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亜鉛

(この記事は2010年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

栄養科 管理栄養士 今井 文恵

 亜鉛は体内で合成されないので食品と料理で積極的に摂るようにしましょう。
 体内でつくることができないので、食事から毎日摂取するようにしましょう!

1日摂取量の基準:推奨量
成人男性:11~12㎎ 成人女性:9㎎

おすすめ食材
亜鉛を多く含む食品は、牛肉、鶏肉、レバー、帆立貝、豆腐や納豆など。そしてなんといってもかき。
かきは大粒のものなら1つで、1日の必要量を軽くクリアすることができます。また、ビタミンCやクエン酸は亜鉛の吸収を助けてくれるのでレモンなど柑橘類の汁やくだものと一緒に摂ると効果的です。

かき 小2個(70g)
9.2㎎
牛もも肉 80g
3.5㎎
鶏レバー 60g
2.0㎎
ホタテ貝 70g(2個)
1.9mg
高野豆腐 20mg
1.1mg
納豆 50g(1パック)
1.0mg
献立例
●かきのココット
材料 (2人分)
作り方
(1) かきは塩水でふり洗いし、真水に放し水気をきり、レモン汁をふりかける。トマトは皮をむき、種を除いて7㎜角に切る
(2) ココット皿に①のかきを入れてトマトをのせ、マヨネーズをかけ、粉チーズとパセリをふる。
(3) オーブントースターに入れ、約5~6分焼きめがつく程度に焼く。
生がき
トマト
マヨネーズ
粉チーズ
パセリ(みじん切り)
レモン汁
6粒
1/2個
大さじ3
適量
適量
適量
一人分
エネルギー 191kcal
タンパク質 8.5g
亜鉛13.4mg 塩分0.7g

●牛肉の包み焼き~レモン醤油~
材料 (2人分)
作り方
(1) 牛肉はaに20分間漬け込みます。
(2) 人参は太めの千切りに、えのきは根元を切ってきれいに洗い適当に分けておきます。オクラは塩で板ずりして、熱湯で色よくゆで、大きければ2つに切ります。
(3) アルミ箔にサラダ油をぬり、(1)と(2)、輪切りのレモンをのせて、空気を入れないように包みオーブンで焼きます。(250℃で約8分)
(4) レモン醤油はbを合わせ、輪切りレモンを加えておきます。
(5) 焼きあがれば器に盛り、(4)のレモン醤油を添えます。
牛もも肉 160g
a
濃口醤油

しょうが汁
大さじ1/2
大さじ1/2
小さじ1
レモン
人参
えのき
オクラ
輪切2枚
1/8本
1/4パック
2本
b
レモン汁
濃口醤油
レモン
大さじ2
大さじ1/2
輪切2枚

一人分
エネルギー 206kcal
タンパク質 17.2g
亜鉛3.6mg 塩分1.1g

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『京の里山 丹波紀行』 -写真展示に癒されて-

(この記事は2010年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

本館3階 科長 三宅 加代美


 西陣病院では、平成19年から一部の病棟で本院の患者さまでもあった、福井章二さん・千鶴子さん夫妻のご厚意で写真を展示してまいりした。写真は患者さま、ご家族、病院スタッフにも好評のため、今年の4月からは、『京の里山 丹波紀行』をテーマに院内の各階2点ずつ計25 点の写真を展示しています。
展示写真
 写真には、かやぶき民家や棚田、草花、桜や鯉のぼりなど季節を感じる京都市北部の風景が写っています。病棟では、入院中の患者さまが歩行訓練の合間に足を止めて眺められたり、面会の方と一緒に写真を見て話をされる姿を良く見かけます。

 入院されている患者さまは、病気になり気が滅入っていたり、入院期間が長くなり外の景色にふれられずストレスが溜まっている患者さまも多いです。病院という非日常な空間では、田舎の風景や草花などの写真は心が和み癒されます。

