診療に関すること::外科
消化器センター外科部門についてご紹介します
外科 副部長 福本 兼久 |
当院では、消化器疾患(食道・胃・大腸・肛門・肝臓・胆嚢・膵臓などの疾患)をより専門的に診断し高度な治療を提供するため、2012年4月より消化器センターを開設いたしました。
近年の内視鏡(胃カメラ・大腸カメラなど)や画像診断の進歩は目覚ましく、従来では発見できなかったような様々な病気を診断することが可能となっており、さらに専門的かつ高度な治療法が必要とされるようになってきました。当院では以前より積極的に専門的な診断、治療に取り組んできましたが、今後も消化器内視鏡センターや画像診断センターなどの連携によるさらに高度な医療を目指して消化器センターを開設する運びとなりました。また、当院は、患者様に最良の医療を提供することを病院の基本理念として掲げており、その精神に基づき、治療方針について透析センターや循環器センターなどと頻繁に意見交換を行い、透析患者様や循環器疾患など様々な合併症をお持ちの患者様に対しても、迅速で的確な質の高い医療を提供できるよう頑張りますので、宜しくお願い申し上げます。
◆当院での消化器疾患治療
消化器疾患といいましても、非常にたくさんの種類の疾患が含まれており、例えば胃がんや大腸がんなどでも内視鏡で切除ができるものから外科手術で摘出術が必要となるような場合もあります。また、比較的よく聞く病気として、胆石や胆嚢炎,膵炎、虫垂炎、痔、ヘルニアなど、がん以外の疾患もたくさん消化器疾患に含まれ、この中でも手術による治療が必要となる場合もあります。このように様々な疾患を消化器センターでは担当することになりますが、その中でも今回は外科的な治療(いわゆる外科手術)についてご紹介させていただきます。
◆当院での手術症例
昨年度に当院で行われた外科手術症例は全418例で、主な疾患としては胃がん;17例(腹腔鏡手術8例)、結腸・直腸がん;46例(腹腔鏡手術40例)、胆石など良性胆嚢疾患;70例(腹腔鏡手術67例うち単孔式腹腔鏡手術37例)、肝・胆嚢・膵臓腫瘍;7例、虫垂炎;31例(単孔式腹腔鏡手術30例)、鼠径・大腿ヘルニア;90例(腹腔鏡手術34例)、イレウス;12例、肛門疾患;62例(痔核硬化療法32例)、直腸脱;6例(腹腔鏡下直腸固定術1例)でした。
これらの疾患すべてを消化器センターが担当することとなり、様々な臓器の疾患について、的確な診断と治療が必要であることがわかっていただけると思います。
消化器センターでは、これら多種多様な疾患それぞれに対して更なる高度で良質な医療を目指して日々取り組んでおり、外科治療としてより低侵襲な手術方法を積極的に行っています。
◆腹腔鏡手術 ~より低侵襲な手術を目指して~
当院では平成21年より手術室をリニューアルし、LED無影灯や腹腔鏡手術用のハイビジョンモニターやハイビジョンカメラ(腹腔鏡)を導入し、様々な疾患に対して積極的に腹腔鏡手術を行っています。(「西陣病院だより」2009年7・8月号掲載、中川医師(麻酔科)の記事もご参照ください。)
胃噴門部粘膜下腫瘍 |
腹腔鏡で見た胃 (胃内は内視鏡で観察中) |
切除される粘膜下腫瘍 |
また最近は、外科医と内視鏡医が協力して手術を行うような腹腔鏡・内視鏡併用胃部分切除など、さらに低侵襲な手術も行われるようになってきており、今後は消化器センターと他の診療科との連携が必須となる新しい医療が求められています。この様に、より高度に専門化された医療に対応できるよう新たに消化器センターを設立しましたが、当院の理念である地域に密着した良質の医療を提供することを決して忘れず、当院を受診された患者様や当院へご紹介頂いた先生から更に信頼していただける病院を目指してこれからも日々精進していきますので、宜しくお願い申し上げます。
| Copyright 2012,07,07, Saturday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |