NEWEST / < NEXT   BACK >

手洗いの習慣をつけましょう

薬剤科 三宅 健文

正しい手洗いとは
私たちの手には、たくさんのウイルスや細菌などが付着しています。正しい手洗いによって、手に付着しているウイルスなどを洗い流すことができます。正しい手洗いは、感染予防の基本です!!

○ 手を洗うタイミングは
食事の前・トイレの後・帰宅時
汚染物(嘔吐物、おむつ)などを処理した後
入院患者様のお見舞いの時、病室への入室時と退室時には、入口に置いてある速乾性手指消毒薬で、もみ洗いをしましょう。

○ 上手な手洗いとは・・・
目的に応じて流水のみ、流水と石けんや消毒薬、消毒薬のみによる手洗いがあります。日常生活における食事の前やトイレの後などは、市販の石けんでもかなりの除菌効果が得られます。特に病原微生物の汚染の可能性がある時や、易感染患者(入院患者様や抵抗力のない人)に接触する時などには消毒薬を使用する。

○ 手を洗った後は・・・
洗った手が水に濡れたままだと、ウイルスや細菌が手にくっつきやすい状態になります。手洗い後はきちんと手を拭き乾燥させましょう。
汚れたタオルを共用すると、タオルが感染源となって感染が拡大することがあります。タオルは、常に清潔にしておきましょう。


手洗いやうがいをちゃんとしているとほとんどの感染症は予防できると言われています。ノロウィルスの感染予防には手洗いが一番。これからインフルエンザの流行期にも入ってきます。
手洗いやうがいを習慣付けましょう。

| Copyright 2007,12,10, Monday 06:01pm administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

高血圧症について

(この記事は2007年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

内科 小林 由佳


 「そういえば、検診でちょっと血圧が高いって言われていましたけど…」と聞くことがよくあります。確かに血圧が少々高くても自覚症状がないことが多く、そのままになっている人も多いと思います。今回は、どれだけ高血圧を “認識” していますか? “意識” していますか? ということをテーマにして、家庭血圧測定についても考えていきます。

 日本では65歳以上の高齢者人口が増加して、全人口の20%に達しています。その中で高齢者の約70%が高血圧と考えられています。これは高血圧症患者の半数が高齢者であり、今後も更に増加していくとも考えられています。また、65歳以下の方においても、高血圧症は増加傾向にあります。日本の死亡原因の2番、3番である心疾患、脳血管疾患は高血圧が関わっていることが多く、死亡原因三大疾患のうち70歳以上について言えば、心疾患、脳血管疾患の死亡数は死亡原因の1番であるがんよりも多くなっています。血圧が20/10mmHg上昇すると、脳卒中、虚血性心疾患の罹患・死亡の危険性は約1.5~2.0倍となるとも報告されています。以上より、高血圧という状態が、色々な病気を引き起こす厄介なものだと “認識” していただけたかと思います。
 
 では次に “意識” することについてですが、まず自分の血圧がどうなっているのかということを把握するのが大切だと考えます。これは診察の時に測る血圧だけでなく、家庭で測る血圧もどうなっているかが重要になってきます。家での血圧は正常なのに診察や検診時に思ったより血圧が高いという白衣高血圧症は、家庭血圧測定をしていただくことで分かります。そして、降圧剤治療効・薬効持続の評価も出来るため、血圧測定したものを記録して来ていただけると治療に役立ちます。また血圧の日内変動において、起床後1~3時間の早朝高血圧が虚血性心疾患、脳血管障害の発症に大きく関与しているとも言われています。早朝の血庄に関しては家庭血圧測定でないと正確に分からないところがあり、出来れば家庭血圧測定値と照らし合わせて治療していく方が望ましいです。では血圧測定をどのようにしていけばいいのか? についてですが、これは1日2回だけでも十分です。朝起床後1時間以内で、排尿後・朝食前・服薬前に測定し、また就寝前に測定していただきたいと思います。(なお、30分以内のカフェイン含有物の摂取及び喫煙を中止し、安静座位が望ましいです。)
 
 血圧が高いといわれたことがある方、また血圧に関して気になることがありましたら、いつでも内科受診の際にご相談ください。


| Copyright 2007,11,01, Thursday 11:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

PSA検査について

(この記事は2007年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです。清水医師は転勤のため、現在西陣病院で外来診療はしておりません。ご了承ください)

泌尿器科 清水 輝記


 PSAとは、Prostate SPeCific antigen(前立腺特異抗原)の略で、前立腺に特異的なたんばく質の-種です。正常の場合でもPSAは血液中に存在しますが、前立腺がんになると大量のPSAが血液中に流れだします。この性質を利用して、PSAは前立腺がんを発見する指標として用いられます。検査は簡単な血液検査でできます。一般に、他のがんでは血液検査のみでは発見することが難しいといわれていますが、前立腺がんの場合は高い精度で発見することが可能です。正常値は4.0ng/ml以下で、PSA値が高ければ高いほど、前立腺がんの確率が高くなり、PSA値が50~100ng/mlであればがんの確率はほぼ100%となります。通常、PSA値が10ng/mL以上の場合は、生検による確定診断が行われます。また4~10ng/mLの場合でも泌尿器専門医を受診し、直腸診などの二次検診を行うことが推奨されています。

 以上より、PSA検査は精度の高さと簡便さから、大変優れたスクリーニング検査であるといえます。前立腺がんは、早期に発見、治療すれば完治も期待できるため、前立腺がんのリスクが高まる50歳以上の男性は定期的に検診を受け、早期発見を心がけることが大切です。また、ご家族に前立腺がんの方がいる場合は、前立腺がんになりやすいといわれていますので、40歳を過ぎたら検診を受けるようにしましょう。

 PSA検査を希望される場合は、かかりつけの病院の泌尿器科で「前立腺がんが心配です」と言ってください。

 前立腺がんの早期発見に有用なPSA検査について、まわりの方にもぜひ伝えてください。-人でも多くの方がPSA検査を受診され、早期発見により前立腺がんを克服できれば、前立腺がんによる死亡者数を減らすことが可能です。

 皆さんも50歳を過ぎればPSA模査を年に1度は受けましょう!!



| Copyright 2007,11,01, Thursday 11:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

腰痛と姿勢について

(この記事は2007年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


リハビリテーション科 黒川 絵美


 腰痛には様々な原因がありますが、腰痛全体の70%はケガ等の明らかな原因がなく、神経症状を有しない”非特異性腰痛(一般的にいう腰痛)”です。その中でも不良姿勢によるものが一番多いとされています。

 側面からみて、脊柱は頚椎から始まり胸椎・腰椎へと適度なS字のカープを描いています。(図1)腰椎は適度に前弯(前方に凸)しています。不良姿勢によってこの前弯が強くなったり、弱くなったりする事で、腰樵の関節と上下腰椎簡にある椎間板にストレスがかかり、炎症を起こし、関節周囲の軟部鵜織や筋肉に痛みがでるのです。

 腰痛の多くは日常生活や就労時の動作・姿勢により発生、憎悪します。(図2)よって正しい姿勢を保持し収得することが、腰痛予防・再発のポイントとなります。そこで今回は腰痛予防の姿勢を紹介します。

①おへそをへこませます。お腹が突き出る姿勢は腰椎の反り返リが強くなり、腰痛の原因となります。おへそをへこませる事で、緩んだ腹筋に力を入れて、前方から腰椎を安定させます。

②肛門を閉める感覚でお尻に力を入れます。お尻に力を入れることで、骨盤の過度な傾きを予防します。

理学-腰痛1      理学-腰痛2


 この姿勢は腰椎の周りにある深部筋といわれる腰部を安定させる筋肉が作用し、腰椎を保護します。つまり、腰痛の原因となっている腰堆の関節と椎間板のストレスを軽減させてくれるのです。冬に向けて腰痛が気になる方は、一度鏡でご自身の姿勢をチェックしてみてください。

| Copyright 2007,11,01, Thursday 11:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

いぼ痔は切らずに治したい いぼ痔の注射療法

(この記事は2007年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


外科部長  宮垣拓也

宮垣 拓也 医師 本誌3・4月号で中瀬先生より肛門疾患全般についての説明がありましたので、今回は当院で本年4月から治療を始めた「いぼ痔の注射療法」についてのお話をしたいと思います。

 多くの方が悩んでおられる痔。前回お話があったように大きく分けると、肛門付近にいぼができる「いぼ痔(内・外痔核)」、肛門の皮膚が切れる「切れ痔」、肛門の周囲から膿が出る「痔ろう」があります。そのなかで最も多いのがいぼ痔。いぼ痔は、便秘などでいきんだ時に肛門に強い負担がかかり、肛門を閉める括約筋の内側にあって開閉を助ける粘膜下組織の「クッション」部分が腫れて生じます。直腸側にできるのが内痔核、肛門側だと外痔核と呼ばれます。

 新しい薬物注射療法は、内痔核が対象となります。これには、クッションが緩んで排便時に内痔核が肛門の外に出たり、出たままになったりするなど、従来は手術が行われてきたものも含まれます。使用する薬は「内痔核硬化療法剤」(商品名ジオン)で、平成17年に発売されました。

 治療は、括約筋を麻酔で緩めた後、痔核1個につき4か所に注射し、薬剤が全体に行き渡るようにします。注射に要する時間は10分から20分程度。主成分である硫酸アルミニウムカリウムが、炎症を起こしたクッション部分を繊維化させ硬くさせます。すると、緩んでいたクッションが縮み元の位置に戻るという仕組みです。痔核の中を流れる血液量も減少し、出血が止まります。注射後1週間から1ケ月ほどで、痔核が肛門から出なくなります。

 この注射療法は、痔核を切り取る手術に比べ、治療後の痛みや出血が少なく、平均入院期間も大幅に短縮されました。当院では1泊2日の入院が標準で、日帰りも可能です。治療費も手術の3分の1程度と経済的負担も大きく軽減されます。ただ、痔核を除去するわけではありませんので、再発率は手術に比べ高くなりますが、再発しても再度注射できる利点があります。

 注射療法が向かないのは、内痔核の他大きな外痔核もあるもの、痔ろう・切れ痔・肛門ポリープを伴うなどの症状がある人です。安全性の点で、子供や妊婦、授乳中の女性、透析患者さんにも勧められません。

 注射療法には、医師の技術も要求されます。薬が適切な場所に届かないと、直腸の筋層が壊死し、炎症などが起きる恐れがあるからです。そのため、専門医でつくる「内痔核治療研究会」の講習を受けた医師だけが、この薬を使用できることになっています。勿論、治療には保険が適用されます。

 いぼ痔の治療を受けるのは非常に恥ずかしいこととお察しします。ジオン注 注射前そのお気持ちはよくわかります。また、いぼ痔の治療はどうしても「切って治す」痛い、痛い手術のイメージがありますので二の足を踏まれるのだと思います。そのため、長年そのままにされ苦しまれておられる方が非常に多く、なかには十数年も痔を抱えて生活の不便さを感じながらも我慢されている方もおられます。いぼ痔も普通の病気と同じで早めに治療を受けることが大切です。長年我慢されてから治療を受けた方の多くは「もっと早く治療していればよかった」と感想を述べられます。また、患者さんの中には、一大決心をし、手術を覚悟していたのに、写真に示す通り注射療法で改善してしまったと、拍子抜けされる方も多くおられます。医学の進歩は目覚しく、ジオン注 注射後このように治療方法が進展し、従来なら手術が必要ないぼ痔でも切らずに治せる機会も増えてきました。

 われわれは患者さんの立場で接し、検査や診療、治療を行っています。恥ずかしさに配慮することや体への負担が少なくなるようにいつも考えています。

 いぼ痔は1人で悩まず、お気軽にいつでもご相談下さい。


読売新聞より読売新聞 (平成18年2月12日) 抜粋

クリックしていただくと大き目の画像が表示されます










| Copyright 2007,09,01, Saturday 10:10am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

NEWEST / PAGE TOP / < NEXT   BACK >

RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACK


LINK

PROFILE

OTHER

POWERED BY

BLOGNPLUS(ぶろぐん+)