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スイッチOTCとは

(この記事は2009年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


薬剤科 科長 三宅健文


ある入院患者さんからこんな質問がありました。
「最近、病院などでもらっているクスリと同じ名前のクスリが、薬局で売られていますが、それってどうしてなんですか?」
そこで今回は、医療用から生まれた大衆薬“スイッチOTC”についてお話します。

OTCとは "over the counter" の略で、薬局やドラッグストアのカウンター越しに買える薬のことです。つまり、患者さんと薬剤師がカウンターを挟んで相談の上、販売されるクスリのことです。さらにそのOTCの中でも、これまでは医師による診察が必要で、医療機関を受診しなければ手に入らなかったクスリが、OTCとして薬局やドラッグストアで買えるように認可されたものを、“スイッチOTC”といいます。OTCの役割は、医師にかかるまでもない軽い症状(風邪のひきたてや疲れ目、食べ過ぎ、ちょっとした擦り傷など)の時に自分で判断し薬を購入し、それらを使って早めに治すことで、一般にセルフメディケーションと言われています。

スイッチOTCは、医療用でのみ使用が認められている成分の中で、比較的副作用が少なく、かつ安全性の高い成分について、一般薬への配合を許可するというものです。最近、スイッチOTCが増加傾向にあります。

スイッチOTC厚生労働省も近年の医療費の増大から、健康保険の負担がない医療用医薬品のスイッチOTC化の合理化を推進しようとしており、既に水虫のクスリ、胃酸を抑えるクスリ、痛み止めなどがスイッチOTC化されています。さらに今後は、高コレステロール、高血圧、高血糖に使用する医薬品もスイッチOTC化することが検討されています。しかし、医学的知識のない者による医薬品の自己使用は病状の悪化をもたらすこともあるので、こうした一般用医薬品の使用は薬剤師に相談の上、原則短期間に留め、重症の際や服用しても症状がよくならない場合は、直ちに医療機関を受診することをお勧めします。

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輸血療法~自己血輸血について~

(この記事は2009年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


臨床工学検査科 岡本祥克

輸血療法とは、血液中の赤血球などの細胞成分や凝固因子などの蛋白質成分が量的に減少又は機能的に低下したときに、その成分を補充することにより臨床症状の改善を図る治療です。

一般的に“輸血”というと献血された血液を使用すると考えますが、輸血には献血された血液を使用する“同種血輸血”と、御自身の血液を事前に貯血し使用する“自己血輸血”とがあります。今回は自己血輸血について述べさせていただきます。

自己血輸血は読んで字の如く、御自身の血液を貯血し輸血する治療方法であり、3~4週間前より数回に分けて血液の採取を行い手術日まで保管し、手術の際に使用いたします。

しかし自己血輸血は、すべての輸血療法に使用できるのではなく「予定される手術において輸血必要量が600~1500mlと予測され、また手術までに十分な期間がある場合」に用いられる輸血療法であります。

ここで簡単に当院での自己血採取の流れを説明させてもらいます。

採取と管理
  1. 採取当日外来受診し採血を行い、検査結果より採取が行えるか医師が判断します。
  2. 採取は看護師により消毒、穿刺を行い採取します。
  3. 臨床検査技師が採取量を確認し、抗凝固剤と血液の混和を行います。
  4. 採取後、体の補正を行うために輸液、造血ホルモン剤の注射を行います。
  5. 臨床検査技師により採取日と採取量、保管期限についての説明を患者さんへさせていただきます。
  6. 手術前日まで、お預かりした血液は専用の冷蔵庫にて保管管理いたします。手術前日に保管血液の検査を行い、手術当日使用できるように準備いたします。

輸血療法にご不明な点がありましたら、担当医までお願いします。



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手術室が増室、機器も充実。手術がより安全に、より高いレベルで!

