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(この記事は2007年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
最新の骨密度測定装置(腰椎、大腿骨用)を導入しました。検査は7月30日より開始いたしております。
DPX-Bravo 二重X線吸収法(DXA ) GE横河メディカルシステム社製
はじめに
整形外科 牧之段 淳
骨粗鬆症に伴う骨折の中で、最も頻度の高いものの1つに胸椎・腰椎の椎体骨折があり、骨粗鬆症に伴う大腿骨近位部、上腕骨近位部、橈骨遠位部、肋骨などの骨折は転倒を契機に生じます。
骨粗鬆症に伴う骨折の中でも大腿骨頚部骨折と胸腰椎部椎体骨折は寝たきりにつながることから特に問題になっています。
近年1年間で約5%前後骨密度を増加させることが可能な骨粗鬆症治療薬が開発されており、すでに御使用されている先生も多いかと存じます。再現性に優れた精度の高い骨密度測定装置により、骨密度を経時的に測定し、骨密度が増加していることを患者様に示すことができれば、服薬継続の動機づけとなることが期待されます。
そして現在の食生活の変化、無理なダイエットなどによる骨密度の減少もクローズアップされてきています。そのような骨密度減少を早期に発見し、治療を行うための効果的な測定としてX線を用いた新しい骨密度測定装置を導入いたしました。
本装置の特徴
二重X線吸収法(DXA)は骨粗鬆症の診断には最適な測定法です。
最新の機能をコンパクトボディに凝縮し、再現性に優れており投薬効果判定に有効です。
被検者の乗り降りが容易な設計であり、短時間検査で腰痛をお持ちの方でも楽に検査が行えます。
診断レポートは明解なTスコアに加え、世界保健機構(WHO)の骨粗鬆症診断基準に基づき骨折リスク評価のグラフが表示されます。
保険点数 360点
骨粗鬆症の診断およびその経過観察の際に算定できる。ただし4月に1回を限度とする。
検査の受付は画像診断センターにて行います。
電話:075-465-6116
続き▽
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01:46pm
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(この記事は2007年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
内科 北村亮治
心臓病は日本人の死因の第2位です。その大半は、心臓に栄養と酸素を供給している冠動脈の内腔が狭くなる狭心症や、完全に閉鎖して筋肉の壊死をもたらす心筋梗塞などの虚血性心疾患です。
この治療法には内科的にはカテーテル治療があります。細長い管の先端についた風船で狭くなった箇所を拡張して、その後ステントという筒状の金網のチューブを置いて内腔から支える方法で最近の主流になっています。
従来のステントによる治療はすでに全世界で10年間以上の治療経過があるものの、20%~40%の頻度で血管内の再狭窄が起こり、再治療が余儀なくされているのが実情でした。このため、「再狭窄」を減らすことがステント治療において大きな課題となっていました。
この再狭窄を本質的に解決すると大きく期待されているのが薬物溶出性ステントです。これは冠動脈ステントを構成するステンレスの金網の表面に再狭窄を予防する効果のある薬剤をコーティングしたものです。このステントの登場により再狭窄率は約3分の1にまで軽減されましたが、最近では問題点も指摘され出しました。
従来のステント治療ではまれに血管内に血栓ができ、血管が詰まれば心筋梗塞など重大な結果を招く恐れがあります。血栓の予防のため、抗血小板薬(血液をさらさらにする薬)の服用が必要ですが、この薬には重い肝障害や血液障害、出血が止まりにくくなるなどの副作用があり、長期間の使用には危険が伴います。
薬剤を塗っていない通常のステントでは、血栓ができる時期は治療の1か月以内の場合が大半で、抗血小板薬の使用期間も長くて3か月程度で済むことが大半です。ところが、薬剤溶出型の場合、血栓の発生率は0・1~1%弱と低いものの、1年以上たってから血栓が現れる場合があり、抗血小板薬の使用も3か月以上と長期化せざるを得ない場合があり、副作用の危険性も高まります。
再狭窄率が低くなる利点をとるか、血栓予防薬の長期使用などの問題点を重視するか。これに対する結論は現時点では出ていないのが現状です。再治療の回避という生活の向上を求めるか、わずかな頻度であっても重篤な合併症である血栓症の増加を重視するかは難しい問題です。患者さんそれぞれによって選択が変わるとは思いますので疑問点がありましたら遠慮なく相談して下さい。また、患者さんの病状や冠動脈の状態によっては冠動脈バイパス手術のほうが良い結果を得られる場合もありますから、胸部の不快感、圧迫感、締め付け感などの症状があればすぐに受診してください。
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(この記事は2007年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
泌尿器科 大西彰
股間の不快感や鈍い痛みを常に感じていて、頻尿(おしっこがちかい)、残尿感(おしっこのあとも残った感じがする)、排尿困難(ちょろちょろとしか出ない、きばらないと出ない)、排尿時痛(おしっこをする時のしみるような痛み)などの症状もある。けれど、日常生活には支障はないので我慢してしまっている、という男性の方はおられませんか?
