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ジェネリック医薬品 について

(この記事は2016年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



薬剤部 主任 牛嶋 麻紀

 最近では「ジェネリック医薬品」という言葉は広く世間に浸透し、よく耳にするようになりましたね。では、どんな医薬品なのかもう一度説明したいと思います。


◆どんな医薬品?

 新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に、それと同じ有効成分で製造・販売される医薬品で、新薬と同一の有効成分を同一量含み、同一の効能・効果を持つ医薬品のことです。新薬と異なる添加物が使用されていることがありますが、有効性、安全性及び品質について国が厳格な審査をして、製造販売承認をしています。

◆どうして安いの?
 
 先発医薬品の研究開発には、長い歳月と莫大な投資費用が、コストとして薬の値段に反映されています。これに比べてジェネリック医薬品の場合、既に有効性や安全性について先発医薬品で確認されていることから開発期間やコストを大幅に抑えられ、結果として薬の値段も先発医薬品と比べて安く設定することができます。

◆これからは?

 少子高齢化が進む日本では、今後も医療費の増大が予想されています。ジェネリック医薬品の普及によって、一人ひとりの自己負担や国の財政・健康保険組合の負担などの削減、ひいては高齢化社会の進展によって増大を続ける国民医療費の抑制にもつながります。厚生労働省もジェネリック医薬品の普及を都道府県や医薬品メーカー、保険者などと共に進めています。

 西陣病院でも4月より後発医薬品の導入を予定しています。わからないことがあれば、かかりつけ薬局、当院薬剤部にご相談ください。


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お屠蘇にも薬効が!

(この記事は2016年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

お屠蘇


薬剤部 薬剤師 須山 奈見子



 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
 今回は、新年ということで、「お屠蘇」について書いてみたいと思います。
 「お屠蘇」と聞くと、お正月にお酒を飲むことだろうと思いますよね。
 ところが、どうやら違うようなので、少し調べてみました。


 お屠蘇とは、「屠蘇散」という漢方薬を酒やみりんで浸けこんだ一種の薬草酒のことです。お正月にお屠蘇を飲むというのは、中国で始まったと言われています。これも諸説あるのですが、三国時代の名医「華陀」という人物によって作られた処方で、元旦にこれを飲めば邪気が払われ1年間健康で過ごすことができると言われています。日本には平安時代に伝わり、江戸時代に一般的に広まるようになりました。

 お屠蘇は、単なるアルコールではなく、薬草酒だったというわけです。

 「屠蘇散」に含まれる生薬は、多くて10種類、市販されている「屠蘇散」には一般的に、5~6種類配合されています。調合はそれぞれ微妙に異なりますが、代表的な生薬とその効能について簡単にまとめてみました。



 つまり「胃腸を健やかにし、身体を温め、風邪を予防する」という効果があるそうです。しかし、元旦の朝に一口飲むだけでは効果はほとんどありませんが、今年1年の健康を祈願する行事として続けられているのでしょう。

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薬の使用期限ってご存知ですか?

(この記事は2015年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


安田早織 薬剤部 薬剤師 安田 早織


 食べ物に賞味期限や消費期限があるように、薬にもその品質を保証する『使用期限』が決められています。
 薬は、食べ物のように目に見えて腐敗することは滅多にありませんが、時間が経つにつれて有効成分が分解され、期待通りの効果を示さない可能性が出てきます。


薬

 市販薬の使用期限は製造から3年が目安になっています。通常、外箱・容器等に使用期限が記載されています。ただしこの使用期限は未開封のものであり、個包装されていない瓶入りの錠剤は開封後約半年、目薬は開封後約1ヶ月の間の使用にとどめるのが賢明です。

 使用期限を過ぎた薬や、いつ開封したかわからない薬は処分しましょう。1年に1回は救急箱の中身を点検して、整理することをお勧めします。


薬

 薬局や病院でもらった薬は、ほとんどの場合、使用期限の記載はありません。通常3年とするものが多いですが、なかには2年、半年といった短い期限のものもあります。

 湿気や光に弱い薬は、外装のアルミ袋から外せば使用期限内でも薬効が弱まってしまいます。特に、薬局で何種類かの薬を袋詰め(一包化)されたものは、一度開封されているため注意が必要です。湿度・温度(30℃以下、できれば15℃以下)に注意し、直射日光を避けて、乾燥剤を入れた缶等に保管しておくことをお勧めします。

 また、以前と同じ症状だから、前に処方された薬の残りを飲もうと、自分で判断することはとても危険です。症状は同じでも、その病気の原因が全く違うということもありますので、薬の調剤年月日から投与日数分までが薬の有効期限と考えるのが賢明です。

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便秘について

(この記事は2015年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

便秘


薬剤部 薬剤師 辻 芙美


 便秘でお困りの方、多いのではないでしょうか。
 多くは、水分や食事摂取不足、ストレスなどにより腸の動きが低下することで生じます。しかし、がんやポリープなど腸の病気が原因となることもあり、血便や激しい腹痛、嘔吐を伴う場合は早めに受診することが大切です。また、薬の影響で便秘を生じる事があり、コデインリン酸塩を含む咳止めや、抗うつ薬、抗パーキンソン病薬、鉄剤、降圧剤(カルシウム拮抗薬)などが挙げられます。


◆便秘の予防

 生活習慣の見直しが重要です。3食規則正しく食事をとり、水分や食物繊維を十分とるようにしましょう。腸内環境を整えるため、乳酸菌を含むヨーグルトや納豆などの発酵食品を摂取することもお勧めです。また、適度な運動を心がけましょう。

 そして何より、我慢しないこと。便意をもよおした際はすぐにトイレに行くようにしましょう。


◆下剤について

 症状や目的によって使いわけます。

 酸化マグネシウム、マグミットは便に水分を含ませて軟らかくし、カサを増すことで腸運動を高めます。便が少量で硬い場合に良いでしょう。耐性を生じにくく、排便習慣をつける際にも効果的です。しかし、腎機能が低下している人は、マグネシウムが溜まりやすくなるため、注意が必要です。

 センノサイド、ヨーデル、ラキソベロンは腸を刺激して便を出しやすくします。便意が弱い、腸の動きが鈍いなどの場合に良いでしょう。しかし、腸を直接刺激するため、腹痛を伴うことがあります。また、耐性を生じやすく、連用により薬の量が増える可能性があり、便秘時のみ服用するなど、短期間の使用に留めるようにしましょう。

下剤 アミティーザは小腸での水分分泌を促進し、便を軟らかくします。副作用が少なく、腎機能が低下した人にも比較的安全に使用できますが、空腹時では吐き気が現れやすいため、食後に服用するようにしましょう。

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湿布薬の種類

(この記事は2015年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



薬剤部 薬剤師 宇野 葵


 肩こり、腰痛、筋肉痛など私たちの生活のあらゆる場面で使用することのできる湿布薬。慢性的な痛みがある方は、日々使用していることも少なくないと思います。


   湿布薬は、主にパップ剤とテープ剤に分類することができます。

湿布薬


   またパップ剤には温感タイプと冷感タイプがあり以下のように使い分けられます。



 湿布薬は市販薬でも多数種類があり、また貼るだけという手軽で身近な薬です。しかし、薬に副作用はつきもの。含まれる成分に対して、アレルギーを起こして発疹が出ることがあります。貼っただけで症状が出るアレルギー性のかぶれと、貼った部分に紫外線が当たることで症状が出る光線過敏症があります。

 かぶれを予防するために、傷口や湿疹・発疹のある皮膚には使用せず、長時間貼ったままにしないようにしましょう。

 光線過敏症は、消炎鎮痛成分「ケトプロフェン」という成分が原因でなりやすいと言われています。貼っている間だけでなく、はがした後も成分が残っている可能性があり、少なくとも4週間は注意する必要があります。
 
これから紫外線が強くなり、薄着になる季節です。天候に関わらず、戸外に出る時は濃い色の服を着るか、サポーター等を着用し、紫外線が直接当たるのは避けるようにしましょう。


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