患者さんに優しい手術を目指しています
■外科主任部長 福本 兼久
当科には経験豊富で医療に誠実な常勤医4名がおります。日本外科学会・消化器外科学会・内視鏡外科学会に属し、各自の得意分野に応じ、それぞれ、日本癌治療学会・臨床外科学会・外科系連合学会・消化器病学会・胃癌学会・大腸肛門病学会・静脈経腸栄養学会等に在籍しています。常勤医全員が外科専門医であり、その他の各種指導医・専門医・認定医資格も多数有しており、その診療活動は多岐に渡っております。
西陣病院の外科スタッフ
当科では、日常医療で最も多く見られる消化器を中心に、肛門、乳腺、呼吸器など様々な臓器の手術を行っており、患者さんに優しい手術を基本理念に年間500例近くの症例を手術治療しております。特徴として、手術創が小さく回復が早い腹腔鏡手術(ヘルニア・胆石・胃癌・大腸癌など)や胸腔鏡手術(肺癌・気胸など)を日本導入初期から行っていること、地域柄、高齢で様々な合併症のある患者さんが多く、その対応に手慣れた麻酔科の管理とそれらの患者さんの手術・術後管理に精通していることなどが挙げられます。特に透析患者さんの周術期管理にも精通しており、国内有数の手術症例数を誇っております。
当科の特徴として、手術創が小さく回復が早い腹腔鏡下手術(胆石・胃癌・大腸癌など)や胸腔鏡下手術(肺癌・気胸など)を日本導入初期から行っていること、地域柄、高齢者で色々な合併症を持たれる患者さんが多く、その対応に手慣れた麻酔科の管理下それらの患者さんの手術・術後管理に精通していることなどが挙げられます。特に透析患者さんの周術期管理に精通しており、国内有数の手術症例数を誇っております。加えて、先述した様に平成21年4月より手術室が装いを新たにし、より快適な環境で、ますます良質な手術を提供すべく精進していきたいと考えております。
当科は、日本外科学会・消化器外科学会・癌学会など日本の名立たる学会を数々主催してきた開講130年余の歴史を有する伝統ある京都府立医科大学旧第一外科の流れを汲む消化器外科学教室(大辻英吾教授主宰。平成初期、米国留学から帰国されたばかりの教授は、当時の中村隆一外科部長の厳しくも温かい指導のもと、当科で研鑽を積まれ、手術の腕を磨かれました)と密な連絡がとれ、最先端の医療が提供できます。その他、なるべく痛みがないように手技を工夫し、虫垂炎(盲腸)・ヘルニア(脱腸)・痔に悩まされる患者さんをできれば入院せずに、しても短期入院ですむように努力しております。
当科の高木医師が単孔式内視鏡手術専用器具を開発し、それが全国の大多数の病院で使用されるようになったことで、低侵襲内視鏡手術のメッカとして全国的に認知され、最近では、胆石の95%、大腸癌の80%、胃癌の50%、ヘルニアの50%程度を腹腔鏡手術で行っております。腹腔鏡手術は、高度な技術と特殊なトレーニングが必要とされ、しばしば安全性や癌の根治性が問題視される場合もありますが、当院では単孔式内視鏡手術研究会世話人や内視鏡外科学会評議員を含む外科医全員が高い意識を持って日々トレーニングを行っており、確実な技術により安全で良質な手術を行っております。
また、当科は、日本外科学会・消化器外科学会・日本癌治療学会など日本の名立たる学会を数々主催してきた開講130年余の歴史を有する伝統ある京都府立医科大学消化器外科学教室(大辻英吾教授主宰)と密な連絡がとれ、最先端の医療が提供できます。
近年、体に優しく負担のかからない手術を希望される患者さんが、京都府下はもとより関西一円より多く来院されており、当科では、患者さんの手術待機時間をできるだけ短縮し、可能な限り患者さんの要望を満たす治療を提供すべく鋭意努力しております。一方、手術は患者さんに大きな侵襲を与えるものであり、出来ることなら避けるべき治療法であるのも事実です。必要に応じて府内はもとより国内有数の消化器内科医・放射線科医と連携し、手術以外の保存的治療にも力を入れ、手術を施行するのが難しい患者さんには化学療法(抗癌剤治療)、積極的治療を継続するのが難しい患者さんには緩和医療(痛みは勿論、身体的・精神的苦痛をきちんと取り除き、心穏やかに入院生活を送ってもらえるよう心優しい看護師さんと共に努力しております)、食事にお困りの患者さんには栄養科、院内栄養サポートチーム(NST)と連携して栄養療法にも力をいれております。
これからも当院が地域に信頼されるため、基本方針である、患者さんの権利を尊重し、地域に密着した、より安全で良質な医療の提供に努めます。
今日の医療はチーム医療即ち、患者さん本人及びそのご家族はもとより、院内外各科医師、メディカルスタッフとの連携なしには考えられません。幸い当院ではこういった文化は以前よりしっかりと根付いております。私が医師になった昭和の時代はまだまだ所謂「お医者様」が跋扈し、医師中心の医療(doctor centered medicine)が盛んに行なわれていました。その反動としてその後幾多の変遷を経て患者中心の医療(patient centered medicine)が声高に叫ばれ現在に到っております。しかし今はもうそう云う時代ではなくなってきました。誰かが真ん中(中心)で誰かが端っこ(辺境)、何かを中心上位に置き何かを辺境下位に置く医療は時代遅れです。医師と患者が上位・下位争いせず、どちらが中心となることもなく、誰が主役で誰が脇役と云うものではない医療、みんなで一緒になり同じ方向を向いて治療していく関係性中心の医療(relationship centered medicine)が我々の目指すべき医療です。
