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明けましておめでとうございます

(この記事は2014年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


葛西先生 内科部長・消化器内視鏡センター長 葛西 恭一


 当院は、日々進歩する消化器診療や患者様のニーズに応えるべく、2012 年4月より消化器センターおよび消化器内視鏡センターを立ち上げました。消化管疾患、肝胆膵疾患を消化器内科・消化器外科が密に連携をとりながら幅広く診療しております。本年の当院における消化器診療の展望と抱負を述べさせていただきます。 

 近日超音波内視鏡装置を導入する予定です。従来診断が困難であった消化管粘膜下腫瘍や膵癌の組織診断が可能となり、治療法の決定に重要な役割を果たす機器であると期待しております。

 本年夏には、C 型慢性肝炎に対するインターフェロンを用いない治療法が登場すると言われております。副作用等の理由でインターフェロンが投与できない患者様にも治療の可能性が広がる年となることでしょう。

 胃の腫瘍に対しては、消化器外科・消化器内科合同で行うLECS(腹腔鏡内視鏡合同手術)という術式を積極的に取り入れており、より確実で負担の少ない治療法を行えるよう日々努力しております。

 我々は、機器の整備や最新の治療法に対する積極的な取り組みを行うと共に、患者様の立場に立った人間味のある消化器診療を引き続き提供していきたいと考えております。

 本年もよろしくお願いいたします。


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安全 安心 よりよい術後

(この記事は2013年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


麻酔科 部長 中川 博美


 明けましておめでとうございます。西陣病院に赴任させていただいてから早15 年が過ぎ、現在では麻酔科医師は3 名に増加し、昨年は当初の3.5 倍以上の850 件を超える手術が麻酔科管理の下で行なわれました。地域柄、手術を受けられる方の約3 分の2が高齢なため、手術の対象となった単一の疾患で受診される方はごく稀で、高血圧・糖尿病・脳梗塞・心不全・腎不全など様々な疾患を抱えていらっしゃる方がほとんどです。麻酔と全身管理で手術を受けておられる方の安全を守る麻酔科が慎重な麻酔・全身管理を心掛けることはもちろんのこと、適切な術前評価を行手術前から積極的に周術期管理に関与することがますます重要となってきています。幸い、近隣の先生方の温かいご支援と院内の各診療科間の綿密な連携、そして、コメディカルの迅速な協力によるきめ細かいチーム医療に支えられ、高齢・重症な方の麻酔・周術期管理もより安全に行うことができるのも、多くの皆様方のおかげと深く感謝申し上げます。

 近年、麻酔薬や麻酔関連機器の進歩だけでなくEvidence basedmedicine( EBM)の発展により、麻酔が手術の短期のみならず中・長期予後にも影響を与えることが解明され、より安全でより適切な麻酔・周術期管理の指標が明らかになりつつあります。当院でも、術後の早期回復に寄与するといわれている超短時間作用型麻酔薬や術前経口補水療法などを積極的に取り入れ、手術予後の向上を目指しています。また、かつては微妙な針先の感覚のみにたよっていた末梢神経ブロックも、今や超音波ガイド下により安全かつ確実に施行できるようになり、全身状態の芳しくない方の手術の際にも威力を発揮するようになってきました。加えて、今後ますます増加が予想される高齢な方の手術予後の改善に向けて、麻酔科の術前評価の重要性を検証する取り組みも始めました。

 よりよい術後を目指して、これらの新しい麻酔・周術期管理に関する知識と技術の習得のため日々研鑽を重ね、その結果を検証し、高齢・重症な方でも安心して安全に手術が受けられるように微力ながら力を尽くして参りたいと存じます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。


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新年のごあいさつ 平成二十五年 元旦

(この記事は2013年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


伊谷先生 西陣病院 院長 伊谷 賢次

 明けましておめでとうございます。

 皆様には、さわやかな新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。また、昨年中、当院に賜りました数々のご厚情とご支援に対しまして、職員一同心より御礼申し上げます。

 昨年は政治の混迷、さらに経済不況の深刻化により国民の生活はもとより福祉医療の取り巻く環境も厳しいものとなりました。このような厳しい状況でも、当院の目指すべき目標は変わらず、設立当初からの基本方針である、地域に密着した良質な医療をさらに高いレベルで提供することにあります。そのためには、ハード面、ソフト面ともさらに充実させなければなりません。

 ハード面では、平成20 年に本館増改築、西館の改修工事を終了し、今日の患者様のニーズに十分お応えできる療養環境を確保することが出来ました。しかし、外来部門が手狭になり、外来化学療法室の拡充、外来面談室・診察室の拡充、透析室の拡充などが必要となり、昨年10月より管理棟(北館)の建設に着工しました。今年3月末には竣工予定で、以後、随時外来部門の改修を行う予定です。また、昨年11月より電子カルテも導入しており、スムーズな外来診療が行えるまでにはもうしばらくご不便をおかけしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 ソフト面では、今後もさらに診療体制を充実させ専門性の高い急性期病院を目指します。昨年4月より循環器部門、消化器部門、消化器内視鏡部門をセンター化しました。今年2月には消化器内視鏡機器は最新機種に一新しますので、より精度の高い内視鏡検査・治療を受けていただける消化器内視鏡センターを目指しております。各部門はセンター化などして診療レベルの向上を目指しますが、合併症の多い患者様が安心して安全で高度な医療を受けていただけるには各科医師の連携はもちろん看護師をはじめ、すべての医療スタッフのチームワークが必要です。職員全体が、患者様を主体に考え、良質な医療を提供するためにスタッフ一人ひとりが役割と責任を自覚して努力していきますので、今年一年、さらなるご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

