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UPD System -内視鏡挿入形状観測装置-

(この記事は2011年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


竹中先生 内科 部長 竹中 信也

 今回は新しく西陣病院に導入された、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)のシステムをご紹介します。

 それは、UPD(内視鏡挿入形状観測装置)、通称:コロナビです。
 このシステムは、大腸カメラが大腸の中でどのようになっているのかを、X線(レントゲン)を使うことなく、見ることができるシステムです。(図1)
 カメラの挿入形状を3次元的に表示。内視鏡に内蔵された十数個のコイルから発生する磁界を挿入形状観測装置にて受信し、リアルタイムで挿入形状を表示します。(図2)
 UPDは、従来の挿入形状を表示する手段として活用されていたX線と比較し、磁界を利用しているため、術者、介助者、患者様の被曝が無くなるばかりではなく、リアルタイムの3次元的なカメラの挿入形状の表示により、スムーズな内視鏡の挿入をサポートするため、患者様の負担の軽減も期待できます。
 しかし、今後も従来からのX線透視室での大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を平行して行います。ただし、挿入困難が予想される症例、ポリープを切除する症例、造影剤を組み合わせる症例などを中心に行なっていきます。これにより検査の待ち時間もかなり短縮されると予想しています。
 西陣病院では、近年増加し続けている大腸疾患(大腸ポリープ、大腸癌、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎、大腸憩室等)、それに伴い増加する大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の件数に対応すべく、UPDを新たに導入しました。
 みなさんも、主治医に大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を勧められた時には、臆することなく是非受けてみて下さい。

図1図2_UDP図2_X線
図1図2 UDP図2 X線


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心腎疾患 -腎臓と心臓の関係について-

(この記事は2011年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


小山先生 腎臓・泌尿器科 医長 小山 正樹

 さまざまな原因で腎臓の働きが徐々に悪くなる病気を慢性腎臓病(CKD)といい、日本では、成人の25人に1人は慢性腎臓病の疑いがあると言われています。腎臓病が進行すると末腎不全へと進行し、透析治療が必要となります。これまで、慢性腎臓病の終末像は末期腎不全、透析療法であるとみなされていましたが、ところが、透析にいたる前に心筋梗塞、脳卒中などの心血管疾患(CVD)を高率に発症することが判ってきました。慢性腎臓病は、①蛋白尿などの検尿異常、②糸球体濾過率(GFR)60㎖/分/1.73m2と定義されています。慢性腎臓病の患者様は腎機能低下が無い患者様に対して、心血管疾患による死亡リスクは男性で3倍、女性で4倍ものリスクが高まります。

 高血圧、糖尿病、高脂質血症、肥満などのメタボリックシンドローム、喫煙が慢性腎臓病発症の原因ですが、これらは心血管疾患発症の原因でもあります。これらの生活習慣病と加齢が原因となった血管病変が腎臓にきたものが慢性腎臓病でありますし、心臓・脳血管にきたものが心血管疾患であります。ゆえに慢性腎臓病と心血管疾患が密接に関連しています。また、慢性腎臓病の進行とともに貧血、高血圧、カルシウム・リン・カリウムなどの電解質異常、尿毒症物質の増加により、血管内皮機能障害を引き起こし、動脈硬化の進行を認めます。よって慢性腎臓病により、さらに心血管疾患の発症が高まります。

 心血管疾患の予防のためにも慢性腎臓病の積極的な診断および治療が必要になります。慢性腎臓病患者様の高血圧は、食塩感受性であることから、塩分摂取量により大きく変化します。そのため、慢性腎臓病患者様では、高血圧・心血管疾患のためにも塩分摂取量を6g/日以下に制限することが非常に重要であります。血圧は130/80㎜Hg 未満を目標とします。尿蛋白が1g/日以上の場合には、さらに125/75㎜Hg未満まで下げる必要があります。24時間にわたる安定した降圧をめざすためにも、家庭血圧の測定が奨められます。慢性腎臓病治療の食事としては、蛋白制限が挙げられます。蛋白制限により慢性腎臓病の進展を防止することが知られていますので、1日に0.6~0.8g/kg×体重まで制限することが重要です。

 生活習慣としては、喫煙は慢性腎臓病、心血管疾患ともに進行を進めますので、出来る限り禁煙されることをお薦めします。

 心血管疾患を予防するためにも、早期に腎障害を発見し、治療を行うことが非常に重要であります。慢性腎臓病と診断された患者様は心機能の検査、心血管疾患と診断させた患者様は腎機能の精査をお薦めいたします。当院での慢性腎臓病の3泊4日の教育入院では、腎機能のみならず心機能検査も合わせて行っておりますので、こちらを利用していただくことも一考かと思います。心腎疾患

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花粉症のおはなし

(この記事は2011年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤科 佐藤 加奈スギ花粉
 今年も、花粉症の季節がやってきました。