最後に忘れてはならないことを一つ。それは、チーム医療・関係性中心の医療と云っても、その言葉に甘えチームを構成する各個人が互いに依存し、努力を怠ればチーム力の低下は避けられない事です。チームを構成する各個人が互いに切磋琢磨し向上心を持って己の知識技量を磨いてこそチーム力が上る。そのことを踏まえてスタッフ一同為力を尽くして治療にあたっておりますので、みんなで一緒に治していきましょう 。
21インチ天井吊り下げ型ハイビジョンモニターシステムによる腹腔鏡下直腸癌手術
2013年8月6日に宮垣拓也外科部長が1年あまりの闘病の末に逝去されました。享年54歳でした。長年、西陣病院に勤務され、2005年からは外科部長として地域医療に貢献されてきました。宮垣拓也先生の教えの元で、外科医として鍛えられ成長させていただいたスタッフ一同、宮垣先生の遺志を引き継いで、これまで通りの熱意ある診療を行っており、さらに今まで以上に患者さんに必要とされるような最新で最良な医療を目指して参りますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
2024(令和6年)年 10月分はこちら 休診・代診のお知らせ
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 | 8:30~11:30 | 福本 | 福本 | 古家 | 高木 | 大橋 | 2日 高木 9日 古家 16日 大橋 30日 高木 |
専門外来 | |||||||
13:30~15:30 | 肛門外来 福本 (予約制) |
ヘルニア(脱腸)外来 福本 (予約制) |
肛門外来・ヘルニア(脱腸)外来 古家 (予約制) |
ヘルニア(脱腸)外来 高木 (予約制) |
肛門外来・ヘルニア(脱腸)外来 大橋 (予約制) |
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午後診察 | 15:30~18:00 | – | – | 低侵襲外科外来 高木 |
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(胆石外来) 古家 |
(胆石外来) 高木 |
(胆石外来) 高木 |
(胆石外来) 大橋 |
(胆石外来) 福本 |
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当院では早期から腹腔鏡手術を導入しており、独自の手術器具を開発するなど腹腔鏡手術は特に力を入れている得意分野であります。腹腔鏡手術は、高度な技術と特殊なトレーニングが必要とされ、しばしば安全性や癌の根治性が問題視される場合もありますが、当院では単孔式内視鏡手術研究会世話人や内視鏡外科学会評議員を含む外科医全員が高い意識を持って日々トレーニングを行っており、確実な技術により安全で良質な手術を行っております。
胃癌および大腸癌に対する腹腔鏡手術適応症例の拡大により、全国的に腹腔鏡手術は増加しておりますが、当院の腹腔鏡手術率も増加傾向で、大腸癌では90%以上となっており、腹腔鏡手術が盛んな全国主要施設と同程度であり全国トップレベルといえます。さらに症例によっては単孔式手術やReduced port surgeryという、より少ないキズでの腹腔鏡手術を積極的に導入しております。
当院で2004年~2009年に手術を行った症例の胃癌および大腸癌の治療成績(5年生存率:胃癌取扱い規約13版、大腸癌取扱い規約7版を使用)は、胃癌(はStageⅠa:Ⅰb:Ⅱ:Ⅲa:Ⅲb:Ⅳ=95.5%:93.3%:58.7%:55.6%:38.4%:0%で、大腸癌はStageⅠ:Ⅱ:Ⅲa:Ⅲb:Ⅳ=90.3%:82.8%:78.9%:56.6%:12.5%です。当院の生存率は他病死症例を含んでおり、手術時の併存疾患(肝や腎、肺などの慢性疾患、心・脳の血管病変、糖尿病など)の有無や年齢などにも左右されるため、他施設との比較は一概にできませんが、全国の主要病院の手術治療成績と大きく変わりはありません。手術治療成績の向上には、適切な手術の施行はもちろん重要ですが、術後(補助)化学療法も適切に行われることも重要です。つまり、早期癌は手術だけでほとんど治りますが、手術後の再発が心配される一部のStageⅡあるいはStageⅢの場合は再発予防としての補助化学療法が必要で、すでに肝や肺などの遠隔転移をともなうStageⅣでは癌の進行を抑える抗癌剤治療が必要となってきます。当院では外科医全員が、がん治療認定医であり、副作用対策なども含め常に最先端の情報を入手するように努め、看護師や薬剤師と連携して、その患者さんに最適と思われる治療法を提案し、患者さんに納得していただけるような医療を提案しています。