 看護スタッフも地方出身者が多く、患者さまと一緒に足を止め写真を見たり、夜勤の合間のふとした時に写真をながめ、遠い田舎の風景や家族を思い懐かしく感じています。

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インフルエンザワクチンのはなし

(この記事は2010年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤科 主任 森本 卓志


 この西陣病院だよりが発行される頃は、まだまだ残暑きびしい日が続いている事と思います。インフルエンザワクチンの話は、少し季節的に早い?ような気がしますが、実はインフルエンザワクチンの事は年中どこかしこで話題となっているのです。この原稿を書いている7月にこの冬に使用されるインフルエンザワクチンの内容が決定しました。(例年は5~6月頃に決定しています)

☞ ワクチンはいつからある?

 インフルエンザワクチンは1943年にT・フランシスというアメリカ人によって開発され、日本では1948年頃から接種が開始されているようです。

☞ ワクチンの中身は?

 毎冬流行に大きくかかわるインフルエンザの型にはAソ連型、A香港型、B型の3種類があり、ここ何年もこの3種類に対するワクチン(季節型インフルエンザワクチン)が使用されてきました。しかし、昨年は新型インフルエンザが流行したため、余分に新型用のワクチンを接種した方も大勢いたことと思います。今年の冬に使用するワクチンは従来の季節型ワクチンの中に新型用のワクチンが入っているため(新型、A香港型、B型の3種類が入っています)、1回の接種で済むようになっています。

☞ ワクチンの中身は誰が決める?

 世界的にはWHOの専門家会議で選定され、それを受け国立感染症センター等の専門家が前年の流行状況などをみて最終的に決められます。

☞ ワクチンの効果は?

 ワクチンを接種すれば、インフルエンザにかからないといった誤解がありますが、ワクチンはあくまでも「かかりにくくする」「かかっても重症化を防ぐ」為のものです。成人では、45%の発病を防ぎ、80%の死亡を防ぐという報告があります。

☞ ワクチンの副作用は?

 ワクチンの副作用は、接種した部位の腫れや赤み、熱がでたり全身がだるくなったり(ワクチン接種によってインフルエンザになったわけではありません)といった症状が比較的多くみられます。また、アレルギー反応や、因果関係がはっきりしていませんがその他重い副作用があります。

☞ 今年のワクチン接種は?

 今年も西陣病院ではインフルエンザワクチン接種の実施を予定しています。しかし現段階では、接種開始日や方法など未定となっています。詳細が決まり次第、お知らせする予定となっています。

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「看護の日」イベントの紹介

(この記事は2010年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

看護部 教育担当科長 矢野 美香子


 近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなみ、5月12日は「看護の日」に制定されています。京都府看護協会は「看護の日」記念行事の一環として5月~8月に、看護師を目指されている中学生以上の学生および一般府・市民を対象にした「ふれあい看護体験」を実施しています。

 今年も西陣病院では、7月31日(土)に高校生3名を招き、看護を体験していただきました。食事介助の見学や全身清拭の介助を通じて、患者様と関わっていただきました。患者様から「頑張って看護師さんになってや」とエールをいただいた学生さんは「私が患者様に元気を与えようと思っていたのに、逆に患者様からいっぱい元気をいただきました。先ずは、頑張って勉強して看護学校に入学します」と看護師への道を歩む決意をあらたにされました。

看護の日 「ふれあい看護体験」の実施に合わせ、西陣病院では「ふれあい健康チェック」のイベントを開催いたしました。外来通院されている患者様や地域の方々に、身長・体重測定をはじめ、体脂肪率、血糖測定、血圧測定など実施しました。健康相談のブースでは、身体計測の結果をもとに日頃の健康に関する相談も受け付け、参加していただいた方々と色々なお話をさせていただくことができました。

 また、西陣病院デイケア利用者様の素敵な作品を展示させていただきました。細かな作業を必要とした作品ばかりで、外来患者様だけでなく、病院スタッフも多くの作品を見てとても感動しました。

 そして今年は、訪問看護ステーションの利用者様のご家族様の手記や、皮膚・排泄ケア認定看護師の活動をパネル展示しました。認定看護師の活動を初めてご覧になられた方も多く、このようなイベントを通じて、病院だけではなく、色々な場での看護活動をお伝えし、地域の皆様との交流を図っていきたいと思います。

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ピロリ菌と私達の関係は?

