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本館3階 透析病床のご紹介

(この記事は2011年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



臨床工学検査科 副主任 青木 康裕

 当院では115床のワンフロアー化された透析センターとは別に2008年4月、本館3階病棟へ透析を行なう為の治療室(写真1)を開設しました。今回はこの治療室についてご紹介させていただきます。この治療室では、同フロアに入院されていてADL(日常生活動作)が低下し透析センターに搬送困難な患者様を対象に透析治療をさせて頂いています。特長として下記の2点が挙げられます。

  • ベッドが常設されていない
      →患者様が病室で使用されているベッドごと入室していただきます。
  • リフト式スケール(写真2)の使用
      →シートマットを患者様の下に敷きそれを吊り上げて体重測定を行います。
  •  従来は、搬送困難な患者様の透析センターへの移動には、スケール(体重計)付きストレッチャーに乗り換えての移動及び体重測定を行っていましたが、治療室開設により、同フロア内で透析治療が行えること、体重測定時の移送が減り、患者様の負担を軽減することができました。


    (写真1)治療室内観(写真2)リフト式スケール
    (写真1)治療室内観(写真2)リフト式スケール

     担当スタッフは病棟看護師、臨床工学技士が1名ずつ常駐し、透析センター配属の看護師、臨床工学技士からのバックアップもあり迅速な対応ができるようにしています。以上のような工夫に加え病棟スタッフとの連携も密にして、透析病床ならではのきめ細やかな治療が出来るようこころがけています。


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    腹部超音波室が移転しました

    (この記事は2011年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


    臨床工学検査科 副主任 仲川 久美子


     平成18年9月に画像診断センター腹部超音波室として地下1階へ移転し4年半。今年3月28日より再び1階へ戻ることになりました。
     腹部超音波検査室では従来の腹部検査(肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱など)に加え、乳腺や甲状腺、副甲状腺などの検査や近年、増加しつつある生活習慣病を引き起こす危険因子である動脈硬化を調べる頸動脈や下肢動静脈などの血管超音波検査、超音波用の造影剤を使って肝臓の病変を調べる検査、肝生検といって超音波下で針を刺して、肝臓の組織や細胞を採取する検査などを行っています。
    整理検査受付
     その他、治療の一環として急性胆嚢炎の時に、胆嚢の腫大による痛みを軽減するため胆汁を吸引する穿刺を行ったり、ラジオ波焼灼術(超音波で肝臓の病変部を見ながら針を刺し高熱で凝固壊死させる)などを行っています。

     今回、移転とともに超音波機器も1台増え、よりいっそうのレベルアップと医療サービスの向上に努めていきたいと思っています。

     早期発見、早期治療に直結する健康診断の1つとして定期的に超音波検査を受けられてはいかがでしょうか?

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    輸血

    (この記事は2009年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


    臨床工学検査科 吉田幸


    みなさんは輸血と聞いてどんなイメージを持ちますか? 同じ血液型の血液を輸血したら良いと思っていませんか?

    一般的に言われている血液型のABO式血液型とRh式血液型が適合すれば輸血できると思っていませんか? 実は血液型には何十種類もの血液型が存在します。その血液を安全に輸血するための検査について今回お話させていただきます。

    当院で行っている輸血前検査

    血液型検査
    ABO式血液型とRh式血液型のD因子(Rh +か-)を検査します。
    血液型判定の際はダブルチェックを行い誤判定を防止しています。

    交差適合試験
    輸血の直前に実施する検査で輸血予定の血液製剤が患者様の体内に入った場合に溶血反応などの副作用が起こらないことを確認する適合性検査です。この検査で適合する血液製剤のみを患者様に提供しています。

    不規則抗体スクリーニング検査
    妊娠や輸血などの免疫刺激により産生されることのある、赤血球に対する抗体の有無を調べます。また、抗体が発見された場合は適合する血液を準備し安全かつ円滑に輸血療法が行えるように事前準備します。

    こうして、交差適合試験と不規則抗体スクリーニングを組み合わせることにより不適合輸血を防止し患者様に安全な輸血療法を受けていただけるよう検査を行っています。また、輸血後にも副作用がなかったかどうか確認するために2~3ヶ月後に肝機能検査、肝炎ウイルスなどの検査も行っています。このように輸血前だけでなく、輸血後にも検査を行い安全に輸血を行っています。


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    神経伝導検査-神経障害の検査-

    (この記事は2009年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


    臨床工学検査科 山下奈々
     
     

    手がしびれることはありませんか?

