診療に関すること::薬剤部
薬の使用期限ってご存知ですか?
(この記事は2015年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
薬剤部 薬剤師 安田 早織 |
食べ物に賞味期限や消費期限があるように、薬にもその品質を保証する『使用期限』が決められています。
薬は、食べ物のように目に見えて腐敗することは滅多にありませんが、時間が経つにつれて有効成分が分解され、期待通りの効果を示さない可能性が出てきます。
市販薬の使用期限は製造から3年が目安になっています。通常、外箱・容器等に使用期限が記載されています。ただしこの使用期限は未開封のものであり、個包装されていない瓶入りの錠剤は開封後約半年、目薬は開封後約1ヶ月の間の使用にとどめるのが賢明です。
使用期限を過ぎた薬や、いつ開封したかわからない薬は処分しましょう。1年に1回は救急箱の中身を点検して、整理することをお勧めします。
薬局や病院でもらった薬は、ほとんどの場合、使用期限の記載はありません。通常3年とするものが多いですが、なかには2年、半年といった短い期限のものもあります。
湿気や光に弱い薬は、外装のアルミ袋から外せば使用期限内でも薬効が弱まってしまいます。特に、薬局で何種類かの薬を袋詰め(一包化)されたものは、一度開封されているため注意が必要です。湿度・温度(30℃以下、できれば15℃以下)に注意し、直射日光を避けて、乾燥剤を入れた缶等に保管しておくことをお勧めします。
また、以前と同じ症状だから、前に処方された薬の残りを飲もうと、自分で判断することはとても危険です。症状は同じでも、その病気の原因が全く違うということもありますので、薬の調剤年月日から投与日数分までが薬の有効期限と考えるのが賢明です。
| Copyright 2015,11,01, Sunday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |