西陣病院だより

新入職看護アシスタントの紹介

(この記事は2024年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
看護部より

 2024年8月にインドとネパール出身の看護アシスタント8名が仲間に加わりました。病院の概要・感染対策・医療安全・看護アシスタント業務等、シャドーイングも含め7日間のオリエンテーション・実技演習を行いました。皆、一生懸命でとても熱心に取り組んでいました。母国を離れ遠い異国の地で私たちと共に日本の介護ケアを支えてくれる人達です。
 入職して2か月が経ち、ひとりでできるケアも増えてきました。患者さんが名前を覚えてくださったことがとても嬉しかったと話してくれたスタッフもいます。日本語はまだたどたどしいところはありますが、温かい目で見守りつつ一緒に頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

  

2024年11月01日

ふれあい看護体験

(この記事は2024年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

教育科長 兵頭 美香子

 

 8月8日(木)に、ふれあい看護体験を開催し、高校生4名が参加してくださいました。看護師と一緒に車椅子移送や全身清拭を行いました。その他、バイタルサイン測定の場面も見ていただきました。参加者のみなさまから「患者さんの体を拭いたときに、患者さんから『ありがとう』と言ってもらえて嬉しかったです」「患者さんとしっかりコミュニケーションをとることによって、患者さんが安心して過ごせるのだと感じました」などの感想をいただきました。

 

2024年11月01日

快適な排便のために

(この記事は2023年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

皮膚・排泄ケア
特定認定看護師
多氣 真弓




  「毎日、便がでない…私は便秘なんだ。」と思っている方は多いと思います。慢性便秘症診療ガイドラインでは、便秘を「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義しています。

 

 毎日便がでなければ便秘だと思っている方の中には、下剤を飲んで便を出すことに目が向いて、「快適に」ということにはあまり関心がない方もいらっしゃるのではないでしょうか。排便の量や回数には個人差があります。量や回数よりも排便後に「すっきりした」と思えることが大切ですでは、快適な排便をするためにはどうしたらよいのでしょう。

 

 

 毎日、適度な運動をして、食物繊維、発酵食品、乳酸菌を努めて摂取して腸内環境を整えるようにしている方も多いと思いますが、排便の姿勢を意識したことはありますか?排便に最もよい姿勢は和式のトイレにしゃがむ蹲踞位(そんきょい)ですこれは肛門と直腸の角度が広がるために便が出やすくなるというものです。最近では、和式のトイレも少なくなり、年齢を重ねると「和式のトイレはちょっと…」という方も増えてきます。洋式のトイレでは図のように前かがみに座ると直腸と肛門の角度が広がり、肛門括約筋が緩みます。また、かかとを少し上げて足先をつけることで腹圧がかけやすくなります。足が床につかない場合は足台を置くとよいでしょう。快適な排便のために生活習慣を見直すと同時に排便の姿勢も見直してはいかがでしょうか?

2023年07月01日

当院の認知症看護特定認定看護師を紹介します

(この記事は2022年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

認知症看護特定認定看護師


認知症看護
特定認定看護師
草川 千恵




  2021年に、認知症看護特定認定看護師の資格を取得しました。今や認知症は誰もが関わる可能性のある身近な病気となり、2025年には65歳以上の高齢者5人に1人が認知症になると推計されています。

 

