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日本列島 ”食” めぐり「石川県」

(この記事は2016年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



 栄養科 管理栄養士 今井 文恵


◆全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます。

石川県


~治部煮~
 治部(じぶ)は治部煮(じぶに)とも呼ばれ、石川県金沢市を代表する郷土料理のひとつです。その味わいは江戸時代から伝わり、武家から庶民に至るまで広く親しまれ、現代にまで受け継がれています。
 治部煮の名前の由来としては、文禄の役で豊臣秀吉の兵糧奉公であった岡部治部右衛門がこの料理を考案したことから「治部」となった説、鍋でじぶじぶと煮ることから擬音語が料理名になった説などがあるそうです。

●治部煮


1人分:
エネルギー200kcal
たんぱく質13g
塩分 2.3g
材料 (4人分)
  
作り方

(1) 鶏肉は大きめのそぎ切りにし、小麦粉をたっぷりまぶしておく。
(2) 生麩は適当な厚さに切っておく。椎茸は飾り包丁を入れる。小松菜はさっと湯がいて3cm程の長さに切る。
(3) 鍋に(A)のだし汁、調味料を入れて煮立て、生麩、椎茸を煮て火が通ったら、とり出します。次に(1)を入れて煮、椀に盛る。
(4) (3)に小松菜を添え、煮汁に水どきした小麦粉を入れて、とろみをつけてかけ、わさびを添えてできあがり。
 鶏肉200g
 生麩100g
 生椎茸(小)4枚
 小松菜1/3束
 おろしわさび適量
 小麦粉適量

A
だし汁2カップ
しょうゆ大さじ4
砂糖大さじ1
大さじ2
みりん大さじ2
治部煮は当院の入院食メニューにも取り入れています。

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新しくなった消化器内視鏡センターについて

(この記事は2016年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


葛西先生 消化器内視鏡センター長・内科部長
 葛西 恭一


 この度消化器内視鏡センターが新しくなりましたので紹介させていただきます。

 当院の消化器内視鏡センターは日本消化器内視鏡学会の指導施設に認定されており、現在内視鏡医10 名(指導医1名、専門医6 名)、看護師8 名(内視鏡技師4 名)の体制で診療しております。私が当院に赴任した2002 年には年間検査件数は2000 件程度で、通常観察が主体であり特殊な内視鏡検査や内視鏡治療はほとんど行っておりませんでした。その後、NBI という特殊光を用いた内視鏡や拡大観察用の内視鏡、超音波内視鏡専用機等続々と登場する最新の機器を積極的に導入してきました。内視鏡治療手技に関しては、早期消化管癌に対するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)や、消化管粘膜下腫瘍や膵腫瘍に対するEUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診)といった新しい技術を積極的に導入し、より高度な内視鏡診療を目指して努力してきました。スタッフの努力のみならず近隣の先生方からご紹介いただく症例の増加もあり検査件数は年々増加し2015 年度の内視鏡検査数は年間約5000 件となりました。

 従来の内視鏡センターは本館地下1 階の画像診断センター内にあり、午前中は内視鏡室で上部内視鏡を、午後からは内視鏡室とX 線テレビ室を使って大腸内視鏡およびERCP(胆膵内視鏡)を行ってきました。X 線テレビ室が一つしかなく、各科共同での使用のため他科に迷惑をかけることも多々あり、検査件数の増加、検査内容の高度化も相まって従来の内視鏡センターでは今後の検査件数の増加に対応していくことは困難な状況となってきました。

 このような現状のなか、本年3 月をもって当院で永年行ってきたPET 検査が終了することとなりました。PET 終了により従来の内視鏡室の隣に約143㎡ のスペースが空くこととなり、このスペースを内視鏡センターとして今回リニューアル致しました。新内視鏡センターは内視鏡室2 室と専用のX 線テレビ室1 室からなり、最大で3 室同時に検査が可能となりました。各検査室とも十分なスペースを確保し、安全に検査・治療ができるようにしました。スタッフの導線にも配慮し、各検査室間をスムーズに移動できるように設計しています。


