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看護の日の催し2007年

(この記事は2007年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

本館5階 丸山晴美

“看護の日”は、近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなみ、5月12日に制定されました。これは市民と医療関係者が交流し、看護や医療のあり方を一緒に考え、看護体験を通して助け合いの心を分かち合うことを目的とした催しです。

 ふれあい看護体験は、看護協会が5月から8月の間に実施している看護の日のイベントの一環です。

 当院でも、そのイベントとして5月12日に本館1階で、血圧・体脂肪測定、骨密度測定、ABI検査(動脈硬化)栄養相談・デイケアの作品展示をしました。また当院の看護の現場を少しでも知っていただくために、外来・透析・手術室・訪問看護・病棟の看護の特徴を紹介したポスターを掲示しました。イベントには、40名近く来られ、測定結果に対して看護師がアドバイスやパンフレットの配布などをさせていただきました。

 病棟では一般市民の方が、1名参加され、患者様の身の回りのお世話を体験していただきました。

 来年も5月か6月の土曜日に催しを行う予定です。地域の方に気軽に参加していただけるような”看護の日”となるよう工夫していきたいと思います。

今後とも多くの方のご参加をお待ちしています。

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胃食道逆流症について

(この記事は2007年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


内科 葛西恭一


 口から飲み込まれた食物は、喉を過ぎると食道という細い管を通った後に胃の中に入って消化が始まり、栄養分・水分が腸で吸収され、便となって肛門から排泄されます。

 胃食道逆流症(GERD)とは、噴門部(胃の人り□)が緩むことにより胃酸などの胃内容物が食道へ逆流するために自覚される症状のことで、逆流性食道炎とも呼ばれます。症状としては「胸焼け」が代表的で、「げっぷ」「食事がつかえる感じ」「胃のもたれ」などを自覚されることが多いです。これらの症状以外に、「胸の痛み」、「背部の痛み」、「咳」、「喉の不快感」 など様々な症状として自覚されるため、循環器科や呼吸器科、耳鼻咽喉科を受診されることもしばしばあるようです。肥満傾向の人、コルセットなどにより腹部を圧迫している人や、腰が曲がった高齢者などに多く、特に飲酒後や甘いもの・脂の多いものを食べた後、食後にすぐ横になると症状が出やすいと言われています。

 以前は高齢者に多い病気と考えられていましたが、近年の生活習慣の欧米化に伴い20歳代や30歳代の若年者に発症することも多くなってきています。GERDの患者様を胃カメラで観察すると、噴門部は緩み、食道粘膜は炎症を起こして潰瘍を形成し、重症の場合は出血を伴うため吐血の原因になる場合もあります。
治療法としては、第一に生活習慣の改善が挙げられます。
 ・体重を減らすこと、
 ・食後すぐに横にならないこと、
 ・コルセットなどによる腹部の圧迫に注意すること、
などが必要です。夜間に症状が強まる場合は、なるべく頭の位置を高くすることで胃酸の逆流を少なくすることができます。薬物治療としては胃酸を弱める薬(プロトンポンプ阻害剤など)の効果が高く、GERDの患者様の大半に投与されています。

 しかし、生活習慣の改善が不十分な場合は薬を減らしたり中止したりすると再び症状が出てくることが多く、長期間投与が継続される場合があります。薬物治療の効果が乏しい場合や中止が出来ない場合、外科手術が行なわれることがありますが極めて稀です。

 また、ごく一部の施設では胃カメラを用いて緩んだ噴門部を縫うことが可能となってきましたが、まだ一般病院には普及してはいません。

 最近、〝食道に炎症所見を認めない胃食道逆流症(NERD)″が注目されるようになってきました。詳しく検討してみると、NERD患者様のおよそ半数はプロトンポンプ阻害剤の効果がないといわれています。この場合は胃酸ではなくストレスや不安、緊張などが原因とされ、食道運動の低下や食道粘膜の知覚過敏を生じていると考えられています。このため、消化管運動機能改善薬や抗不安薬などが効果を示す場合も多いようです。

 GERDやNERDは近年増加してきておりその診断は比較的簡単ですが、画一的な治療法には限界があるため患者様ごとに最適な治療法を検討していく必要があると考えています。「胸焼け」や「げっぷ」などの症状があるかたはGERDの可能性がありますので一度消化器内科受診をお勧めします。

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股関節痛でお悩みの方に

(この記事は2007年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


整形外科 牧之段 淳


 股関節は球状の関節であるため曲げ伸ばしだけでなく、回旋(捻り)もできる自由度の高い関節です。一方、球状であるために、体重を受ける面が小さく一旦関節軟骨が擦り減ると疼痛も強く、日常生活動作が制限され外出もままならなくなることも少なくありません。


 治療は減量や杖をついて股関節の負担を少なくするなど生活習慣を見直すことが基本です。膝関節が変形して痛む場合、ヒアルロン酸を関節内に注射することで痛みが軽くなりますが、股関節には保険が適応されておらず、なかなか優れた保存療法がないのが現状です。一般的に60歳以上であれば人工関節を考慮します。人工股関節置換術により股関節痛から解放されると言っても過言ではありません。手術の翌日から歩行器を用いて歩き始め、約3~4週間後に一本杖で退院が可能です。術後3カ月もすれば特に目立った痛みは訴えられなくなります。

