西陣病院 第 9 回TQM活動報告会がありました。TQMとはTotal Quality Managementの頭文字を取ったもので、全体で医療サービスの質を継続的に向上させる取り組みのことです。
 2019 年政府の地震調査会は南海トラフ巨大地震が今後 30年以内に起こる確率を 80 %まで引き上げました。入院中の患者さんにとって生活の場である病院で地震が起こった時に私たちはどのように行動すればよいのか不安に感じました。そこで安全に患者さんや面会者の方々が避難できるように取り組みを開始しました。
 院内の防災マニュアルの見直しと実践訓練やマイ備蓄という考え方も普及しました。マイ備蓄とは、災害時において人命救助のリミットは72 時間といわれており、その間救助活動を優先させるため物資の支援は遅くなってしまうので、各自で備蓄しましょうという考え方です。備蓄や防災に対しての勉強会や地震シミュレーション訓練を通して災害を身近に感じることができ防災意識が高まりました。
 新型コロナウィルスが少しずつ拡大しかけていた時期ではありましたが、参加者はマスク着用や手洗い等安全に配慮し、有意義な活動報告を聞くことができました。 例年とは違う緊張感のもと行った報告会でしたが、みごと優勝を収めることができ、喜びのあまりに涙を流すスタッフもいました。結果に満足することなく災害シミュレーション訓練を繰り返し実践し、患者さんやそのご家族、しいてはスタッフが全員安心して避難に臨めるよう精進をしていきたいと思います。


2020年05月01日

院長就任のご挨拶

(この記事は2020年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院 院長 葛西 恭一


 

 

この度、2020年4月1日付けで西陣病院院長に就任しました葛西恭一です。

 私は平成元年(1989年)に医師となり、京都府立医科大学第一内科に入局し、京都府下のいくつかの関連病院を経て平成13年(2001年)4月に当院へ赴任いたしました。当時医局員は全科で20人程度、全職員は約300人と小さな所帯でしたが、前院長である伊谷賢次名誉院長はじめ職員の努力の結果、現在では医局員は40名を超え、職員数は約500人となりました。
 当院の特徴として、一般診療とともに透析医療に力を注いでいる点が挙げられます。当院の透析センターは医師、看護師、臨床工学技士はじめ様々な職種が協力し、日々の診療はもちろん学術面においても高いレベルで活動しており、京都でも有数の透析専門施設となりました。 
 一般診療においては、診療科間の垣根が低いという特徴を生かし、一人の患者さんを各診療科がほぼシームレスに対応、治療にあたることができる雰囲気が形成されております。このため、様々な疾患を合併する透析患者さんや、複数の疾患を抱える高齢の患者さんに対しても、大規模病院に引けをとらない「良質な医療」を提供できていると自負しております。
 当院のもう一つの特徴として、医療ソーシャルワーカーを中心とした福祉部門の充実が挙げられます。高いレベルの医療が求められる一方で、我々医療人は不安を抱えている患者さん・ご家族の気持ちに寄り添う姿勢も必要であると考えています。当院は社会福祉法人としての責務を果たすべく、全職員が「愛の精神」で患者さんの立場に立った医療を目指しております。当院はまだまだ発展途上にありますが、地域の患者さんや開業医の先生方のニーズに応えるべく、「愛の精神」で「良質な医療」を提供していくことを目標とし、皆様に愛され、信頼される病院となるよう引き続き努力していきますのでよろしくお願いいたします。

2020年05月01日

世界糖尿病デーのイベントを開催しました

(この記事は2020年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

看護部 主任
糖尿病看護認定看護師
立山 一美

 

11月14日が世界糖尿病デーに制定され、糖尿病の予防、治療、療養を喚起する啓発活動が世界各地で開催されています。当院でも今年度からの試みとして、11月14日に糖尿病のイベントを開催しました。事前に通院中の患者さんに、今の思いやこれからの願いなどを書いたメッセージを頂き、会場に掲示しました。当日は医師による糖尿病についての相談、看護師による血糖・血圧測定、薬剤師によるおくすり相談、管理栄養士によるフードモデルを使った栄養相談、臨床検査技師による頸動脈エコー、臨床工学技士による InBody での体組織チェックのブースを設けました。また理学療法士は、握力測定と座ってできる体操教室を行いました。盛りだくさんの企画に、20名の参加の方々と一緒に糖尿病を学び、スタッフ共々笑顔が溢れる糖尿病デーとなりました。参加していただいた皆様、ありがとうございました。今後も様々な催しを考えていますので、今回参加できなかった方や興味を持って頂いた方も、ご参加をお待ちしています。


2020年03月01日

新年おめでとうございます

(この記事は2020年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

看護部長
中島 美代子

平成から令和へと年号が変わり、令和で最初の新しい年を迎えることができました。

西陣病院看護部は、地域の皆様のニーズに応えることを大切にし、ケアミックス病院として、急性期の看護、回復期の看護、慢性期の看護、また看取りの看護の質を上げることに努めてまいりました。新しい年には当院の特徴でもある透析センターに透析認定看護師が誕生する予定です。透析治療の専門領域の研修を終えた認定看護師を中心に、さらに透析看護を充実してまいります。