 スタッフルームには各検査室の内視鏡画像、X 線画像および検査中の患者さんに装着したバイタルサインのモニターがすべて同時に観察できるようにし、複数の検査が同時進行することにより指導や危機管理が疎かにならないように配慮しました。


 内視鏡洗浄室は十分なスペースを確保し、より安全で衛生的な内視鏡の洗浄が可能となりました。


 今後、旧内視鏡室を改修し、回復室や待合室とする予定です。

 以上、新内視鏡センターの紹介をいたしました。より整った環境で内視鏡検査・治療が受けていただけるようになりましたので、どうか安心して当院消化器内視鏡センターへお越し下さい。

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看護の日 「忘れられない看護のエピソード」入賞

(この記事は2016年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)




  看護部長 中島 美代子




 去る5月8日に東京の日本看護協会JNAビルで第6回「忘れられない看護のエピソード」の表彰式が行われ、西館4階病棟看護科長の金澤香織さんの『起死回生の誕生日』が入賞作品として表彰されました。

 「忘れられない看護エピソード」は、「看護の日・看護週間」事業の一環として看護職、一般の方々から看護にまつわる心温まるエピソードを募集したもので、毎年、看護週間の期間中に表彰式を開催しています。今年は全国から3305作品が集まり、20作品が受賞作品として選ばれました。

 今回は、入賞した金澤さんの作品を紹介いたします。


 起死回生の誕生日
 〈京都府〉 金澤 佳織  

 暑さが厳しい夏だった。仕事盛りの50代の患者さんが自ら「終活だ」と言って入院してきた。珍しいがんにかかり、在宅で病気と闘っていたが、激しい痛みのため、毎日寄り添って共に闘ってくれた妻についあたってしまい、妻のほうが倒れる寸前だったこと、仕事人間で家庭のことは妻に任せきりで、これから旅行などをして妻への孝行をしたかったことを入院してきた日に寂しそうに話してくれた。

 仕事上の付き合いも多かったのだろう。入院してから面会は途絶えることはなかった。患者さんの奥さんへの看護も自分の役割だと感じ、初めて会った日から声を掛け、今までの苦労話などに耳を傾ける日が続いた。入院して2カ月もすると、患者さん、奥さんの3人で昔の話や、どんな夫でどんな父親であったか、どんなに妻が尽くしてきたかなど、笑いを交えながら話せる関係になっていた。

 7月19日、「妻が過労で倒れた」と、患者さんが何とも言えない悲しい表情で私に訴えた。「自分のことでみんなに迷惑を掛けているのではないか」。脳への転移もあり半盲状態であったが、よほどいつもそばにいてくれた奥さんがいないのが悲しかったのだろう。必死でメールを打とうとしていた。その傍らで話を聞きながら、ふとメールに目をやると、メールアドレスの数字に目がいった。

 「7・20」

 「もしかして奥さん、あした誕生日ですか?」と尋ねると「おー、本当や。忘れてた! 看護師さんに足向けて寝られんな!」と急に少年のような顔になり興奮していた。病室から出られないので代わりに花を買ってくることになった。ひまわりの花がリクエストであった。

 7月20日、昼過ぎに奥さんが来ることを想定し、大きなひまわりの花と誕生ケーキを持って行った。満面の笑顔でしんどい体で入り口に近いソファに得意げに座っていた。コンコン、とドアをノックする音が聞こえ、扉が開いた瞬間、奥さんの目からは涙がこぼれていた。その横で「起死回生の誕生日や!」とさけぶ本当に幸せそうな笑顔と、ひまわりの花束が病室を優しく包んでいた。