 日本気象協会による2011年春の花粉(スギ・ヒノキ科)の飛散予測では、ほとんどの地域では例年より多いか例年並とのことですが、花粉の飛散数が少なかった2010年春に比べると、近畿地方では10倍以上になる所があると予想されています。

 花粉症の4大症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみですが、人によっては、頭痛・体がだるい感じ・イライラ感など、さまざまな症状がでることもあり、意欲が低下して日常生活にまで支障をきたすことがあります。

 現在のところ花粉症を完全に治す薬はなく、症状を軽くするための飲み薬や点眼薬・点鼻薬などが使われます。花粉が飛び始める1~2週間前から病院で飲み薬を処方してもらい、シーズン中続けて服用することで症状を軽くすることができます。しかし、このような薬の中には副作用で眠くなったり、知らず知らずのうちに集中力や判断力が低下するものがあるので、車の運転をされる方などは注意が必要です。また、のどが渇く・便秘になるといった副作用がでることもあります。この副作用は花粉症の薬だけでなく、睡眠薬や心臓の薬・市販の風邪薬や胃腸薬などにもあるので、服用中の薬があれば医師や薬剤師に相談して下さい。

 花粉症の予防には、外出時のマスクやメガネなどを使用することで原因となる花粉を避けるとともに、ストレス・睡眠不足・疲労などを取り除く事が大切です。規則正しい生活を心がけましょう。花粉症

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こんにちは 訪問看護ステーションです

(この記事は2011年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


訪問看護ステーション西陣 所長 加藤 小津恵


 病気や障害をもっていても、住み慣れた家で自分らしく過ごしたいと思っている方は沢山いらっしゃいます。近年、科学や医療技術の進歩により、在宅で使用できる医療機器も増え、従来では在宅療養は難しいとされていた状況でも、自宅での療養生活が可能となりました。今後、益々在宅医療は求められていくと思われます。訪問看護

 自宅で療養したいと考える方たちのニーズにこたえるために大切な役割を果たすのが訪問看護師です。『訪問看護』とは、文字通り、在宅療養生活を送っておられる方々のご自宅に訪問し、必要な看護や医療処置を行うことです。私たち訪問看護師は、病院から在宅療養へ移行する準備や、在宅療養上の問題についての対策を立て、健康管理ができるようにサポートしています。また、利用者様の緊急事態の対応や、医師や介護専門職と協働し、利用者様に応じた各種サービスの提案を行なっています。そして、人生最期の時をご自宅で迎えることを望まれる方の看取りも私たちの役割です。

 そして、看護や介護が必要なご本人はもちろんのこと、そのご家族も安心して在宅での療養生活が送れるように、私たち訪問看護師が支援させていただきます。私たちは一人ひとりの生き方、その人らしさを尊重した看護サービスの提供に努め、利用者様やご家族の思いに寄り添い、療養者、医療、介護の架け橋としての役割を果たしていきたいと思います。

 私たち訪問看護師は、人との「出会いは宝」という想いを胸に今後も精進してまいります。


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鉄 -貧血を予防-

(この記事は2011年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 小笹 清香


鉄の1日の摂取基準量( 成人の目安)
男子 7.5mg 女子(月経あり) 10.5mg/(月経なし) 6.5mg

鉄を多く含む食品(食品中の鉄はヘム鉄と非ヘム鉄に分類されます)

鉄を含む食品

食べ方のヒント
吸収されにくい非ヘム鉄もビタミンCの多い食品と
一緒に食べることで吸収されやすくなります!
ビタミンCの多い食品… ブロッコリー、小松菜、ほうれん草、レモンなど
おすすめレシピ
●かつおの味噌マヨ焼き
材料 (1人分)
作り方
(1) 味噌・マヨネーズ・生姜汁を混ぜ合わす。
(2) フライパンにごま油を熱し、かつお切り身を両面焼き、(1)をからめる。
(3) 添えのかぼちゃは馬蹄型に5mm幅に切り、フライパンにサラダ油をひいて弱火でじっくり火を通す。ほうれん草は茹でて2cm幅に切り、かぼちゃの焼きあがったフライパンの中に加え、軽く炒めて塩を振る。
(4) 皿に(2)のかつおと(3)の添え野菜を盛りつける。
かつお切り身1切れ
淡色辛みそ8g
マヨネーズ8g
生姜汁2g
ごま油2g
(添野菜)
かぼちゃ30g
ほうれん草40g
サラダ油1g
少々
一人分
エネルギー 232kcal
タンパク質 17.3g
塩分 1.5g
鉄 2.3mg


鉄のはたらき
  • 血液中の赤血球内のヘモグロビン(=酸素を運搬する)の成分になります。
  • 骨髄・脾臓・肝臓に貯蔵鉄として蓄えられます。

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