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看護の日2015年

(この記事は2015年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

看護の日


看護部 科長 兵頭 美香子



 7月25日土曜日に、毎年恒例の「ふれあい健康相談」と「ふれあい看護体験」を開催しました。

看護の日
 「ふれあい健康相談」に、外来患者さんをはじめ、付き添いのご家族、またこのイベントのために来てくださった方、計28名の方々が参加してくださいました。

「糖尿病に関する健康相談」「スキンケア」「食中毒とデング熱について」の3つのブースを設け、3名の認定看護師がみなさまからの相談を受け、お話させていただきました。また、退院支援看護師による「介護相談」にも多くの方に来ていただきました。短時間ではありましたが、みなさまとお話するよい機会となりました。ありがとうございました。



看護の日 「ふれあい看護体験」では、看護師を目指す高校生4名が、ベッドメイキング、食事介助、車椅子移送など、実際に看護を体験していただきました。参加者からは、「色々な患者さんとお話することができてよかったです。貴重な体験ができました」とのことばがありました。今日の「ふれあい看護体験」で感じたことを、これからの「看護の道」にいかしていただけたら幸いです。


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慢性腎臓病(CKD)の治療って?

(この記事は2015年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


小山先生 腎臓・泌尿器科 副部長兼
 透析副センター長
 小山 正樹

 慢性腎臓病とは自覚症状のないまま腎臓の機能がだんだん低下していく病気です。

 慢性腎臓病が進行すると、夜間尿、浮腫、貧血、倦怠感、息切れなどの症状が現れてきますが、これらの症状が自覚されるときは、すでに慢性腎臓病が進行している状態であります。また、一度機能が低下した腎臓はもとに戻りません。

 慢性腎臓病は進行していく病気ですが、その進行速度は患者さんによってさまざまです。近年、慢性腎臓病の進行を抑える方法がわかってきたことから、慢性腎臓病を早期に発見し、積極的に治療するための取り組みが日本のみならず世界中で始まっております。

 慢性腎臓病が進行し、透析療法が必要となる末期腎不全患者さんは30 万人を超え、なお増加傾向にあります。その予備軍である慢性腎臓病患者さんは、成人人口の13%、1330 万人と推定されており、慢性腎臓病は国民病と言えるほど頻度が高い疾患であります。

 慢性腎臓病があるか否かを知るためには2 つの検査があります。1 つは検尿検査です。尿に蛋白や血尿が出ていれば腎臓が傷んでいることを意味します。もう1 つは血液検査で尿に排泄される血清クレアチニン(Cre)という物資の血中濃度を測定することです。クレアチニン値は腎臓機能が悪化すれば、腎臓から尿に十分排泄されないので、血中濃度が上昇します。クレアチニン値は、年齢、性別、体重により正常値が異なりますので、これらを補正した計算式により、糸球体ろ過量(GFR)を推定します。この値が低下していれば、慢性腎臓病があるといえます。慢性腎臓病は、この2 つの検査である蛋白尿の程度および糸球体ろ過量によって、ステージ分類されます。

 慢性腎臓病の原因には、慢性糸球体腎炎などの腎臓の病気のみならず、糖尿病、高血圧、メタボリックシンドロームなども原因となります。慢性腎臓病の進行を遅らせるためには、日々の生活習慣の改善、食事療法や薬物療法による血圧管理、貧血改善、脂質代謝、電解質管理などを総合的に行うことが重要です。食事療法は、蛋白制限、塩分制限が基本になります。また、慢性腎臓病は高カリウム血症になることが多いため、生野菜や果物なのどの過剰摂取を控えていただく必要があります。

 慢性腎臓病の治療においては、患者さん1 人の力で治すことは難しく、また医師だけでなく、薬剤師、看護師、栄養士、ソーシャルワーカーなど皆で取り組んでいく必要があります。 当院においても慢性腎臓病への取り組みとして、慢性腎臓病教育入院を行っております。3 泊4 日の入院期間にて、何が原因で慢性腎臓病になったのか、何が慢性腎臓病にとって悪いのかなどについて各種検査を行い、今後の治療を検討します。また、食事指導、クスリ指導などから日常生活の注意点などについて、学習していきます。

 腎機能が悪いと指摘された方、蛋白尿ないし血尿を指摘された方は、一度腎臓・泌尿器科にご相談してください。手遅れになって透析が必要といわれる前に治療していきましょう。



◆CKD教育入院について

 当院では、CKD(Chronic Kidney Disease:慢性腎臓病)の患者さんに対してCKD教育入院を行っております。内容につきましては、ご自身のCKDの症状を正しく評価し、その病気についての知識と養生方法を短期間に修得していただきます。

 CKD初期段階では、自覚症状はほとんどありませんが、放っておくと腎臓のはたらきがどんどん悪化し、いずれ腎代替療法を受けなければならないことになります。通常コース(3泊4日:火曜日入院~金曜日退院)と、シャント作成コース(6泊7日:火曜日入院~翌週月曜日退院)の2コースを準備しております。


 かかりつけの先生に、「腎機能が少し低下している」「尿たんぱくが続いている」などの説明がありましたら、一度当院の腎臓・泌尿器科を受診してください。


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京都の旬の食材 柊野ささげ

(この記事は2016年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


柊野ささげ

 栄養科 管理栄養士 小笹 清香




 上賀茂柊野で栽培されている伝統野菜で6月~9月中旬頃に収穫され、お盆のお供え物にも使われています。
 莢は90cm程と長く「三尺ささげ」とも称され、未熟な莢には風味があり、熟期が進んでも莢の硬化が遅く柔らかく、煮物・浸し・天ぷらなど様々な料理に適しています。


栄養メモ
 ビタミンB 群を多く含み、疲労回復など夏場のビタミン補給におすすめです。中でも「造血ビタミン」とも呼ばれる葉酸も多く、貧血予防にも効果的です。


煮物

●柊野ささげと油揚げの煮物

1人分:
エネルギー 220kcal
たんぱく質 12.5g
塩分 0.7g
葉酸115μg
材料 (4人分)
  
作り方
(1) 油揚げは油抜きして1cm幅の短冊切りにし、ささげは4~5cmの斜め輪切りにする
(2) 鍋にオリーブ油を熱し、弱火~中火でささげを炒め、しんなりしたら油揚げを加えてさっと炒め合わせる
(3) (2)にだし汁と調味料を加え、約5分煮込んで(※煮詰め過ぎない)火を止め、そのままフタをして蒸らして味を馴染ませる
(4) あら熱が取れたら器に盛って出来上がり
 柊野ささげ150g
 油揚げ1枚
 サラダ油小さじ2
 だし汁200ml
 砂糖小さじ2
 淡口しょうゆ大さじ1
 酒小さじ2

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医療ソーシャルワーカーの全国大会、京都で開催

(この記事は2015年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

講演会写真


医療社会福祉課 課長 新保 一葉


京都企画講演 山本 みどり 前課長


 5月28~30日の3日間、「みやこめっせ」にて、第63回日本医療社会福祉協会全国大会が開催されました。当院の医療福祉相談室が事務局となり、京都全域から募った100名以上の実行委員会を編成し、約1年半をかけて準備を進めてきました。

 メインテーマは「時代をつらぬく医療ソーシャルワークの実践~一人ひとりが尊ばれる、排除のない社会をめざして~」とし、全国から1100余名の参加を得ることができました。全国の医療ソーシャルワーカーと学びを深められたことは意義深く、また、参加者から頂いた企画・運営・おもてなしの心への高い評価は、丁寧な準備を重ねてきた事務局にとって大きな喜びとなりました。貴重な経験をさせて頂きました。

 また、「京都企画・時代をつなぐ」のセッションでは、当院相談室を築いてこられた山本みどり前課長による90分間の講演がありました。

講演会写真 テーマは「医療ソーシャルワーカーはどこへ向かうのか~福祉専門職としてのあり方~」とされ、約500人の参加を得ました。参加者からの反響もたくさん寄せられ、西陣病院での長きにわたる実践が、全国の医療ソーシャルワーカーに力強いメッセージとなって届きました。

基調講演 浜 矩子 同志社大学教授

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湿布薬の種類

(この記事は2015年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



薬剤部 薬剤師 宇野 葵


 肩こり、腰痛、筋肉痛など私たちの生活のあらゆる場面で使用することのできる湿布薬。慢性的な痛みがある方は、日々使用していることも少なくないと思います。


   湿布薬は、主にパップ剤とテープ剤に分類することができます。

湿布薬


   またパップ剤には温感タイプと冷感タイプがあり以下のように使い分けられます。



 湿布薬は市販薬でも多数種類があり、また貼るだけという手軽で身近な薬です。しかし、薬に副作用はつきもの。含まれる成分に対して、アレルギーを起こして発疹が出ることがあります。貼っただけで症状が出るアレルギー性のかぶれと、貼った部分に紫外線が当たることで症状が出る光線過敏症があります。

 かぶれを予防するために、傷口や湿疹・発疹のある皮膚には使用せず、長時間貼ったままにしないようにしましょう。

 光線過敏症は、消炎鎮痛成分「ケトプロフェン」という成分が原因でなりやすいと言われています。貼っている間だけでなく、はがした後も成分が残っている可能性があり、少なくとも4週間は注意する必要があります。
 
これから紫外線が強くなり、薄着になる季節です。天候に関わらず、戸外に出る時は濃い色の服を着るか、サポーター等を着用し、紫外線が直接当たるのは避けるようにしましょう。


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