本館地下1階に画像診断センターがあります。一つのフロアにCT、MRI、X線撮影、血管造影などすべての撮影室を備えており、患者さんの移動は最小限ですむようになっております。 ここで撮影された画像データは即時、画像サーバ(PACS)に送られ、外来診察室や病棟ステーションのモニタで見ることができるので、患者さんの診療に迅速に役立てることができます。
X線CT(フィリップス社製 Ingenuity Core 64)
CT(コンピュータ断層撮影)はX線を360度方向から照射し体の断面を撮影する装置です。64列のX線検出器を備え、体内の目的部位を短時間で細かく撮影することが可能で、診断・治療に欠かすことのできない優れた画像診断装置です。画像再構成に新しい逐次近似的手法を用いることによって、画質を低下させることなく、患者さんの被ばく線量を通常で20~40%、最大で80%まで低減して撮影ができるようになりました。検査時間の短縮だけでなく、被ばくを減らした患者さんの負担の少ない検査を目指しています。
MRI(磁気共鳴画像診断装置)はX線を使用せず磁石と電磁波の力によって人体の色々な断面を写真の様に撮影し体の中を”見る”ことが出来る画像診断装置です。
頭から足先まで全身の様々な部位の検査を短時間で行うことができ、組織の形状だけでなく、病気の広がりや程度の判断にも有用な装置です。
検査時の苦痛や被ばくの心配がないので安心して検査が受けられます。
血管撮影装置(島津製作所製 Trinias CVS F12)
血管撮影装置とは、心臓・腹部・下肢などの動脈や静脈の血管病変を検査するための装置です。
まず、カテーテルと呼ばれる細い管を血管に挿入し、先端を目的部位まで進め、造影剤を注入し、X線撮影をします。X線撮影では血管はうつらないため、造影剤を注入します。これにより、血管の狭窄、動脈瘤、腫瘍を栄養している血管などを詳細に観察することができます。そして、病変部位にはステント、バルーン、コイルなどのデバイスを用いて治療します。
結石破砕装置(EDAP社製)
「結石破砕装置」は体外から衝撃波をあてることにより、そのエネルギーで腎臓や尿管の中にできた結石を破砕する装置です。 砂状に破砕された石は尿流によって自然に膀胱から流出し、開腹手術の必要がありません。基本的に外来通院で行える治療です。
一般撮影装置(島津製作所製)
一般撮影は最も知られている放射線を使った検査です。X線を人体に照射し透過してきたX線の強弱を画像化して写真を撮影します。 胸部単純撮影をはじめ腹部、骨、関節等さまざまな部位の撮影を行っています。デジタル化処理された画像データのため、画像濃度、階調を任意に調整することができます。 撮影部位や検査目的に応じて診断に最適な画像を提供でき、画像の保存や閲覧、検索が容易であるなどのメリットがあります。
X線透視撮影装置(島津製作所製)
造影剤を使った食道・胃透視検査や、注腸透視、また動画撮影を行いながら嚥下機能を調べる嚥下造影等を行っています。 その他内視鏡と併用して行う消化器の造影検査、外科手術後の経過観察、X線透視下での整復等に使われています。 DRシステム(デジタル・ラジオグラフィ)のため、撮影した画像を瞬時に観察でき、様々な画像処理が可能です。 透視時には低線量モードやパルス透視を併用し身体に受ける被ばく線量も従来の検査に比べ非常に少なくなっています。
泌尿器科専用撮影装置(島津製作所製)
泌尿器科領域(腎臓、尿管、膀胱など)の造影検査に使われています。DIP検査(点滴静注腎盂造影検査)、CG検査(膀胱造影検査)、UG検査(尿道造影検査)等を行っています。 また、この装置もDRシステムを導入していますので、X線透視画像を見ながらの処置にも使われています。泌尿器科専用のX線装置として検査が円滑に実施できるよう腎臓・泌尿器科診察室の横に設置しています。
骨密度測定装置(HOLOGIC製)
二重X線吸収法(DXA)は2種類の異なるエネルギーのX線を用いた、骨粗鬆症の診断に最適な測定法です。CTにも使用されるセラミック検出器と高周波X線管球を採用し、より鮮明な画像を撮影できます。測定時間も従来装置より短縮され、快適に検査を行う事ができます。また、腰椎海綿骨の構造を評価するアプリケーションソフトを導入し、骨密度の低下だけでなく、骨質の劣化をより正確に測定し、診断に活用出来るようになりました。
西陣病院の広報誌、「西陣病院だより」に掲載しました画像診断センターの記事を紹介いたしております。