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日本列島 ”食” めぐり「広島県」

(この記事は2017年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



 栄養科 管理栄養士 安井 裕香


◆全国各地の特色ある料理や名物をご紹介していきます。

広島県



~美酒鍋~
 広島県の西条町で、蔵人のまかない料理として親しまれている料理です。蔵人が酒造りの作業の合間に食べても利き酒に影響が出ないよう、味付けには砂糖・醤油を使用せず、日本酒・塩・こしょうだけを使用したあっさりとした風味が特徴です。蔵人は作業服がビショビショになることが多い為、“びしょ”と呼ばれ、その蔵人が食べることから「びしょ鍋」と呼ばれるようになったと言われています。また、本来は鉄板で焼きながら日本酒を足していく鉄板料理の為、加熱によりアルコール分が抜けるので、子供やお酒が飲めない人でも食べられます。

●美酒鍋


1人分:
エネルギー365kcal
たんぱく質18.7g
塩分2.7g
材料 (4人分)
  
作り方

(1) 鶏もも肉・厚揚げ・白菜・人参・白ねぎ・ピーマンは加熱し易い食べやすい大きさに切る。こんにゃくは一口大にし、熱湯で3~5分下茹でしておく。にんにくは薄切りにする。
(2) 鍋にごま油とにんにくを入れて弱火で炒め、香りが出てきたら、鶏もも肉を入れ、塩、こしょうをふる。
(3) 野菜・こんにゃく・厚揚げを重ね入れ、ふたをして野菜がしんなりするまで温める。
(4) 強火にして、具材を炒りつけるようにし日本酒を加え、水分が蒸発したら出来上がり。
 鶏もも肉300g
 厚揚げ1枚
 白ねぎ1本
 白菜1/4株
 もやし1袋
 ピーマン2ヶ
 人参1本
 椎茸4枚
 こんにゃく1枚
 にんにく1かけ
 ごま油大さじ2
 塩小さじ2
 こしょう適量
 酒300ml~400ml
※すき焼きのように溶き卵につけてたべることもあるようです。
※鶏もも肉以外にも豚バラ肉や砂ずりを入れるとおいしいです。



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現代のミルク・アルカリ症候群について

(この記事は2017年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



 内科 医長 平野 央


 20世紀初頭、胃潰瘍に対しては牛乳とマグネシウム製剤とを一緒に飲むという治療が行われていました。マグネシウム製剤の胃酸を中和する作用に加えて、牛乳により粘膜を保護して栄養をつけるという理論から考案された治療法です。しかしその治療法を受けた患者さんの中で、高カルシウム血症による嘔吐や意識障害を発症する場合が散見されるようになりました。
 

 マグネシウムが過剰に体内に入ることにより、副甲状腺ホルモンの分泌が低下し、それにより腎臓からの重炭酸イオンの再吸収が増えてアルカリ血症となります。その結果、カルシウムの吸収が増加し高カルシウム血症にもなります。

 高カルシウム血症は腎輸入細動脈を収縮させて糸球体濾過量を低下させ、さらに多尿による循環血液量低下が生じ、急性腎障害を引き起こします。

 このような機序により、高カルシウム血症やアルカローシス、急性腎障害が生じミルク・アルカリ症候群とよばれていました。

 PPI ※の登場により、こういった治療は行われなくなりミルク・アルカリ症候群は過去の病気となったと思われましたが、現代のミルク・アルカリ症候群とよばれる病態が出現しています。それは、骨粗鬆症に対して投与される活性型ビタミンD 製剤やカルシウム製剤にサイアザイド系の利尿薬を併用した場合で、このような場合も高カルシウム血症やアルカローシス、急性腎障害を認めることがあります。
 
 また、カルシウムを上昇させる薬剤を服用している患者さんに、便秘に対して大量のマグネシウム製剤を同時に処方した場合、同様の病態が起こり得ます。


 通院中の患者さん、特に複数の医療機関を受診し骨粗鬆症や高血圧の治療中に急性腎障害を認めた場合、しっかりと内服薬を確認することが大切です。


※PPI(プロトンポンプ阻害薬)は胃の壁細胞のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制するお薬です。


