各科より::
食中毒を予防しよう
(この記事は2012年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
栄養科 管理栄養士 山本 茂子
食中毒の予防は、手洗いが基本となりますが、菌を増やさないということも忘れてはなりません。
食べ物や飲み物をそのままにして、時間が経ってから食べたり飲んだりするのはやめましょう。室内放置は菌を増やす原因になりますし、味や臭いに変化がなくても菌が増殖している場合がありますので注意しましょう。特に夏場は腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ食中毒が多く発生します。
腸管出血性大腸菌(O-157、O-111など)は、主に牛の腸にいる細菌です。牛の糞尿などを介して牛肉やその他の食品・井戸水等に付着します。腸管出血性大腸菌は、少量で感染します。菌が付いた食品を食べると、2日から7日くらいで、発熱や激しい腹痛、水溶性の下痢、血便、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。特に抵抗力の弱い子どもや高齢者は、重い症状になりやすく、合併症を起こして死亡する例もあります。
腸管出血性大腸菌による食中毒を防ぐためには、生肉や加熱が不十分な肉の料理は食べないことが重要です。肉や脂をつなぎ合わせた結着肉や挽肉、筋切りした肉、タレや軟化剤に漬け込んだ肉、牛や鶏のレバーなどの内臓などは、内部まで十分に加熱してから食べましょう。目安は、肉の内部の温度が75度で1分間加熱することです。
食中毒予防の3原則
1. 菌を付けない : 基本は、手洗いです
2. 菌を増やさない : 食品を購入後は速やかに食すか、冷蔵庫に入れます。
3. 菌をやっつける : 調理の際は十分に加熱をする。
| Copyright 2012,05,01, Tuesday 10:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |