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神経伝導検査-神経障害の検査-

(この記事は2009年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


臨床工学検査科 山下奈々
 
 

手がしびれることはありませんか?

手のしびれをおこす疾患の一つに「手根管症候群」という病気があります。この病気の原因は正中神経にあります。正中神経は、頚椎から肩・肘を通り手首のあたりで手根管とよばれるトンネルを通って指先まで走っています。このトンネル内で神経が圧迫されることにより、しびれを起こします。

このしびれは「手根管症候群」の主な症状です。進行すると、しびれが痛みに変わり、「筋肉のやせ(萎縮)」・「指先の動き」が悪くなったりします。手のしびれは親指~薬指の4本にみられ、特に親指・人差し指・中指に強い症状がみられます。小指は別の神経(尺骨神経)に支配されているため、しびれません。

しびれや痛みの症状は夜間・早朝に強くなるのが特徴です。女性に多く、家事などで手を酷使すると発症してしまうこともあります。また、腎不全(長期透析)・糖尿病・リウマチ・自己免疫疾患などと関連して生じることが知られています。

手根管症候群を診断する手段として神経伝導検査という検査があります。

神経伝導検査では親指の付け根の筋肉(短母指外転筋)に電極を貼り付け、手首とひじを電気で刺激し、電極から波形を記録、電気の伝わる速さなどを測定します。測定した値と描出された波形から神経障害の有無やその程度を知ることができます。

「電気で刺激する」というと怖く思われますが、低周波マッサージのようなピリピリ程度です。人によっては少し痛く感じる場合もありますが、痛みが残ることはありません。検査にかかる時間はおよそ30 分程度です。

今回は「手根管症候群」を取り上げましたが、その他にも手だけでなく足にもしびれを起こす病気はあります。気になる方は一度、末梢神経外来(木曜・午後のみ・予約制)または整形外科外来を受診されてみてはいかがでしょうか?


| Copyright 2009,09,01, Tuesday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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