    手のしびれをおこす疾患の一つに「手根管症候群」という病気があります。この病気の原因は正中神経にあります。正中神経は、頚椎から肩・肘を通り手首のあたりで手根管とよばれるトンネルを通って指先まで走っています。このトンネル内で神経が圧迫されることにより、しびれを起こします。

    このしびれは「手根管症候群」の主な症状です。進行すると、しびれが痛みに変わり、「筋肉のやせ(萎縮)」・「指先の動き」が悪くなったりします。手のしびれは親指~薬指の4本にみられ、特に親指・人差し指・中指に強い症状がみられます。小指は別の神経(尺骨神経)に支配されているため、しびれません。

    しびれや痛みの症状は夜間・早朝に強くなるのが特徴です。女性に多く、家事などで手を酷使すると発症してしまうこともあります。また、腎不全(長期透析)・糖尿病・リウマチ・自己免疫疾患などと関連して生じることが知られています。

    手根管症候群を診断する手段として神経伝導検査という検査があります。

    神経伝導検査では親指の付け根の筋肉(短母指外転筋)に電極を貼り付け、手首とひじを電気で刺激し、電極から波形を記録、電気の伝わる速さなどを測定します。測定した値と描出された波形から神経障害の有無やその程度を知ることができます。

    「電気で刺激する」というと怖く思われますが、低周波マッサージのようなピリピリ程度です。人によっては少し痛く感じる場合もありますが、痛みが残ることはありません。検査にかかる時間はおよそ30 分程度です。

    今回は「手根管症候群」を取り上げましたが、その他にも手だけでなく足にもしびれを起こす病気はあります。気になる方は一度、末梢神経外来(木曜・午後のみ・予約制)または整形外科外来を受診されてみてはいかがでしょうか?


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    輸血療法~自己血輸血について~

    (この記事は2009年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


    臨床工学検査科 岡本祥克

    輸血療法とは、血液中の赤血球などの細胞成分や凝固因子などの蛋白質成分が量的に減少又は機能的に低下したときに、その成分を補充することにより臨床症状の改善を図る治療です。

    一般的に“輸血”というと献血された血液を使用すると考えますが、輸血には献血された血液を使用する“同種血輸血”と、御自身の血液を事前に貯血し使用する“自己血輸血”とがあります。今回は自己血輸血について述べさせていただきます。

    自己血輸血は読んで字の如く、御自身の血液を貯血し輸血する治療方法であり、3~4週間前より数回に分けて血液の採取を行い手術日まで保管し、手術の際に使用いたします。

    しかし自己血輸血は、すべての輸血療法に使用できるのではなく「予定される手術において輸血必要量が600~1500mlと予測され、また手術までに十分な期間がある場合」に用いられる輸血療法であります。

    ここで簡単に当院での自己血採取の流れを説明させてもらいます。

    採取と管理
    1. 採取当日外来受診し採血を行い、検査結果より採取が行えるか医師が判断します。
    2. 採取は看護師により消毒、穿刺を行い採取します。
    3. 臨床検査技師が採取量を確認し、抗凝固剤と血液の混和を行います。
    4. 採取後、体の補正を行うために輸液、造血ホルモン剤の注射を行います。
    5. 臨床検査技師により採取日と採取量、保管期限についての説明を患者さんへさせていただきます。
    6. 手術前日まで、お預かりした血液は専用の冷蔵庫にて保管管理いたします。手術前日に保管血液の検査を行い、手術当日使用できるように準備いたします。

    輸血療法にご不明な点がありましたら、担当医までお願いします。



    | Copyright 2009,07,01, Wednesday 09:25am administrator | comments (x) | trackback (x) |

     

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