診療に関すること::外科
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術について
(この記事は2011年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
![]() | 外科 医長 中瀬 有遠 |

腹腔鏡手術は全国的にも普及がすすみ、当院でもあらゆる消化器(胃、小腸、大腸、虫垂、胆嚢など)手術に応用しております。そうした中、鼠径ヘルニアについても腹腔鏡での手術が広まりつつあります。その利点としては①キズがお臍を含め1~2か所でどれも小さいため術後の痛みが少ないこと、②キズもほとんどわからなくなるので美容上も優れること、③鼠径部切開法に比べ鼠径部のツッパリ感や腫れが少ないこと、④お腹の中からヘルニア部分を直接観察できるので診断が確実で、弱くなっている筋肉を広くメッシュで覆うことができ再発が少ないこと、などが挙げられます。
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以前にお腹の手術をしている方、全身麻酔のかけられないご病気をお持ちの方などは腹腔鏡手術の適応でない場合があります。また、嵌頓(かんとん)状態といって腫れが急にかたくなって手で押さえても戻らない場合は緊急手術が必要になり、腹腔鏡手術は行えません。当院では毎週火・水・木曜日の午後にヘルニア外来を開設しています。鼠径ヘルニア(脱腸)でお悩みの患者様は、その患者様のヘルニアの状態、年齢、全身状態、既往症などにより、もっとも良いと思われる手術方法を提案させていただきますので、お気軽に御相談下さい。
| Copyright 2011,07,01, Friday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |