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(この記事は2009年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
放射線科 科長 堀井均
平成18年9月、本館地下1階新築部分に64列マルチスライスCTおよび1.5テスラMR装置など最新の画像診断機器を新規導入し、同時に一般撮影装置・X-TV装置・骨密度装置も更新し、画像診断センターとしてオープンいたしました。また、各画像診断装置で得られた画像はネットワークを介して診断用コンピュータに転送することで、過去画像との比較が容易に行えるようになり、より的確な診断が可能となりました。画像と同様に診断レポートも院内配信にて閲覧でき、迅速・的確な治療方針の決定に寄与しています。
平成20年4月にはフラットパネルディテクタ搭載血管撮影装置を更新したことによって、より高画質な画像を提供することで診断および治療に大きく貢献しています。また、この装置の導入により検査を受ける皆さまの被ばく線量の低減も可能となりました。
「地域に密着した良質な医療を提供します。」という西陣病院基本方針をもとに、当院画像診断センターとしては地域の医療機関より検査依頼があった場合、迅速・丁寧な受付対応、的確な検査方法の選択、最新画像診断機器による良質な検査と被ばく低減に心掛けた検査の実施、実施後には迅速に画像をお渡しできる体制をとっています。また、診断レポートは常勤の放射線専門医師2名が診断用高精細モニターにて読影を行い、すみやかに依頼先医療機関にFAXおよび郵便にて送付いたしております。このように地域の医療機関と連携をはかり、受診される皆さまに最適な医療を提供できるような体制をとっております。
当院における各装置の紹介率(地域の医療機関よりの依頼検査件数)は本年1月から3月末において、以下のような結果となっています。
CT検査:13.0% MR検査:23.7% PET検査:69.1%
これらの各装置の高い紹介率は、今後も自信をもって画像診断を通じて地域医療連携に積極的に取り組んでいくつもりです。
また、当院では地域の医療機関よりの検査依頼だけでなく、PET装置を利用したがん検診としての「PETがんドック」や、認知症や脳卒中が心配な方の「PET脳ドック」、成人病の予防と早期発見としての「人間ドック」があり、心配される病気によってその病気に対する検査を追加できるようなシステムになっております。
受診される皆さまのご紹介や検査に対する相談等がごさいましたら、お気軽に画像診断センターや地域医療連携室までご連絡ください。
画像診断センター専用電話 075-465-6116
PET装置
MR装置
CT装置
| Copyright 2009,07,01, Wednesday
09:24am
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(この記事は2009年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
薬剤科 科長 三宅健文
Q1 クスリと服用時間には、どの様な関係があるのですか?
服用時間には、朝昼夕、食後30分、食直後、食直前、食間、食前30分、時間毎、寝る前 があります。
- ほとんどの薬は食後30分に当てはまり、食事を摂ってから30分以内にクスリを飲んでください。これは食事毎に服用することで飲み忘れを防止する目的もあります。
- 食直後は、食事のあと時間をあけずにすぐに服用してください。空腹時に服用すると作用が強いものがあり、食直後に飲むことで胃への刺激を抑えることができます。また、クスリの吸収を良くする働きもあります。
- 食直前は、食事を摂るすぐ前にクスリを服用してください。食後の過剰な高血糖を抑える糖尿病薬などがあります。
- 食間は、食後2時間くらいが目安です。食事と食事の間の空腹時に服用してください。食事中(食べている最中)にクスリを服用するのではありません。
- 食前30分は、食事を摂る30分くらい前に服用してください。朝などは起きてすぐ位がよいでしょう。
食事をしなくても服用しなければいけないクスリ(血圧を下げる薬やコレステロールを下げる薬など)や食事を摂らなかった時には服用してはいけないクスリ(血糖を下げる薬など)があります。
Q2 薬を飲むのを忘れたのですが…
薬を飲み忘れたと気付いたときに、すぐに服用してください。但し、次の服用時間に近い場合には2回分を一度に服用はせず1回分だけ服用してください。
体内の薬の濃度(血中濃度)を保つ必要のあるクスリもあるので、クスリは必ず指示通りに服用するよう心がけてください。
Q3 2カ所以上の病院から薬をもらっているのですが…
病気が違っても同じ様な効果があるクスリが処方されたり飲み合わせの悪いものが処方されたりする事があります。お薬手帳を活用し、必ず医師や薬剤師に相談してください。
薬局・薬店でクスリを買う場合にも“お薬手帳”を持参してください。
Q4 目薬の上手なさし方は?
