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もう一度看護を振り返り、今看護に求められているものを探ろう

(この記事は2011年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


中島看護部長 看護部長 中島 美代子
 西陣病院は、ここ数年の間に本館の増改築を行い、看護配置を7:1とし看護師の増員と組織の再編成を行いました。今の看護部の課題は、新たに編成された組織の強化と看護の質の向上にあると考えています。

 そのために、看護部全体の教育体制を見直し、組織力を高める必要があります。今年は従来の研修に加え、組織・管理に関する研修、また、経験の深い看護師たちが、自分の行なってきた看護を若い看護師たちに伝え、その語りの中にある眼には見えない感動や感激やもっとこうすることが良かったのではないかという思いの中から看護を学ぶ(ナラティブ)研修を計画しています。看護には専門的な知識や技術の習得が重要ですが、もうひとつ重要なことは相手の思いを知ろうとする気持ちと察する力です。この力は個々によって大きな開きがあります。しかし、専門職である私たちは、この力も看護師に必要な能力として身につけていかなければならないと考えています。

 平成23 年西陣病院看護部は、看護を語ることで、私たちが“行ってきた看護” をもう一度見直し、看護に求められているものに応えられるよう努力してまいります。

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透析医療のトータルコーディネイトを目指して

(この記事は2011年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



今田先生 透析センター長 今田 直樹

 西陣病院の透析医療は昭和47年(1972年)7月にスタートし37年の長い歴史の中、より良い医療を提供することを目標に走り続けております。

 平成19年8月には、新本館完成に合わせて透析室を2階に集約し透析ベッド数を115床(最大460名)に増設しました。

 平成20年3月には、患者様をご自身の病棟ベッドごと搬送して透析を行うことができる透析病床を8床新設しました。

 平成22年4月には、同一法人の社会福祉法人京都社会事業財団が特別養護老人ホーム舟山庵に隣接した、にしがも透析クリニックを開設しました。

 平成22年9月には、慢性腎臓病(CKD)外来を、CKD初期からのケアとサポートの確立を目指し、医療連携パスと共に立ち上げました。

 西陣病院では腎臓病の初期から保存期・末期腎不全治療、透析療法、最期までのトータルケアを念頭に置き努力しております。

 本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

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的確な画像情報の提供に努めます

(この記事は2011年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


画像診断センター 所長  谷池 圭子

 平成18年9月に、放射線科は新本館地下1階に移転し、腹部超音波室も含めて画像診断センターと呼称を改めました。移転時に導入した64列マルチスライスCT、1.5TMRI、PACS(Picture Archival Communication System)については、活用していく中で、その利点ばかりでなく限界も理解し、診療を支えるべく画像情報を提供してまいりました。その結果、院内ばかりでなく、院外からも多くの検査依頼を頂くことができました。平成22年には、京都府立医科大学と協同し、研究目的の脳アミロイドイメージングPET検査を始めることができ、PET検査が保険適応となる20年近く前から、PET検査を臨床や研究に用いてきた当院の伝統を守ることが出来ました。

 今後も、的確な画像情報を提供できるよう、また患者様には安心して検査や治療を受けていただけるよう、職員一同努めてまいります。

 本年もよろしくお願い申し上げます。

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社会福祉法人 京都社会事業財団 にしがも透析クリニック

(この記事は2010年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


透析センター長
腎臓・泌尿器科部長 今田 直樹


 にしがも透析クリニックは2010年4月に京都市北区西賀茂に、主に併設する介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)のにしがも舟山庵に入所してこられる透析患者さんを対象に透析治療を施行する目的で開設されました。同一法人である西陣病院が後方支援病院となり、前西陣病院透析センター長の青木正先生が院長に就任され、スタッフもほぼ西陣病院関係者でスタートしました。西陣病院透析センターの私たちも定期的に、にしがも透析クリニックに出向し、青木院長と協同で透析患者さんの全身管理を行っています。そうすることで西陣病院と同様の透析医療の提供を継続しております。

 20 〜30年前まで、透析患者さんといえば予後は不良で、透析導入後10年間生存することは難しいとされていました。しかし近年の透析医療の進歩により、治療の質は格段に向上し、透析による患者さんの負担や予後は劇的に改善されました。しかしその一方で、わが国では高齢化と核家族化が進み、一人暮らしの高齢者が増えてきており、こうした患者さんをどのように治療していくのか、現代の医療体制には大きな課題が課せられています。