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なかなか治らない傷は創傷外来へ

(この記事は2017年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



皮膚・排泄ケア認定看護師  多氣 真弓


 なかなか治らない傷には原因があります。糖尿病がある、血管が詰まっている、足がむくんでいる、特殊なやけど、床ずれ、適切な管理ができていないなどがあげられます。創傷外来は、さまざまな分野の専門家が集まって、原因を調べて治療を行います。

 対象となる傷は、床ずれ、静脈うっ滞性下腿潰瘍、糖尿病性足病変、重症下肢虚血などです。皮膚科医師は傷の状態によって、外用薬や創傷被覆材を用いて傷の治療を行います。必要に応じて、糖尿病内科、循環器内科、整形外科医師とも連携をとります。治療と同時に皮膚・排泄ケア認定看護師(傷の専門の看護師)が在宅や施設での傷の手当の方法や管理指導を行います。また、体圧分散用具や介護用品を紹介したり、ケアマネージャーやソーシャルワーカー、院外施設の看護師とも連携して、傷の管理ができる環境を整えます。

 傷によっては、新しい治療法(陰圧閉鎖療法)を行うこともあります。陰圧閉鎖療法は、傷を閉鎖して、器械を用いて陰圧状態を保つことで、傷への血流を増したり、滲出液のコントロールを行うことで、傷の治りをよくするものです。創傷の種類や基礎疾患によって使えない傷もありますが、週2 回の通院で3 週間行うことができます。

 創傷外来は、第1, 3火曜日14:00~予約制で行っております。
治りにくい傷でお困りの方は、皮膚科外来までお気軽にお尋ねください。


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フットケア外来の紹介

(この記事は2017年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


フットケア外来


  糖尿病看護認定看護師  立山 一美




 当院では昨年10 月より、看護師によるフットケア外来をはじめました。
 近年食生活の欧米化など生活習慣の変化を背景に、糖尿病患者さんは増加の一途を辿っています。糖尿病で血糖値が高い状態が長く続くと、糖尿病の3 大合併症のひとつである神経障害や、動脈硬化などが起こります。また、高血糖の状態はからだの抵抗力を落とすため、細菌感染がおこりやすくなります。さらに、糖尿病の合併症である糖尿病網膜症などにより視力が低下してくると、傷などの足の変化に気づきにくく、放置したまま足潰瘍や壊疽などの重大な病変(糖尿病足病変)に進行してしまうことがあります。大切な足を守るためには、血糖値を良好にコントロールするとともに、ご自身の日々のお手入れ(フットケア)が足病変予防のカギになります。ご自身の足の状態を知り、その状態に合わせた方法で手入れをしていくことが大切です。糖尿病を持つ患者さんが、足のトラブルを防いで、いつまでもご自身の足を守っていけるよう、看護師がそれぞれの患者さんに適した日々のお手入れ方法を一緒に考え、ご自身でケアできるようにお手伝いさせていただきたいと思います。ご希望の方は、主治医にお尋ねください。お待ちしております。



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看護の日2017年

(この記事は2017年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



看護部 兵頭 美香子




 今年も、7月29日(土)に「ふれあい看護体験」と「ふれあい健康相談」を開催しました。

 「ふれあい看護体験」では、3名の高校生が、食事介助、手浴などを、看護師と一緒に実施しました。患者さんから「頑張って勉強してください」と励まされ、とても嬉しかったとの感想も聞くことができ、充実した一日だったようです。


 また、「ふれあい健康相談」に外来患者さんや付き添いのご家族の方、計17名の方がご参加下さいました。血圧測定や身体計測、介護相談、熱中症や食中毒の話、皮膚の潤い度チェックとスキンケアを行いました。半日という短い時間でしたが、皆様と楽しい時間を過ごすことが出来ました。どうもありがとうございました。これからも、地域の方々とふれあう場としてこのようなイベントを企画して参りたいと思います。



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