 認知症の方が入院すると、次のような苦痛や困難を体験されます。入院に伴い、住み慣れた自宅から病院へと物理的環境が変わり、家族から医療者へと社会的環境も変化してしまいます。それに、病気の治療のため医療処置が新たに加わります。認知症の方は一般の高齢者に比べて環境の変化に弱く、入院に伴う様々な環境の変化にさらされることにより、身体的・精神的に負担となり、入院中に身体機能の低下や認知症の進行を招くリスクがあります。その上、認知症の方は記憶障害や言語障害などにより、病気の症状や処置による苦痛をうまく医療者へ伝えることができないのです。
 認知症看護特定認定看護師として、入院に伴う環境の変化で苦痛や困難を抱えている認知症の方が、安全に治療を受けることができ、入院後も自分らしく過ごせるように、そして早期に退院できることを目指して介入を行っています。具体的には、無機質な病床を少しでも住み慣れた自宅に近づけるようなレイアウトにしたり、点滴や治療に必要なチューブ類が気にならないような工夫を行ったりしています。そして、苦痛をうまく訴えられない認知症の方の表情やしぐさを捉え、全身の観察を行い、隠された身体異常を察知してケアへ繋げています。そのためにも、スタッフに対する指導や教育も重要な特定認定看護師の役割の一つであり、院内で認知症に関する研修会を実施したり、近隣の看護専門学校へ講義を行ったりもしています。
 認知症の方が「地域で自分らしく暮らすことができる」よう、活動していきたいと思いますので、認知症に関する困りごとがありましたら、いつでもご相談ください

 

施設や医院で働く方々に向けた出張研修会などを行いますので、s.saeki@nishijinhp.com(佐伯)のメールか、地域医療連携室に是非ご相談ください。お待ちしております。

<出張研修会内容の例>

●感染管理認定看護師
「新型コロナウイルス感染対策について」
「感染性吐物・排泄物処理方法について」

●透析看護認定看護師
「腎臓の悪化に気づくポイント」

●皮膚・排泄ケア特定認定看護師
「褥瘡の予防・治療ケア」
「高齢者の失禁管理」
  症例検討など

この他にもご希望がございましたら、ご相談ください。

2022年03月01日

当院の認定看護管理者を紹介します

(この記事は2021年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

認定看護管理者


認定看護管理者
(左) 佐伯 看護部長
 (右) 金澤 副看護部長

『認定看護管理者』って聞きなれない名前だと思いますが、名乗るためには日本看護協会が実施する認定看護管理者認定審査に合格することが必要です。その研修はファーストレベル(105時間)・セカンドレベル(180時間)・サードレベル(180時間) と3段階があり、サードレベルまで終了すると審査を受ける権利を得ることができます。他にも管理者経験を持ち大学院などで看護系の修士号を取ると受けることができます(ちなみに当院では 2名の管理者が修士課程を修了しております)。認定看護管理者制度は1998年に発足されてから2020年度には全国で4551名となり京都府は87名となりました。西陣病院では、ファーストレベル修了者8名、セカンドレベル修了者が7名います。サードレベルを終了した私達2人が、今年認定看護管理者となりました

 

日本看護協会が示す認定看護管理者が行う活動とは、「患者・家族や地域住民に対しより質の高いサービスを提供できるよう、自身が管理する組織の課題を明らかにし、組織内の様々な部署や人に働きかけて、組織全体のサービス提供体制の向上に取り組むこと。また、地域の組織間の連携を図るなど、地域全体の医療・看護の質の向上に務めること」とされています。私達は他の看護管理者と共に、西陣病院に来られた患者さんに気づきとレジリエンス(状況に合わせて柔軟に対応できる力と心)を大事にした看護をスタッフ皆ができるようにしたいと思ってきました。これから更に「地域全体の医療・看護の質の向上に努める」ことを目標に、当院にいる感染管理認定看護師や皮膚・排泄ケア特定認定看護師・透析看護認定看護師に地域で活躍してもらい西陣地域の方々の健康増進とQOL(生活の質)を維持向上できるよう貢献していきたいと思っています。

施設や医院で働く方々に向けた出張研修会などを行いますので、s.saeki@nishijinhp.com(佐伯)のメールか、地域医療連携室に是非ご相談ください。お待ちしております。

<出張研修会内容の例>

●感染管理認定看護師
「新型コロナウイルス感染対策について」
「感染性吐物・排泄物処理方法について」

●透析看護認定看護師
「腎臓の悪化に気づくポイント」

●皮膚・排泄ケア特定認定看護師
「褥瘡の予防・治療ケア」
「高齢者の失禁管理」
  症例検討など

この他にもご希望がございましたら、ご相談ください。

2021年11月01日

ふれあい看護体験

(この記事は2021年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

ふれあい看護体験

昨年は、新型コロナウイルス感染症拡大のため中止となりましたが、今年は2年ぶりに「ふれあい看護体験」を開催し、3名の高校生が参加して下さいました。従来は、看護師と一緒に食事介助や全身清拭など直接患者さんとかかわって頂きましたが、今年は感染対策の為、シミュレーターを用いての心肺蘇生、車いすやストレッチャーの操作や患者体験など、演習を中心に行いました。そして、短時間ですが、看護師が看護を実践している場面を見学して頂きました。

参加者から「実際の仕事の場面を見ることができてよかったです」「コミュニケーションの大切さを学びました」「体力のいる仕事だと思いました」など、多くの感想を頂きました。

2021年09月01日

当院で活躍する認定看護師を紹介します

(この記事は2021年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

皮膚・排泄ケア特定認定看護師


皮膚・排泄ケア特定認定看護師
多氣 真弓

 

皮膚・排泄ケア認定看護師は、スキンケアを基盤として創傷ケアや排泄ケアを専門に行う看護師です。

2008年に認定を取得して院内を横断的に活動し、年間の延べケア件数は2600件ほどで約7割が創傷のケアです。褥瘡(床ずれ)や静脈うっ滞性下腿潰瘍、糖尿病性足病変、重症下肢虚血などの慢性創傷は、長期にわたるケアが必要で、皮膚科の坂元花景医師と連携して治療を進めていきますが、場合によっては糖尿病内科、循環器内科、整形外科医師とも連携して院内の医療チームで治癒を目指すこともあります。また、院内の看護師はもちろんのこと院外施設の看護師や訪問看護師とも情報を共有しながら療養の場がどこであっても継続したケアが行われ、創傷の適切な管理ができるようにしています。しかし、重要なことは創傷が発生しないように予防することです。加齢によって皮膚のバリア機能は低下しますので、からだを泡で優しく洗浄して、保湿剤を毎日塗ることで皮膚を健やかな状態にしておくことが予防につながります。

2025年には65歳以上の高齢者が4人に1人となり、医療の質と量の両方を高めていくために、厚生労働省は、2015年から「看護師特定行為研修」を開始しました。これによりこれまで医師にしかできなかった38の医療行為について、研修を修了した看護師が医師の指示(手順書)により実践できるようになりました。2020年に創傷管理に関する5つの行為について研修を修了し、「皮膚・排泄ケア特定認定看護師」になりました。認定看護師の専門的な「看る」と特定行為研修で学んだ「診る」の両方の視点からタイムリーに創傷の治癒や重症化予防のためのきめ細かな看護を提供できるように努めていきます。

2021年09月01日

当院で活躍する認定看護師を紹介します

(この記事は2021年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

感染管理認定看護師


感染管理認定看護師
伊藤 良子

 資格を修得して6年目になります。感染管理認定看護師の役割りは、病院に出入りする全ての方に感染予防対策を行う事です。感染予防の基本は、手指衛生です。病院内では、ICT(感染予防コントロールチーム)として多職種で病院環境が適切か、標準予防策(感染予防対策の基本)が実施されているか、手指衛生が徹底されているか等を週 1回ラウンドして確認しています。入院患者さんの中には、隔離が必要な場合もあり感染対策表示カードの設置、個人防護具の用意、器材を個人専用に出来ているか等確認、指導しています。現場からの感染予防に対する相談にも応じています。退院時に耐性菌保菌のまま自宅、施設退院もあり洗濯方法や検体別取り扱いを(尿廃棄、痰を拭き取りしたチリ紙廃棄方法等)パンフレット作成し、お渡しする事もあります。 

 感染予防活動は、病院内に留まらず地域活動も重要です。京都府内の感染管理に従事した看護師達が集まり、「みやこICN」を結成、地域の方や施設職員向けの研修会を実施しています。年に1、2 回実施しています。2020 年度は、コロナ禍で開催出来ませんでした。研修会再開のおりには、ぜひ参加して下さい。老健施設の方に、標準予防策、ノロウイルス排泄物処理方法について勉強会も行いました。感染対策に対する疑問や勉強会依頼等ありましたら、コロナ禍で対面開催は難しいかと思いますがお気軽に御連絡下さい。お待ちしています。
 新型コロナウイルス感染第4波となり、自粛疲れもあると思いますがワクチン接種も始まりました。もうひと踏ん張りして、この難局を乗り越えましょう。おかしいと思ったら…早めの受診をお願いします。

透析看護認定看護師

透析看護認定看護師
大槻 直博

 
 透析治療とは、腎臓の機能を補うための治療です。腎臓が悪くなる原因には、加齢、生活習慣、遺伝、免疫異常などがあります。特に糖尿病や高血圧といった持病をお持ちの方は注意が必要です。体のむくみ、血尿といった症状はありませんでしょうか。それらは腎臓の不調が原因かもしれません。透析看護では、透析治療を受けられている患者さんはもちろんのこと、腎臓の機能に不安を抱える全ての患者さんを対象としています。当院では、毎週水曜日と金曜日の午後からCKD(慢性腎臓病)看護外来という名称で、看護師が外来に立ち、腎臓の働きが弱まった方への透析予防を含めた介入を行っています。 

 主な介入内容としましては、腎臓のさらなる悪化を抑えるために、生活習慣を患者さんとともに見直していくことから始めます。食生活では減塩、適正なカロリー・タンパク質の摂取を意識して過ごせるように、栄養士と連携して関わっていきます。また、日々の体調や血圧などの変化を見ながら、腎臓に負担をかけないための過ごし方を患者さんと共に模索していきます。
 しかし、それでも腎臓の悪化を避けられない場合があります。そうなった場合にも慌てなくてよいように、日頃から腎臓の働きを補う治療についての理解を深めておくことが大切です。日々の 生活に治療を組み込んだうえで、いかにして「その人らしい生き方」を過ごしていくのかを患者さんと共に考えていきます。何か不安なことがありましたら、いつでもご相談ください。

2021年07月01日

慢性腎臓病(CKD)の進行を抑えられるよう、 これからの療養生活を支援します

(この記事は2019年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

透析センター 主任
糖尿病看護認定看護師
立山 一美

 

慢性腎臓病(CKD)の予防、治療においては、食事内容を含めた生活習慣の改善、適正化が重要であるといわれています。
生活習慣の見直しや治療の必要性は理解していても、今までの生活を変えることはたやすいことではありません。2019年4月より、腎臓病及び糖尿病の専門の資格を持った看護師6名で、CKD看護外来をはじめました。腎臓病の進行が抑えられるように、療養生活で気を付けることを具体的に説明し、自己管理がうまくできるように一緒に考え、お手伝いをさせて頂きます。
また慢性腎不全末期の方には、今後の一般的な治療の説明を行い、療法選択の支援をさせて頂きます。看護師のみならず、院内の様々な職種が、患者さんやご家族の不安や悩み事も含めて一緒に考え、取り組んでいきますので、いつでもご相談ください。

 

 

2019年07月01日

入退院支援室について

(この記事は2017年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

入退院支援室 科長
松山 みどり

 今年6月に活動を開始した入退院支援室です。メンバーは看護師4名で平均年齢は?・・・秘密です。
 患者さんと入院前から関わり、入院治療を終えて退院後に「どこでどのような生活を送りたいか」という希望を患者さんやご家族から大切に伺い、その実現にむけてお手伝いさせて頂く部署です。他部署・外部との連携がとても重要になりますので、笑顔と誠意を忘れずに日々奮闘しております。これからの超高齢社会に必要とされる部署だと考え、医師をはじめ看護部、医療社会福祉課、リハビリテーション科等の院内の多職種や開業医の先生方、高齢サポート、居宅介護支援事業所、訪問看護ステーション等々の皆様方からご協力頂きながら充実した業務ができるように日々、努力しております。どうぞ宜しくお願い致します。

入退院支援室、TQMメンバー
2017年11月01日