- 手をきれいに洗います。
- 眼球を押さえないように指で下まぶたを軽くひき容器の先がまぶたやまつげに触れないように1滴を滴下します。
- 点眼後は、約1分間静かに眼を閉じます。軽く目頭を押さえるのも効果的です。
- 眼からあふれた点眼液は、清潔なガーゼやティッシュで拭き取ってください。
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(この記事は2009年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
臨床工学検査科 ME部門 副主任 澤田正二
今回は診療に関することのテーマの中で、最前線で活躍する医療機器の安全管理について紹介させていただきます。
私達は、臨床工学検査科の臨床工学技士の中でME部門に所属しています。MEとは医用電子-Medical Electronics-の略称で、その名の通り医療電子機器の保守管理を主業務としています。
そもそも、臨床工学技士とは何なのか?・・・簡単に言うと「病院にある医療機器を扱う仕事」をする国家資格取得者です。
病院には治療や手術などに使う医療機器がたくさんあります。特に近年、医療機器が多種多様になってきたこともあり、それら医療機器の専門家として「医師の指示のもとに、生命維持管理装置の操作および、保守点検を行うことを業とする者」と定義される臨床工学技士が誕生しました。
当院にある生命維持管理装置とは・・・①人工透析装置(腎臓の代わりを行う装置)②人工呼吸器(呼吸の代わりを行う装置)③その他の血液浄化装置(特定の病気の時に使う装置)などをいいます。
それらの生命維持管理装置の他、点滴や注射薬の持続注入に使用する輸液ポンプやシリンジポンプ。医療のドラマなどでも心臓が止まったときにカウンターショックなどの名で出てくる除細動器。手術室内の種々の装置など26品目71機種517台(2009.04.01現在)の医療機器に専任2名、兼任2名の計4名で保守管理にあたっています。
それだけの台数の医療機器の保守管理業務を行うためには、業務のシステム作りが重要となります。
元来、当科に於いては人工透析関連装置の保守管理に30余年の実績があります。その間も現在も保守管理の在り方は常に進化しており、その内容は全国でもトップレベルにあると自負しております。その管理方法を応用する形で、その他の医療機器の保守・管理に携わっています。
具体的には、自作ソフトでのコンピューター管理による定期的なメンテナンスと点検を行い、医療機器の性能を維持するのは当然として、医療機器の使われている状況や、それに関わる環境を毎週、病棟などに足を運び確認しています。その際に発見した注意点などを関連部署に通達したり、勉強会を開催するなど安全レベルの向上に努めています。
「医療機器の性能と安全を縁の下で支え、人と医療機器を結ぶ」-その思いで私達は働いています。
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07:41pm
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(この記事は2009年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
内科部長 葛西恭一
径1センチ程の管の先端についたカメラで消化管(食道・胃・小腸・大腸)を観察するための道具である消化器内視鏡は日本において開発され、今や世界中で活躍しています。これまで新しい技術や工夫により機器の改良が加えられながら、消化器内視鏡は進化してきました。今回は、最近新たに開発され実用化されているものについて紹介します。
特殊光観察
従来の内視鏡は白色光(通常の光)をあてて粘膜を観察していましたが、ある特定の波長の光を当てることで病変と正常部分がより明瞭に識別できることがわかり実際に使用されています。現在実用化されているものとして、NBI(Narrow Band Imaging)とFICE(Flexible intelligent color enhancement)というシステムがあり、当院ではNBIを採用しています。NBIは、血液に吸収されやすい青色と緑色の光だけを粘膜に当てることにより、粘膜内の血管がより明瞭に観察されるという原理を利用した内視鏡です。さらに、NBIで得られた画像を約100倍に拡大することにより、毛細血管まで詳細に観察できるようになりました。この技術により、いままでわかりにくかった癌と正常粘膜の境界がわかりやすくなり、癌の早期発見や内視鏡治療に役立てることが可能となりました。
小腸内視鏡
小腸は、口からも肛門からも内視鏡が届きにくくしかも全長が6〜7mと非常に長いため内視鏡で観察することは難しく、別名“暗黒大陸”と呼ばれていました。小腸内視鏡として、「カプセル内視鏡」と「ダブルバルーン小腸内視鏡」が最近実用化されました。カプセル内視鏡は名前の通り、先端にカメラが内蔵されたカプセルを飲み込み、腸の蠕動運動により腸の中を進みながら自動的に鮮明な(通常の内視鏡と遜色ありません)写真を撮ります。患者さんの苦痛は全くない検査で、まさにSF映画の世界が現実になったと言えるでしょう。ダブルバルーン小腸内視鏡は、先端に風船(バルーン)が装着された細長いチューブの中に、やはり先端に風船が装着された内視鏡を通してあり、二つの風船を交互に膨らませたり縮めたりしながら長い小腸を手繰り寄せて内視鏡を進めていきます。(風船が一つのシングルバルーン内視鏡も実用化されています。)いずれの内視鏡も、これまでできなかった全小腸の観察ができるというすばらしいものです。これらの内視鏡はまだ限られた施設でしか使用されていませんが、今後小腸の病気が疑われた場合は、まずカプセル内視鏡で病気が有ることを確認した後にダブルバルーン小腸内視鏡(またはシングルバルーン小腸内視鏡)により正確な診断や治療を行うことが当たり前になってくると予想されます。
カプセル内視鏡
ダブルバルーン小腸内視鏡
経鼻内視鏡
これまでの胃カメラは径が約1センチ弱で、口からノドを通る際にどうしても違和感があり、“オエッ!”としてしまう方が多かったと思います。経鼻内視鏡は径約5ミリと細く、鼻の穴から入れるためノドの奥を刺激せず“オエッ!”とすることがほとんど無く楽に検査が受けられます。このため、主に開業医の先生や人間ドックで積極的に使用される様になってきています。問題点として、画質が通常径のものより劣ることや鼻の穴が狭い患者さんでは痛くて入らないといったことがあげられます。このため当院では、原則として通常径の内視鏡(ハイビジョンの最高画質です)で検査をすることとをお勧めしていますし、以前の検査で苦痛が強かったとおっしゃる患者さんには鎮静剤を注射して通常径の内視鏡でも楽に検査が受けられる様配慮しています。(なお、経鼻内視鏡は常備しておりますのでご希望の方は内視鏡担当医とよくご相談ください。)
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