また、今後、さらに高くなる高齢化にも対応できるよう高齢者の看護の充実にも努めております。今年春から、認知症看護認定看護師の資格修得のため看護師を研修に出す予定にしております。そして、患者さんお一人お一人が、ご自分の人生を自分らしく生きられるように、看護師だけではなく、病院職員が一丸となってチームでサポートしていきたいと考えております。

西陣病院看護部は、伊谷院長の方針である「地域に愛される病院づくり」に参画し、これからも、地域の方々が、住み慣れた地域で暮らすことを支えてまいります。

2020年01月01日

新春のごあいさつ

(この記事は2020年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

整形外科 部長
牧之段 淳

皆様には令和になって初めての新年を健やかに迎えられたことと謹んでお慶び申し上げます。

最近健康寿命という言葉が聞かれるようになってきました。健康寿命とは介護を受けたりせず日常生活を送れる生存期間のことです。現在平均寿命は男性81歳、女性87歳ですが健康寿命は男性71歳、女性74歳程度と開きがあり問題となっています。75歳以上を対象として本年度からフレイル健診が開始されることになりました。要支援・要介護になった要因の1位は運動器の障害です。運動器をあつかう整形外科では日本整形外科学会がロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)を国民に向けて啓発しています。ロコモティブシンドロームとは、骨や関節、筋肉など運動器の衰えが原因で、歩行や立ち座りなどの日常生活に障害を来たしている状態のことです。先ずはスクワットや片足立ちなどを行い筋力やバランス能力を鍛えることが大切ですが末永く自立した生活を続けるためには手術が必要となることもあります。

当科は常勤の整形外科専門医が3名力を合わせて皆様の健康寿命が延びるように各人に合った治療方法を御提案させていただきますので何卒よろしくお願い申し上げます。

2020年01月01日

『出会い』を大切に 再び

(この記事は2020年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

副院長
柳田 國雄

新年あけましておめでとうございます。皆様にはお健やかに令和最初の新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。

前回この欄で新年のご挨拶をさせていただいてから3年が経ちました。その間医療の現場はますます厳しく複雑となり、超高齢化に伴う様々な問題が取り上げられ、人工知能(AI)の医療への導入が取り沙汰され、仕事の効率化や働き方改革が進められています。この時代の波に押し流されず、様々な工夫をして“地域に密着した総合的な医療と専門性を生かした医療”の両輪を堅持していきたいと思っています。さらには、医療の安全性の確保や働きがいのある健全な職場への工夫と努力も続けてまいります。

最近読んだ本に『人の幸せってのはどれだけ周りの人を笑顔に出来たかだと思う』という言葉がありました。この3年間に様々な出会いがありたくさんの笑顔に出会うことができましたが、残念ながら悲しく辛いこともありました。本年も新たな出会いがたくさん待っていると思います。患者さん本人やそのご家族はもちろん、地域の医療者の方々、さらには病院スタッフとのひとつひとつの出会いを大切に、そしてその方々を笑顔にできる医療を本年も心がけたいと思います。本年も何卒よろしくお願いいたします。

2020年01月01日

新年のごあいさつ

(この記事は2020年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院、西陣病院 院長 伊谷 賢次

西陣病院 院長 伊谷 賢次


新年明けましておめでとうございます。

皆様には、さわやかな新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。また、昨年中、当院に賜りました数々のご厚情とご支援に対しまして、職員一同心より御礼申し上げます。

昨年も大型台風到来による暴風や記録的な豪雨により、関東地方を中心に多くの人が被災されました。特に、真夏での長時間の停電は、医療福祉施設でも、エアコンが使用できなくなり、熱中症のリスク化が高く、転院を余儀なくされた様子をテレビ画面から目の当たりにしました。今後も、地球温暖化による今までに経験したことのない異常気象は頻繁に起こることが予想され、医療機関は今まで以上に様々な災害対策の必要性を痛感しました。当院では、電源設備の拡充工事を昨年10月より開始し、今年7月まで行います。長時間の停電時にも人工呼吸器などの非常用電源以外に、エレベーターやエアコンなどの電源も確保できるようになり、安心で安全な病院を目指します。また、工事期間中は、地域住民の皆様には、交通規制などのご不便をお掛けしますが、ご理解・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

また、昨年10月より消費税が8%から10%に増税されました。消費税増収分の一部は社会保障の充実にあてられることになっていますが、国民の生活はもとより、病院経営にとっても厳しい増税となりました。また、今年4月に2年ごとの診療報酬改定がありますが、医療費抑制政策によりマイナス改定が予想され、良質な福祉医療の継続には大きな不安があります。このような厳しい状況でも、当院の目指すべき目標は、設立当初からの基本方針である、「地域に密着した良質な医療を高いレベルで提供する」ことです。

