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サプリメントについて

(この記事は2010年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


薬剤科 副主任 福本 郁子

 近年、健康づくりに対する関心の高まりから、「サプリメント」を利用する方が多くなっています。
 サプリメントとは、米国での食品の区分のひとつであるダイエタリー・サプリメントを略した言葉で、不足しがちなビタミンやミネラル・アミノ酸などの栄養補給を行う、あるいはハーブなどに代表されるように、含有成分による薬理作用様効果の発揮を目的とする食品を指します。
 今回は、数多くあるサプリメントのなかで、注意を要するものについて紹介します。

◆イチョウ葉エキス、ニンニク、朝鮮人参を含有するもの
 血液を固まりにくくする作用を有するため、抜歯や手術時に注意が必要とされる代表的なサプリメント。手術前に中止する期間に関しては、データが不足しており明らかにされていませんが、米国では手術前2~3週間は摂取を避けることが推奨されています。アスピリンやワルファリンのような抗凝固作用を有する薬剤を服用している場合には、出血のリスクが増加する可能性があるのでとくに注意が必要です。
 また、EPA(イコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)のような魚油を含有するものも出血のリスクを増加させる可能性が指摘されています。

◆セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)
 ワルファリン、強心剤(ジゴキシン)、免疫抑制剤、経口避妊薬、抗HIV薬など多くの薬剤の作用を低下させます。

◆クロレラ、青汁
 これらには多くのビタミンKが含まれており、ワルファリンの作用を減弱させます。ワルファリン服用中は摂取を避け、摂取する場合には医師・薬剤師に相談してください。また、サプリメントではありませんが、ワルファリン服用中に摂取してはいけない食品として、納豆があります。
 今回は、一部のサプリメントについて記載しました。サプリメントのなかには、薬と相互作用のあるものや、治療に影響を及ぼす可能性のあるものもあります。摂取する際には、1日の摂取目安量を守り、安全性に十分注意して使用してください。

| Copyright 2010,11,01, Monday 10:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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