(この記事は2009年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


手術室部長・麻酔科部長 中川博美


西陣病院は平成16年より増改築に着手し、その最終段階として平成20年11月から手術室の増室・改修工事に取り組みました。その間、皆様方には多大なご理解とご協力を賜りましたこと、この場をおかりして深く感謝申し上げます。おかげさまにて手術室の工事も平成21年3月に無事完了し、4月より新手術室が稼動し始めました。

昨年度は外科系5科(外科・整形外科・泌尿器科・眼科・皮膚科)で約1200件の手術が行われ、10年前の手術件数の約1.5倍に達しました。これに伴い1手術室あたりの手術件数も600件を越えたため、手術室1室増室を含む大幅な改修工事が行なわれました。整形外科の人工関節手術をはじめとする清潔手術をより安全に行うことのできるバイオクリーン・ルーム、低侵襲な鏡視下手術に対応した一般外科・泌尿器科手術室、そして、局所麻酔での眼科・皮膚科症例中心の手術室と3室が機能分化しました。

天井つり下げ型モニターで鏡視下手術が快適に同時に、設備や機器もいっそう充実しました。各手術室ともHLED無影灯(日本初)が設置され、明るく良好な視野のもと深部臓器の手術でもより安全により正確に行えるようになりました。21インチ天井つり下げ型ハイビジョンテレビモニターシステムにより画質が格段に向上し、鮮明な画像が得られることでより繊細な鏡視下手術操作が可能になりました。鏡視下手根管開放術や経尿道的手術などでは、患者様のご希望により、この画面をご一緒にご覧いただけるようにもなりました。生理食塩水還流の最新式経尿道手術システムはより合併症の少ない安全な泌尿器科手術を可能にし、整形外科ではハイスピード・ドリル導入によって脊椎手術をより安全に短時間に行えるようになりました。また、どの手術室にも全身麻酔器と各種モニターが設置され、麻酔科専門医による全身麻酔が可能な体制がとれるようになりました。

一方、手術室滅菌部門では、日本医療機器学会認定第2種滅菌技士2名の有資格者によって、より厳格に洗浄・消毒・滅菌が行なわれるようになりました。各手術器具はウォッシャー・ディスインフェクターで均一洗浄・高水準消毒された後、物理的、生物学的、そして、個々の滅菌物には化学的滅菌インジケータを使用し、最先端のコンピューター監視システムのもとクリーン蒸気発生器付き滅菌装置を用いて手術器具の個別性に適した滅菌方法を選択することで、よりレベルの高い滅菌品質保証が行えるようになりました。

ハード面が充実した新手術室このようにハード面が充実した新手術室で、患者様により安全で良質な手術室医療をさらに高いレベルで提供できるよう、大学との連携も深めつつ、各科の医師はいっそう技術の向上に努めるだけでなく、看護師はじめすべての医療スタッフの一人ひとりもその役割と責任を自覚して「手術チーム」としてのソフト面もますます充実させるよう、日々、努力・精進してまいりたいと存じます。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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地域医療連携としての画像診断センター

(この記事は2009年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


放射線科 科長 堀井均


平成18年9月、本館地下1階新築部分に64列マルチスライスCTおよび1.5テスラMR装置など最新の画像診断機器を新規導入し、同時に一般撮影装置・X-TV装置・骨密度装置も更新し、画像診断センターとしてオープンいたしました。また、各画像診断装置で得られた画像はネットワークを介して診断用コンピュータに転送することで、過去画像との比較が容易に行えるようになり、より的確な診断が可能となりました。画像と同様に診断レポートも院内配信にて閲覧でき、迅速・的確な治療方針の決定に寄与しています。

平成20年4月にはフラットパネルディテクタ搭載血管撮影装置を更新したことによって、より高画質な画像を提供することで診断および治療に大きく貢献しています。また、この装置の導入により検査を受ける皆さまの被ばく線量の低減も可能となりました。