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脱水症と経口補水液

(この記事は2016年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



日置 透子 薬剤部 薬剤師  日置 透子

 梅雨が終わると、いよいよ夏本番ですね。
 猛暑日の中、脱水や熱中症を予防するためには、適切な温度調整に加えて、こまめな水分補給が大切になります。水分補給には、電解質を含んだ経口補水液やスポーツドリンクが欠かせません。
 今回は、経口補水液について紹介したいと思います。


◆脱水症とは
 体内の水分が不足している状態で、水分の取り方が足りない時や、身体のなかの水分が多く失われた場合に起こります。水分と一緒にナトリウムやカリウムなどの大切な電解質も失われます。
 脱水症状になると、血液量が減ることによる血圧低下や、神経や筋肉に悪影響が出ることによりこむら返りを起こします。
 また、放っておくと熱中症を誘発し、重症の場合は救急搬送されることもあります。
(症状)めまい、こむら返り、頭痛、吐き気、倦怠感、けいれん、意識障害など

◆経口補水液とは 
 電解質と糖質(ブドウ糖)が配合された飲料で、下痢や嘔吐、発熱、激しい(過度の)発汗、経口摂取不足などによって失われた体内の電解質や水分を補うことができます。
 経口補水液はスポーツドリンク(清涼飲料水)とは異なり、消費者庁から特別用途食品の中で病者用食品として指定されています。
 経口補水液は、他の飲料と比べてナトリウムやカリウムを多く含んでいるため、心臓や腎臓に負担をかけることがあります。
 高血圧、糖尿病、腎臓病など疾患がある方は、医師や薬剤師、管理栄養士にご相談ください。

経口補水液は一気に飲むのではなく、既定の量を少しずつ飲んでください。
また、経口補水液はあくまで軽度~中等度の脱水症状への適応です。
症状がよくならない場合はがまんせずに受診してください。


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日本列島 ”食” めぐり「栃木県」

(この記事は2016年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



 栄養科 管理栄養士 小笹 清香


◆全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます。

栃木県


~餃子~
 宇都宮市で餃子が食べられるようになったのは、第二次世界大戦後に中国に出兵した人達が帰ってきてから、中国で食べた餃子を真似て作り始めたのがきっかけと言われています。
 また、宇都宮市は餃子の材料となる小麦・豚肉・ニラなどの産地であることも、餃子が普及した背景にあると考えられています。

●餃子     


1人分:
エネルギー280kcal
たんぱく質10g
塩分 1.5g
材料 (4人分)
  
作り方

(1) 豚ミンチに塩を入れてよくこね、さらに(A) の調味料を加えてミンチに粘りが出るまでよくこねる。
(2) (B)を加えて均一になるまで混ぜる。(こねなくてよい)
(3) 餃子の皮で具(大さじ1弱・約10~15gずつ)を包む。
(4) 焼く。
 ・フライパンにうすく油を塗って加熱し、餃子を並べる。
・小さじ1/2の片栗粉を溶いた水(150cc)を入れて蓋をして中火で蒸し焼きにする。
・水分が少なくなったら(約5分)、蓋を少しずらして水蒸気を飛ばす。
・餃子の隙間に油(大さじ2)を適量注ぎ、中火~強火で焼く。
・羽がパリパリになって焼き色がついたら出来上がり!
 餃子の皮1パック(25枚)
 豚肉ミンチ120g
 塩小さじ1弱

A
中華だし (顆粒)ひとつまみ
コショウ小さじ1/2
ニンニク1欠片(すりおろす)
濃口醤油小さじ1
ゴマ油小さじ2
B
キャベツ 200g
(みじん切り・水気をきる)
ニラ 30g
(5mmくらいに切る)
ねぎ 10g
(みじん切り)
タレ
酢:濃口醤油:ラー油
  =7:2:1
※地元では酢多め又は酢のみで食べることが 多いようです
     ≪アレンジできる食材の例≫
(具)
白菜・玉ねぎ・キムチ・チーズ・大葉・カレー粉など
具が余ったらスープに入れるなど

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