(この記事は2010年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

曽我先生 内科 医長 曽我 幸一

 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)は、「ピロリ菌」としてよく紹介されていますので、一度はこの名前をお聞きになったことがあるのではないでしょうか? 1982年にウォーレンとマーシャルが人の胃からの培養に成功し、翌年発表された細菌です。それまでは、胃内は酸性環境で細菌が生育しにくいという「常識」があったため、当初はなかなか理解が得られなかったようですが、現在ではピロリ菌と言えば、誰もが知っている菌になりました。

 ピロリ菌は大きさが3〜4μm程度ですが、片側に数本の細長い鞭毛を持ち、これを素早く回転させることで胃粘膜表面を自在に動き回ることができます。 また、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を持っているため、尿素を分解し、アンモニアを生成する能力があります。これによりピロリ菌は胃酸を中和し、菌体自身を守ることができます。

 ピロリ菌の感染原因を個々に同定するのは困難ですが、口から入って胃に定着するというルートが定説です。排泄される便や胃からの嘔吐物などが直接・間接に他人の口に入り、感染が成立すると言われています。感染率は衛生環境と相関があり、欧米では低く、東南アジアなどで感染率が高いようです。現在、日本ではその中間くらいで、幼少期の衛生状況に大きく影響を受けるため、感染率は若年者では低く、50歳以上で高いと考えられています。

 ピロリ菌が関連する疾患としては、胃・十二指腸潰瘍、胃癌、慢性胃炎などがあります。また、ピロリ菌感染と血小板減少症や慢性じんましんなどの意外な疾患での関連や、冠動脈硬化もピロリ菌感染者の方が起こしやすいことが指摘されています。このように、ピロリ菌感染から生じるさまざまな影響は、胃の病気にとどまらず、時には全身的な影響を引き起こすことが知られており、各分野で研究が進んでいるところです。

 自分の体でのピロリ菌の存在を確認するために、大きく分けて内視鏡を使う検査と使わない検査があります。内視鏡を使う検査として、内視鏡で組織の小片を取り、直接的にピロリ菌の存在を確認する培養法、組織鏡検法、迅速ウレアーゼテストなどがあります。現在は速くて、簡単で精度も高い迅速ウレアーゼテストが検査の中心となっています。

 また、内視鏡を行わずに間接的にピロリ菌を証明する検査として、検査薬を飲んだ後に呼気を集めて分析する尿素呼気試験や、採血で抗体価を調べる方法や便中抗原法などがあります。

 ピロリ菌への治療は、一般的には抗生剤と胃薬を使用した除菌治療が行われています。潰瘍を繰り返す方がピロリ菌除菌治療に成功すると、潰瘍が再発しにくくなることが知られています。 また除菌することで胃癌発症リスクが軽減し、一部の胃ポリープも除菌治療で消退することが知られています。

 日本ヘリコバクター学会はすべてのピロリ菌感染者の除菌を行うことを強く勧めていますが、残念ながら、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌内視鏡治療後の方に限って除菌療法に対して保険適応が認められており、その他の方に検査、除菌を行った場合は自己負担になるのが現状です。

 では、このようにさまざまな影響を及ぼしているピロリ菌に対して、どのように対応すればいいのでしょうか? 私たちは、まずは内視鏡検査(胃カメラ)を受けて頂くことをお勧めしております。当院では条件がそろえば、鎮静剤を使用した胃カメラを行うこともできますので、以前苦しかった方も一度検診のつもりで受けて頂くことをお勧めいたします。胃カメラは胃の病気だけではなく、食道、十二指腸の病気も確認することができます。ピロリ菌だけでなく、胃腸のことでも気になることがあれば、気軽に当院で御相談ください。

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