「地域に密着した良質な医療を提供します。」という西陣病院基本方針をもとに、当院画像診断センターとしては地域の医療機関より検査依頼があった場合、迅速・丁寧な受付対応、的確な検査方法の選択、最新画像診断機器による良質な検査と被ばく低減に心掛けた検査の実施、実施後には迅速に画像をお渡しできる体制をとっています。また、診断レポートは常勤の放射線専門医師2名が診断用高精細モニターにて読影を行い、すみやかに依頼先医療機関にFAXおよび郵便にて送付いたしております。このように地域の医療機関と連携をはかり、受診される皆さまに最適な医療を提供できるような体制をとっております。

当院における各装置の紹介率(地域の医療機関よりの依頼検査件数)は本年1月から3月末において、以下のような結果となっています。
CT検査:13.0%   MR検査:23.7%   PET検査:69.1%

紹介率


これらの各装置の高い紹介率は、今後も自信をもって画像診断を通じて地域医療連携に積極的に取り組んでいくつもりです。

また、当院では地域の医療機関よりの検査依頼だけでなく、PET装置を利用したがん検診としての「PETがんドック」や、認知症や脳卒中が心配な方の「PET脳ドック」、成人病の予防と早期発見としての「人間ドック」があり、心配される病気によってその病気に対する検査を追加できるようなシステムになっております。

受診される皆さまのご紹介や検査に対する相談等がごさいましたら、お気軽に画像診断センターや地域医療連携室までご連絡ください。

右画像診断センター専用電話 075-465-6116


PET装置 PET装置

MR装置 MR装置

CT装置 CT装置

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免疫力とビタミンC

(この記事は2009年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


栄養科 管理栄養士 山本茂子


ビタミンCは
  • コラーゲンの合成にはたらき、血管や皮膚、粘膜、骨を強くします。 ⇒床ずれの予防
  • 感染症(アレルギー、風邪など)を防ぐ働きがあります。 ⇒風邪予防・花粉症
  • 鉄・銅の吸収を助け、ヘモグロビンの合成を助けます。
  • タバコ1本でビタミンCが25mg破壊されます。
  • しみの素であるメラニン色素の生成を抑え、コラーゲンの生成に不可欠です。 ⇒美肌


1日に必要な目安量

85mg/日  推奨量100mg/日

多く含まれる食品は
  • いちご4個(100g) 80mg
  • ブロッコリー(50g) 80mg
  • キウイ1個(80g) 64mg
  • 小松菜(50g) 37.5mg
  • オレンジ1/2個(100g) 60mg
  • ほうれん草(50g) 32.5mg

ブロッコリーのポタージュ 2人分(1人当たり77Kcal VC31mg 塩分0.6g)
ブロッコリー…50g 玉ねぎ…25g
バター…大さじ1/2 にんにく…1/2片 小麦粉…大さじ1
牛乳…50cc 水…100cc 塩…1g こしょう…少々
  1. ブロッコリーは小さくきる。
  2. 薄切りにした玉ねぎとにんにくをバターで炒める。
  3. 玉ねぎが透き通ったら、小麦粉を振りいれ、よくなじませる。
  4. 水を加え混ぜ、煮立ったら(1)を加え、蓋をして弱火で7分煮る。
  5. 火からおろして荒熱をとり牛乳を加え、ミキサーにかける。
  6. 鍋にもどして温め、塩、こしょうで味を調える。
いちごババロア 2人分(1人当たり221Kcal VC31mg)
いちご…100g 砂糖…30g ゼラチン…5g
水…大さじ1 熱湯…大さじ1 生クリーム…65cc
  1. いちご100gはミキサーにかける。
  2. 砂糖30gを加え良く混ぜる。
  3. ゼラチンに水、熱湯を加え完全に溶けるまで混ぜる。
  4. 熱いうちにいちごジュースを加えよく混ぜ、冷蔵庫でとろーっとなるくらいまで冷やす。(完全に固まる前)生クリーム65ccを角が立つくらい泡立てていちごゼラチンと混ぜる。
  5. 油を塗ったプリン型に入れ、冷蔵庫に入れ冷やし固める。

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