今年も、地域のニーズに合った急性期病棟、地域包括ケア病棟、障害者病棟のケアミックス病院としての診療体制を維持していきます。急性期病棟では、高齢者の多い地域で、透析患者さんと同様に、多くの合併症を持った患者さんが多く、内科系・外科系・画像診断医・麻酔科医などによるスピーディーなチーム医療を行います。今年4月の診療報酬改定でも、包括医療費支払い制度方式(DPC)は導入せず、開業医の先生方からのご要望や患者さんの病態にあった医療を提供していきます。また、地域包括ケア病棟ではサブアキュート・ポストアキュート・レスパイトなど地域にあった医療を提供していきます。

今後も職員全体が患者さんを主体に考え、良質な医療を提供するためにスタッフ一人ひとりが役割と責任を自覚して努力していきますので、今年一年、さらなるご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

令和二年 元旦

2020年01月01日

「地域で生きる」を支える訪問看護

~ 医療的ケアからご家族への日常生活や精神面のサポートで自宅療養を支援 ~
住み慣れた家で療養生活を送ることができるように

(この記事は2019年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

 

訪問看護ステーション「西陣」所長 加藤 小津恵

 

「長い間、大変お世話になりありがとうございました。在宅介護は考えていた以上に大変でしたが何とかやってこれたのは、皆様方に助けていただき指導していただいたお陰だと大変感謝しております。戸惑ったり不安になったりしたことも多々ありましたが、そんな時には相談にのっていただき、父の看護だけではなく母や私たちのことも気にかけ支えていただいた事がとても嬉しかったです。」

これは、在宅で最期を迎えられた利用者様のご家族からいただいたお手紙です。この方は、点滴や痰の吸引、尿の管などの医療的なケアが必要な状態の方でした。このように、医療的なケアが必要な方や障害を持つ方が、住み慣れた家で安心して過ごせるよう訪問看護師は、療養生活全般にわたって支援しています。その人、その家族が大切にされている事、想い、生活に合わせた看護の提供に努めています。本人や家族だけでの療養生活は不安になってしまうものですが、訪問看護を活用することで判断がつかない専門的なこともアドバイスを受けることができ、主治医との連携もスムーズに保つことができます。特に病院から退院した時などに利用すると、安定した生活を始めやすく、またそれを維持しやすくなると考えます。

また、訪問看護ステーション西陣では24時間、利用者様やご家族からの相談に対応しています。必要時には訪問し他機関と協働して対応することで安定した在宅療養生活へのサポートをしています。一人一人の利用者様が住み慣れた地域で医療を継続でき、安心して過ごして頂けるように、また不安なく家での看取りができるように専門的な立場で支援させて頂きます。私たちは、利用者様やご家族から学ぶ姿勢を忘れないこと、地域の多職種と協働することを大切にしています。開設し 24年が経ちますが、今後も心のこもった温かな看護を実践し、質の高い在宅ケアの提供に努めてまいります。

 

 

2019年11月01日

第10回 透析センター 避難訓練開催報告

(この記事は2019年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

透析センター
災害対策委員会

10月20日(日曜日)に、本館2階透析センターにおきまして透析患者さん対象の避難訓練を実施しました。今回で10回目となる訓練には、患者さんとそのご家族24名が参加されました。透析治療は、血液を体の外に出してダイアライザーといわれる人工腎臓により血液中の老廃物や電解質(カリウム・リンなど)や水分などを除去しますが、血液回路で機械につながれた状態となります。透析センターでは日頃から、患者さんが透析治療中にトイレ休憩をとられる際には、患者さんと機械を一時的に離脱する手技を行っております。その手技は緊急時の手技と同じにしておりますので、普段から緊急時の訓練を行っているということになります。スタッフは離脱手技を普段通り実施し、患者さんを安全に1階に避難誘導しました。

参加された患者さんからは、「経験することができてよかった」「毎年くるべきですね」などの感想がありました。安全に配慮して声かけを行いながら、参加された全員が無事に避難訓練することができました。

今年は、台風による被害が全国各地で起きています。関東では自施設で透析が行えず近隣施設で透析を受ける方もいたそうです。災害時は通常の透析が行えないことも想定し日頃から水分、塩分、カリウムの管理には十分注意するようお伝えし訓練を終了しました。

 

2019年11月01日

世界糖尿病デーイベント開催のお知らせ

(この記事は2019年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

看護部 主任
糖尿病看護認定看護師
立山 一美

 

世界糖尿病人口が増加していることを踏まえ、11月14日が「世界糖尿病デー」に制定され、糖尿病の予防、治療、療養を喚起する啓発活動を推進し、世界の有名な建築物がシンボルカラーであるブルーにライトアップされています。当院でも、今年より糖尿病のイベントを開催することになりました。糖尿病についての相談や血糖測定など、少しでも糖尿病のことについて知ってもらえる機会にしたいと内容を検討しています。ご参加をお待ちしています。

 

 

2019年09月01日