平成二十五年 元旦


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新年を迎えて-「健康寿命」を考える

(この記事は2013年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


柳田先生 副院長 柳田 國雄


 明けましておめでとうございます。地域の皆様におかれましてはお健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。一昨年3月に発生した東日本大震災とそれに続く原発事故は多くの犠牲者を出し、エネルギー問題や経済の停滞、政治の混迷とも相まって、今なお私たちの心に暗い影を落としています。そんな中少しでも地域住民の方々や地域の開業医の先生方のお役に立てるよう、当院も頑張ってまいりました。昨年5月には、64 列マルチスライスCT 装置を更新し、画質を低下させることなく被ばく線量を低減して撮影できるようになりました。また、10月には管理棟(北館)の新築工事に着工し、11月には電子カルテの稼動を開始いたしました。いずれも、当初は皆様に多少のご迷惑はおかけするかと思いますが、より良い医療・診療のため前へ前へと進めていきたいと思っております。

 『いつまでも元気で長生きしたい』-それは誰もの願いです。日本は「平均寿命」が世界トップレベルの長寿大国で、2010 年の平均寿命は男性79.55 歳、女性86.30 歳です。しかし、最近「健康寿命」という言葉が注目されています。健康寿命とは『健康で支障なく日常の生活を送れ、介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して生活できる期間』のことです。厚生労働省の算出では、2010 年は男性70.42 歳、女性73.62 歳でした。両寿命の差は、男性9.13 年、女性12.68 年ということになり、この期間は日常生活に差し障りのある期間ということになります。本人にとっての生活の質が低下し、これを支える家族も大変なこの期間をサポートすることも当院の重要な使命と考えていますが、健康寿命の延び幅が平均寿命の延び幅を上回るようにすることへの努力もさらに大事なことと認識しています。そのためには、生活習慣病の発症予防や重症化阻止が大事と考え、当院でもチーム医療として、糖尿病、高血圧、脂質異常症、慢性腎臓病、骨粗鬆症などの疾患の啓蒙・予防・治療にさらに力を注いでいきたいと考えています。

 地域に密着した良質な医療の提供、患者様の権利(思い)を尊重した医療の提供、職員に働きがいのある職場環境の提供という当院の
基本方針を常に大事にして、スタッフ一同さらに精進してまいりたいと思いますので、本年も何卒よろしくお願いいたします。


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新年のごあいさつ

(この記事は2013年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


山川先生 画像診断センター長 放射線科 部長 山川 稔隆

一昨年の東日本大震災に続発した福島第一原子力発電所事故以降、医療被ばくに対する意識が高まっています。西陣病院では平成24 年5月に低被ばくに対応した新しいCT 装置(フィリップス社製Ingenuity core)に更新しました。従来の装置ではフィルタ補正逆投影法(FBP)を用いて画像をつくっていましたが、撮影時の放射線線量を下げるとノイズが増加し、画質が劣化するという性質があったため、被ばくを低減することが難しい状態にありました。それに対し、この新しい装置では画像構成法として逐次近似再構成法(iDose4)を用いており、低線量で撮影してもノイズを大幅に抑え、画質を維持できるようになりました。実際の被ばく線量は、患者様の体格、撮影部位、造影の有無などにより変わってきますが、平均すると従来の装置の60%程度の線量で撮影可能となり、検査による被ばくを大きく低減することができました。また新しいCT 装置ではコンピュータの頭脳部分であるCPU(中央演算処理装置)も高速化され、検査待ちの時間や、検査時間そのものも短くなり、患者様にとってより優しい検査となっています。

 画像診断センターでは平成25 年度に富士フイルムメディカルによる地域医療連携サービス、C@RNA(カルナ)の導入を予定しております。地域の開業医の先生方と西陣病院との間でネットワークを構築し、検査予約、検査画像配信、読影結果閲覧をすべてオンラインで即時に行うという最新のシステムです。従来のようにそのつど電話で予約していただかなくても、患者様と先生とがインターネットにつながったパソコンの前でご自由に検査予約をしていただけますし、また画像と診断レポートもこれまでのようにお手元に届くまで時間がかかることなく、すぐにパソコンにダウンロードできます。なお電話予約、フィルムやCD-Rでの画像の提供も従来通り行わせていただきますのでご安心下さい。

 西陣病院画像診断センターでは今後も地域の皆様方、開業医の先生方のお役に立てますよう、職員一同がんばって参りたいと思っております。本年もなにとぞよろしくお願いいたします。


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