 一方、人工股関節にも幾つかの問題点があります。

 第一に耐久性です。人工関節も十数年も経過すると骨とインプラントとの間に機械的な緩みが生じてしまうのです。現在では15年間程度もつようになっています。60歳で人工股関節置換術を行うと75歳頃に再び人工関節の緩みが生じ、再度入れ換え手術が必要となる見込みとなります。女性の平均寿命が85歳なので当院では再置換術をしなくて済ませるよう70歳以上の方に人工関節をお勧めしています。

 第二の問題点は約4%で脱臼を生じることです。人工股関節置換術の手術方法にはいくつかの進入法があります。全国的には後側方から進入する施設が多いのですが側方や前方から進入する方が術後の脱臼が少ないと言われています。当院でも後側方進入法を行っていたのですが最近外側進入法に変更しております。手術中にインプラントを設置した時点で脱臼傾向がないか確認するのですが、以前に増して相当安定感があるとの手応えを得ています。今のところ外側進入法で脱臼を生じたことはありません。脱臼があまり気にならないので主治医としても安心して退院を勧めることができるようになりました。

 その他稀ですが肺梗塞という重篤な合併症があります。当院では術後早期に足をつくことが大切と考え手術翌日から起立歩行を開始したり、術後抗凝固剤を内服していただいており予防に努めています。手術前には予め御自身の血液(自己血)を貯えておきますので自分の血液を戻すだけでいわゆる輸血(他家血輸血)はほとんど必要ありません。

 整形外科にはさまざまな手術がありますが、人工股関節置換術は除痛効果や術後早期に歩行が開始できるなどの観点から切れ味の鋭い手術との印象を持っています。股関節痛でお悩みの方は毎週木曜日13時から股関節外来を開いておりますので御気軽に御相談下さい。




続き▽

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糖尿病のクスリについて

(この記事は2007年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


薬剤科 三宅健文


糖尿病って言われたんです・・・。

「血糖」とは血液中に含まれるブドウ糖のことで,心臓や脳の活動など生きていくために重要なエネルギー源です。しかし,血糖の量(血糖値)が増え過ぎる「高血糖」の状態になると,体のあちこちに支障がおきる原因になってしまいます。糖尿病とは,ひとことで言うとすい臓のランゲルハンス島から分泌されているホルモンの一種で,血糖をコントロールする「インスリン」の量や作用が何らかの原因で不足し,高い血糖値の状態が続くことです。

治療の基本は,食事療法

食事療法は糖尿病と付き合っていく上で,絶対不可欠なものです。症状や薬が違うのと同じように,食事療法もその人によって違います。食事療法や運動療法を続けても効果が現れない場合には,薬物療法を行います。
次回は,「くすりを飲んでコントロールしましょう・・・。」です。

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伏見唐辛子・じゅんさい

(この記事は2007年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


栄養科 管理栄養士 山本茂子


京の初夏野菜代表 ~伏見唐辛子~


ヘルシーパワー辛味がなく(カブサイシンが含まれていません)独特の甘みがあり、食物繊維や、カルシウム、ビタミンCが豊富です。


 ビタミンCは肌のはりを保ちしみや小じわを防ぐ効果があるほか、ウイルスや細菌に対する抵抗力を高め風邪や感染症を予防する効果があります。

伏見唐辛子の京煮

(材料) 2人分 エネルギー 85Kcal ビタミンC 29mg (成人100mg/日)
栄養科:じゅんさい伏見唐辛子100g
ちりめんじゃこ10g
サラダ油小さじ1
濃口しょうゆ小さじ2
砂糖小さじ1
酒小さじ1
みりん小さじ1
だし汁10cc

[作り方]
1、伏見唐辛子はへたと種をとっておく
2、鍋にサラダ油を熱し、(1)を強火で炒める
3、(2)にすべての調味料、ちりめんじゃこをいれ、弱火でことこと10分、汁気がなくなる寸前まで煮ます。


じゅんさい


ヘルシーパワー解熱、解毒効果


 京都の深泥池に自生する。中国医学では古くからじゅんさいの薬効が認められていて、抗がん作用や、解熱、解毒、胃弱を治す、腫れを消すなどの効果があるといわれています。


じゆんさいのかきあげ

(材料) 2人分 エネルギー 130Kcal
栄養科:じゅんさい生じゅんさい100g
小エビ20g
刻みねぎ20g
卵白1個
天ぶら粉
揚げ油

[作り方]
1、ポールの中に水分をよく切った生じゅんさい、刻みねぎ、小エビ、卵白を加えさっと混ぜる。
2、(1)に天ぶら粉をまぶし、ダマができないようにさっと合わせる。
3、 鍋に油をやや高めに加熱しておく。
4、(2)をスプーンなどですくい、鍋にそっといれて揚げる。

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