 特に透析医療では週3日の透析のための通院、家族による介護、病態急変時への対応などが必須となるために、その度合いは深いと感じております。日常生活動作(ADL)が低下して通院が困難な患者さん、近隣に透析施設がない患者さん、十分な介護を行う身内がいない患者さんは、最終的には長期入院が必要となることは明らかです。 西陣病院では、2008年3月に患者さんを、ご自身の病棟ベッドごと搬送して透析を行うことができる透析病床を8床新設し、その8床で入院継続を余儀なくされる症例に今は対応できておりますが、対応可能な患者数には限界があります。ましてや病床をもたない透析クリニックで治療を受けている患者さんは、今後ますます受け入れ施設を探し出すことさえも難しい状況になってくると予想され、課題はより深刻であります。

 そんな折、西陣病院の経営母体である社会福祉法人京都社会事業財団は、京都市より依頼を受けました。その内容は、高齢者透析医療の問題を解決する一手段として、特別養護老人ホームを併設した透析クリニックを設置できないかという依頼でありました。本提案はにしがも舟山庵(特別養護老人ホーム)を併設したにしがも透析クリニックという形で実現することとなりました。

 透析患者さんにとってこの併設は極めて大きな意義があります。「通院」という障害を取り払って、施設に入所しながら、安定した透析治療を受けることができるからであります。また、介護者にとっても「通院」「介護」の負担から開放されることの意義は大きいと思います。

 今までの特別養護老人ホームでは透析患者さんの入所は敬遠されていました。それは、透析患者さんは病状が不安定で急変する場合が多いなど負の印象が強く、そこで働くスタッフの不安感に対する配慮も必要でした。そこを乗り越えての今回のケースは、透析患者さんが特別養護老人ホームに入所できて、しかも併設された透析クリニックで透析治療が施されるという非常にありがたい画期的な手法であり、患者さんもご家族も大変喜んでいただいております。このシステムは透析医療現場のニーズに応えた事業として大きく期待されるはずです。

 解決しなければならない課題はまだまだありますが、西陣病院としては、にしがも透析クリニックを同一法人の事業としてサポートする立場にあり、入院治療の必要が発生した場合は入院の受け入れに協力し、是非ともこの事業が成功するように支援していく所存です。

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逆流性食道炎について

(この記事は2010年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



内科 医長  金光 大石  


 日本ではここ10~20年前より逆流性食道炎という病気が増えてきています。今回はこの逆流性食道炎の病態と原因、検査、治療についてお話します。

 通常われわれの身体では、食べ物を胃にまで導く食道と胃との接合部(噴門部)は、安静にしている時にはある一定の力で閉じており、胃酸や胃の内容物が食道側に逆流するのを防いでいます。しかし加齢や肥満、食生活、喫煙等の要因で噴門部のしまりが悪くなってしまうと胃酸の食道側への逆流により食道が炎症を起こした状態になってしまいます。これが逆流性食道炎です。

 通常は、食道も、逆流してきた胃酸や胃の内容物を、胃側へ押し戻そうとする蠕動運動という働きがありますが、その働きが低下することも逆流性食道炎が起こる原因の一つといわれています。逆流性食道炎の診断は、主に問診と内視鏡検査によって行なわれます。逆流性食道炎の症状は、胸やけの他にも胸痛や喉のつかえ感、慢性的な咳といったものがあります。

 内視鏡検査は、実際に食道に炎症があるのか、また、どの程度の炎症があるのかを確認することの他に、食道がんや胃がん等の悪性疾患でないことを確認する目的で行ないます。

 逆流性食道炎の治療の基本は生活習慣の改善と薬物治療です。脂肪分やタンパク質の摂りすぎのほか、甘いもの、香辛料、酸味の強い果物なども胸焼け症状を悪化させる可能性がありますので摂りすぎには注意が必要です。また、一度に摂る食事量についても腹八分目の適量を心がける必要があります。コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインは胃酸の分泌を増やすといわれ、また、アルコールは胃酸の分泌を増やすだけでなく、噴門部の筋肉をゆるめる作用があり、摂りすぎは症状の悪化につながりやすいでしょう。

 以上の様な食生活の改善とともに、適度な運動による肥満の解消が望ましいとされています。生活習慣の改善だけでは、症状を完全になくすのは難しいため、多くの患者さんは生活習慣の改善とあわせて薬物治療を行います。

 薬物治療を始めると、多くの方では、すみやかに症状はなくなりますが、症状がなくなっても、食道の炎症はすぐに治るわけではありませんので、しばらくは薬を飲み続ける必要があります。また、現在使われている薬では、胃から食道への逆流を根本から治すことはできないため、治癒した後に服薬をやめると再発する方が少なくありません。
そうした方では、薬を長い間飲み続ける維持療法も行われます。食道の炎症の程度が軽く、胸やけなどの症状も時々しか起こらないような方では、症状がある時だけ服薬する治療が行われることもあります。

 症状にお心当たりがある場合は、逆流性食道炎かも知れません。適切な診断、治療により不快な症状を改善するため、一度内科でご相談下さい。

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