もしかしたら、慢性前立腺炎かもしれません。
「前立腺」とは、男性のみにある臓器で、膀胱より末梢側つまり足側にあって、中に尿道が通っています。尿道を取り囲んでいるため、ここに何か異常が起こると前述のようなおしっこの症状が出てくるのです。
慢性前立腺炎は、慢性骨盤病症候群とも言われ、細菌感染など明かな原因があるものもありますが、ほとんどは非細菌性ではっきりとした原因が分からないものです。長時間の座り仕事(運転手や事務仕事など)をする30代~50代ぐらいの男性に多く、骨盤内の血流障害が一因と言われています。肩こりが骨盤の中で起こっているようなもの、と言えば分かりやすいでしょうか。肩こりに似ていることからも分かるように、なかなかすっきりとはよくなりません。
治療には通常、抗菌薬、植物エキス製剤、鎮痛剤、尿道の括約筋の緊張を解くα1ブロッカーなどの薬物療法が行われますが、原因不明のケースでは、決定的な治療法がないのが実状です。日常生活でできることとしては、なるべく長時間いすに座ることを避ける(数時間に1回休憩を入れたり運動をしたり)、いすの上に円座(ドーナツ型のクッション)を置く、自転車・バイクなど股間に刺激を与える乗り物は避ける、アルコールや辛いものなどの刺激物を控える、ぬるめのお風呂に入って温まる(熱すぎるお風呂は逆効果)、などがあると思います。
「慢性」という名の通り、治療には根気が必要ですし、症状が持続し、なかなかよくならず、医師も患者さんもともに悩むのが慢性前立腺炎です。
冒頭に挙げた、頻尿、残尿感、排尿因難、排尿時痛といった症状に加えて、会陰部の違和感や鈍痛がある男性の方!あなたは慢性前立腺炎かもしれません。もちろんそれ以外の前立腺の病気や、骨盤内の病気、尿路の病気も考えられますので、一人で悩まずに、一度泌尿器科を受診してみてください。
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(この記事は2007年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
薬剤科 三宅 健文
くすりを飲んでコントロールしましょう・・・
主な薬物療法は、すい臓を刺激してインスリンの分泌を促すくすり(スルホニル尿素薬)、食後の異常な血糖上昇を抑えるくすり(αグルコシターゼ阻害薬)、インスリンの利用効率を上げるくすり(インスリン抵抗性改善薬)の飲み薬とインスリンがほとんど分泌されない人や不足の人のためのインスリン注射があります。
どちらも効果がないからといって医師に相談せず、勝手にやめたり、多く使ったりしてはいけません。くすりを飲み始めて調子が悪くなったら、必ず医師や薬剤師に相談してください。
あなたの服用している薬はどれですか?(西陣病院採用医薬品のみ掲載)
ところで、話は変わりますが・・・
毎日暑い日が続くと、どうしても摂取量が増える水分。昔に比べるとコンビニや自動販売機で簡単に飲料が手に入るので、ついつい余分に摂取してしまいがち…。一般成人が一日に摂取して良い砂糖は10~15gくらい(日本人の平均摂取量は20gと言われています)。特に暑い夏頃に、喉が渇いた時に、□あたりのよいジュース、コーラ、サイダー、スポーツドリンクなどをたくさん飲むと、飲んだ直後は□の渇きもなくなり、気持ちよいのですが、直ぐに血糖値が上昇します。血糖が上昇すると□が渇くため(血糖コントロールが不十分な場合のどが渇くのと同じことです)、さらに清涼飲料水をついがぶ飲みするという悪循環になります。これが「ペットボトル症候群」と言われるものです。
ペットボトル1本(500mL)で約30~50gの砂糖が入っています。夏の暑い日とかに2本飲むともうそれで2日分以上の砂糖を摂取したことになります。
清涼飲料水には、いろいろなキャッチフレーズがあります。例えばノンカロリーとは100gあたリ5kcal未満の食品に、カロリーオフ/低カロリーは100gあたリ20kcal以下の食品に表示できます。また糖分ひかえめとは砂糖・ぶどう糖が100gあたリ5g以下の食品に表示でき、甘さひかえめとは何の基準もありません。
必ず食品表示を確認し、糖質や塩分量、カロリーなどを確かめる必要があるでしょう。
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