毎日新聞に、当院の高木医師らが考案した腹腔鏡手術器具に関する記事が掲載されました。「腹腔鏡手術 安価な単孔式器具考案 西陣病院 高木医師ら 『患者の負担小さく』 従来品応用 半額以下に」として掲載していただいておりますので、是非ご覧下さい。
「毎日新聞」より PDFファイル 382 KB
※出典 毎日新聞 2010年10月8日付 京都版 きょうの療
平成元年に稼働を始めた手術室でしたが、近年の大幅な手術件数の増加に伴い手狭となってきました。そのため、平成21年4月より1室増室し、写真の如く新しく生まれ変わりました。
リニューアルした手術室。
無影灯、ハイビジョンモニターは片手で簡単に動かせる。また、画像閲覧用の高精細モニターを2台完備し、院内画像サーバーから即座に画像を検索・表示できる。
LED無影灯(MAQUET社製)は、日本で最初の導入例である。
LEDを採用することで、より明るく、発熱量を抑えた光源となっている。
今回のリニューアルについては、広報誌「西陣病院だより」2009年7・8月号掲載の 中川医師(麻酔科)の記事もご参照ください。
当科では多数の患者さんのご要望により、平成22年4月1日より夜間診療(月~金)の時間帯に胆石外来を併設しております。胆石症でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。詳細は下記のリンクページをご覧ください。
平成21年4月、「ヘルニア(脱腸)外来」を開設しました。
この専門外来では、鼠径ヘルニアをはじめ、大腿ヘルニア、腹壁ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアなどお腹のヘルニアの診断と治療を行います。詳細は下記のリンクページをご覧ください。
当院はJPAP("Japan Partners Against Pain"-ともに痛みと戦う-の考えに賛同した医療従事者が、それぞれの立場を超えて集まり設立した非営利団体)に参加し、疼痛緩和治療のネットワークに参加しています。
患者さまに向けてリーフレットを作成、外来で配布しております。下記のリンクページに内容を掲載しております(ごらんになるために「アクロバットリーダー」が必要です)。
リーフレット「がんの痛みのことがわかる本」 PDFファイル 1.65MB
(外来にお越しになれない方でご希望の方がいらっしゃいましたら、下記までご連絡くださればお送りいたします。)
西陣病院医薬品情報室 電話 075-461-8800(代表)
がんの痛みに苦しまれる患者さんの症状を少しでも緩和するため、当院では、医療従事者向けに小冊子『がんの痛みのコントロール』を作成、配布しております。詳細は下記のリンクページをご覧ください。
西陣病院の広報誌、「西陣病院だより」に掲載しました外科医師の記事を紹介いたしております。
外科担当医師氏名 | 卒業年度 | 専門分野と専門医・認定医等 | 診療についてのモットー |
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福本 兼久 主任部長 |
H6 | 消化器外科全般 肛門外科 日本外科学会・外科専門医 内痔核治療法研究会四段階注射法講習修了 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 緩和ケア研修会修了 医学博士 がんのリハビリテーション研修会修了 |
わかりやすい説明、個々に応じた的確な手術、きめ細やかな術後管理。 |
高木 剛 部長 |
H7 | 消化器外科全般 日本外科学会指導医 日本外科系連合学会評議員 日本消化器外科学会認定医 日本消化器病学会指導医 がん治療認定医 日本がん治療認定医機構暫定教育医 単孔式内視鏡手術研究会運営委員・世話人 日本内視鏡外科学会評議員 日本内視鏡外科学会医工学連携委員 日本ヘルニア学会評議員 日本臨床外科学会評議員 Needlescopic Surgery Meeting世話人 関西ヘルニア研究会世話人 日本静脈経腸栄養学会TNT研修修了 緩和ケア研修会修了 医学博士 日本胆道学会認定指導医 |
あきらめない治療を |
大橋 拓馬 医長 |
H20 | 専門分野:外科・消化器外科 日本外科学会・外科専門医 日本消化器外科学会専門医 日本内視鏡外科学会 消化器・一般外科技術認定医(胃) |
診察も手術も一人一人丁寧に。 痛み、苦痛、心配、不安をできる限りなくしたいと心掛けています。 |
古家 裕貴 医長 |
H26 | 日本外科学会・外科専門医 日本消化器外科学会・消化器外科専門医 日本消化器外科学会・消化器がん外科治療認定医 内痔核治療法研究会四段階注射法講習修了 緩和ケア研修会修了 医学博士 |
患者さん一人一人に親身に対応しつつ、 外科医として日々精進していきます |