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COPDについて

(この記事は2006年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです。武藤医師は転勤のため、現在西陣病院で外来診療はしておりません。ご了承ください)


内科 武藤 敦子


 息切れ、咳や痰が続く、動くとドキドキすることがある、なかなか動悸がおさまらない、風邪をひきやすくなった等の症状が最近ありませんか?

 最近COPDが増えています。

 COPDとは Chronic(慢性) Obstructive(閉塞性) Pulmonary(肺) Disease(疾患)、息をするときに空気の通り道となる『気道』に障害がおこり、ゆっくりと肺機能が低下していく病気です。以前は『肺気腫』や『慢性気管支炎』とされていた病気をまとめてCOPDと呼ぶようになりました。ありふれた症状で始まり、ゆっくりと進行するので、異常を感じて受診したときには重症になっている場合が多い『肺の生活習慣病』です。

 COPDの最大の危険因子は喫煙です。COPDの80~90%は喫煙が原因といわれています。他には受動喫煙、喘息症状、大気汚染、遺伝的要因等があげられます。

 はじめは風邪でもないのに軽い症状(咳や痍等)があるなどしますが、自覚症状がない場合もあり本人も気づかないうちに進行していきます。繰り返しになりますが、異常を自覚して受診するころには、すでにある程度進行しており重症になっていることが多いのです。

 一度壊れた肺胞は元に戻りません。適切な治療を受けずに放置すると、ゆっくりと肺の機能が低下していき、行動や生活が著しく制限されたり、心臓や消化器など全身に障害があらわれ、最後は呼吸不全や心不全、重い肺炎を起こします。

 COPDで苦しまないためには、予防(禁煙)と早期発見が一番です。禁煙することによってすこしでも病気の進行をやわらげることがわかっています。心当たりのある方は肺機能検査をうけて出来るだけ早く発見し、正しい治療を受けて悪化を防ぐことが大切です。

| Copyright 2006,01,01, Sunday 10:10am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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