診療に関すること::薬剤部
そろそろお花見の季節ですね
(この記事は2014年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)
薬剤部 薬剤師 須山 奈見子
日本を代表する花と言えば、やっぱり「桜」ですよね。日本書紀にもその名が見える桜は、古くから私達日本人にとって、無くてはならない最も愛すべき花の一つです。実はこの桜にも薬効があるのをご存知ですか?
最も広く知られているのは、咳止めです。桜の樹皮のエキスである桜皮エキス(ロウヒエキス)は、現在でも、咳止めに含まれています。
桜皮は江戸時代には民間療法として様々に応用され、食中毒、蕁麻疹、腫れ物などの皮膚病の治療、また解熱、解毒、排膿、咳止めとして知られていました。また、葉に含まれるクマリン配糖体が分解されると芳香物質が生じますが、これが桜餅の独特の香りです。
八重ザクラの花にも桜皮と同じ成分が含まれていて、お酒に漬けて飲用すると、のどの痛み、美容やリラックス効果があると言われています。
最近スーパーなどで目にする“桜茶” は桜の花びらで作ってありますが、桜の花びらのクマリンという成分は、二日酔いにも良いとされています。
桜の樹皮を煮出した桜湯には、湿疹、打ち身などの炎症を抑える働きがあります。花びらを一緒に浮かべれば風雅な春の趣も楽しめますね。
| Copyright 2014,03,01, Saturday 12:00am administrator | comments (x) | trackback (x) |