診療に関すること::薬剤部
たかが湿布薬! でも注意が必要です。
(この記事は2013年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
薬剤部 副主任 福本 郁子
最近、化粧品による皮膚障害が話題となり、皆様の記憶にも新しいのではないでしょうか。今回は、比較的よく使われている薬剤による皮膚炎についてお話します。
腰痛や関節痛などに使われている消炎鎮痛剤の成分ケトプロフェンは、医療用の湿布薬(商品名:モーラスパップ、モーラステープ)・ぬり薬、また市販薬にも多く含まれています。
この成分の湿布薬を貼った部位に紫外線を浴びると、光アレルギー性接触皮膚炎が起こることがあります。その症状は、かゆみ、赤くなる、ぶつぶつができる、ただれ、かぶれなどで、湿布薬をはがした後にも起こることがあります。 一度皮膚炎をおこした薬剤は、体の中に記憶されます。そして、ふたたび同じ薬剤や、よく似た系統の薬剤を使うと、薬疹(副作用として出る発疹)が出る可能性があるので注意が必要です。
皮膚炎をおこした薬剤は、ふたたび症状をおこさないように必ず覚えておき、医師または薬剤師に薬剤名と症状について話してください。
注意点
(1) 貼ったところに日光をあてないでください。外出するときは、服やサポーターで貼ったところを日光からさえぎってください。はがした後も、皮膚に薬が残っているので、4 週間は注意が必要です。 (2) 症状が出たら、すぐに使用を中止してください。 (3) ほかの人に譲らないでください。
| Copyright 2013,08,30, Friday 08:03pm administrator | comments (x) | trackback (x) |