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デイケアだより 転倒を防ぐための環境整備

(この記事は2009年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

デイケア室主任 作業療法士 石原祐子

 東京消防庁の統計(平成18年度)によると、ケガが原因で搬送された高齢者のうち、転倒・転落による人が78%にものぼるそうです。どのようにしたら、転倒を防いで安全に生活することができるでしょうか。
 転倒・転落事故の要因として最近注目されているのが、次の12項目です(中間浩一氏の研究による)。

(1) 転倒・転落事故の経験
(2) 中等度以上の認知症
(3) 多動
(4) 早足
(5) 年齢(85~89歳)
(6) トイレ使用
(7) 骨密度低下
(8) 不穏
(9) 便秘
(10) バランス不良
(11) 抗生物質
(12) 視覚障害


 運動能力だけでなく、認知症などによる不安やあせり、周囲の状況がわからないなどの精神的な面、また、便秘や尿意ががまんできなくて急いで動こうとするなど、排泄行為の影響もわかってきました。
 さらに、転倒・転落事故の発生場所として、施設、自宅とも、廊下や階段ではなく居室が70%をこえていることも見逃せません(前述統計)。
 最も長い時間を過ごす居室での転倒を防ぐために、次のような工夫が考えられます。参考にしていただければ幸いです。

(1) なるべく床に物を置かない。
(2) コード類は移動のじゃまにならぬように、すみに固定する。
(3) じゅうたんやマットは、端を固定する。
(4) 夜間は足元に常夜灯をつける。暗くてもスイッチが見えるよう、蛍光テープを貼る。
(5) 床はすべりにくく光を反射しにくい素材にする。
(6) 階段の端にはすべり止めテープを貼る。
(7) 敷居などの段差には段差解消材、ミニスロープを貼り付ける。
(8) いすやベッドの高さは、一般的には、ひざが直角になり足底がしっかり床につくように。
(9) よく使うものは、背のびしたりかがんだりしなくても取れるところに置く。


※デイケア(通所リハビリ)では、介護保険「要支援」「要介護」の方に、転倒予防のための運動を取り入れたプログラムを行っております。お問い合わせ・見学ご希望の方は、電話461-8800(代)からデイケア室を呼び出していただくか、直接、西館地下1階デイケア室までおたずねください。

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「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第6回

(この記事は2008年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院栄養科 管理栄養士 小笹清香

骨粗鬆症

 骨粗鬆症は、骨の中がスカスカになり骨折しやすくなることから、高齢者の寝たきりの原因としても問題になっています。
~骨粗鬆症は、良い食習慣をつくることで予防できます~

●1日3度きっちり食事しましょう
●毎日、軽い運動・日光浴をしましょう
●カルシウムをしっかり摂りましょう
 (体の中のカルシウムは99%が骨(歯を含む)に含まれています)
目標 力ルシウム量1日600mg

カルシウムを摂るには牛乳・乳製品がオススメ!!
その他、ビタミン・ミネラルも豊富です
牛乳1本分の栄養(200mL=206g)

・エネルギー 138kcal
・たんぱく質 6.8g
・カルシウム 227mg
(五訂食品成分表より)
☆カルシウムの吸収を助ける食品を摂りましよう!
①ビタミンD
 きのこ、レバー、いわし、さんま、さば、さつま揚げなど
②酸味(クエン酸)
 酢、梅干しなど
☆リンの多い食品はほどほどに!
 ハム、ソーセージ、練り製品、インスタント食品などの加工食品はカルシウムの吸収を悪くします
きのこシチュー
(カルシウム量1人当たり 250mg)
<材料>2人分
しめじ 1/2パック・マッシュルーム 1パック・椎茸 1/2パック鶏肉 100g
玉ねぎ 1個・ジャガイモ 1~2個・人参 1/2本・ブロッコリー 1/4株
固形コンソメ 1~2個・水 200mL・サラダ油 大さじ1・バター 10g
塩コショウ 適量

(ホワイトソース用)
バター 20g・小麦粉 20g・牛乳 400g
<作り方>
1.鶏肉、野菜類、きのこを適量な大きさに切る。
2.バター・小麦粉・牛乳でホワイトソースを作る。
3.フライパンにサラダ油を熱し、鶏肉を炒めて一旦取り出す。そのフライパンにバターを熱し、玉ねぎときのこを炒める。
4.煮込み鍋にジャガイモ・人参を入れ、水とコンソメを入れて軟らかくなるまで煮込み、そこへ、炒めた鶏肉・玉ねぎ・きのこと、ホワイトソース・ブロッコリーを入れ、弱火で煮込む。
5.塩コショウで味を整えて完成!



前回の記事です
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第1回[2008年1月]
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第2回[2008年3月]
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第3回[2008年5月]
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第4回[2008年7月]
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第5回[2008年9月]

過去の関連記事です
    メタボリックシンドロームについて[2006年9月]

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「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第5回

(この記事は2008年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院栄養科 栗田文恵


禁煙のすすめ


 健康に良くないと思いつつ、なかなか止められないたばこ。これはニコチンの作用(薬物依存)か原因です。「百害あって一利なし」といわれるたばこは、多くの有害物門を含み、健康にさまざまな悪影響を及ぼします。

 喫煙は、がんにかかりやすくするだけでなく、動脈硬化を進行させ、脳卒中や虚血性心疾患のリスクも高めます。メタボリックシンドロームの予防には、禁煙を実行しましょう。


あなたのニコチン依存度をチェックしてみましょう!


朝、目覚めてからの最初の1本は?
 30分以内 ・・・ 1点
 30分以降 ・・・ 0点

最もやめにくいたばこは?
 目覚めの1本 ・・・ 1点
 それ以外    ・・・ 0点

多くたばこを吸うのは?
 午前 ・・・ 1点
 午後 ・・・ 0点

いつも吸っているたばこのニコチン値は?
 1.3mg以上    ・・・ 2点
 1.3 ~ 1.2mg ・・・ 1点
 0.9mg以下    ・・・ 0点

禁煙場所でたはこを我慢できますか?
 NO ・・・ 1点
 YES ・・・ 0点

1日の喫煙本数は?
 26本以上  ・・・ 2点
 16 ~ 25本 ・・・ 1点
 15本以下  ・・・ 0点

病気で寝込んでいる時も吸いますか?
 YES ・・・ 1点
 NO  ・・・ 0点

煙を肺の中に吸い込みますか?
 いつも ・・・ 2点
 時々  ・・・ 1点
 NO   ・・・ 0点

判定

0点 ~ 3点 低い
 依存度が低いので禁煙しやすいが、心理的な依存が大きい

4点 ~ 5点 中等度
 やめてもまた吸いたくなる。禁煙の強い意志が必要。

6点 ~ 11点 高い
最も頑張りが必要。離脱症状は一過性のものです。1日も早く禁煙を。

(厚生労働省健康局保健指導事例集文献引用)

 禁煙には、本人の努力だけでなく、まわりの人のサポートも大切です。ニコチン依存が強い場合は医療機関のサポートが必要になる場合もあります。詳しいことは、医師に相談されてはいかかでしょいか?


お酒はほどほどに


 適量を守れば、お酒を飲む習慣はむしろ生活習慣病による死亡率の低下につながると言われています。

 「ほどほど」に注意して、健康的な飲み方を習慣にしましょう。

メタボリックシンドロームを防ぐ飲み方
飲酒
 1.節度ある適度な量を守る
 2.摂取カロリーは脂肪で減らす
 3.スナック菓子をつまみにしない
 4.休肝日を設ける
 5.お酒に頼らないストレス解消法を見つける

節度ある適度な飲酒(純アルコール20g)の目安量(1日)


 ビール:中ビン1本強=(540mL)
 清酒:1合弱(160mL)
 ワイン:グラス2杯弱(220mL)
 ウイスキー・ブランデー:ダブル(60mL)
 焼酎(35度):半合弱(70mL)



前回の記事です
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第1回[2008年1月]
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第2回[2008年3月]
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第3回[2008年5月]
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第4回[2008年7月]
続きの記事です
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第6回[2008年11月]

過去の関連記事です
    メタボリックシンドロームについて[2006年9月]

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「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第4回

(この記事は2008年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

西陣病院栄養科 河本久美子


Check!糖尿病

メタボリックシンドロームの診断基準

 空腹時血糖値・・・・・110mg/dl以上
 (糖尿病と診断される「空腹時血糖値126mg/dl以上」より低めの数値が設定されています。)


<糖尿病の危険因子>

 ◆肥満 ◆食べすぎ
 ◆運動不足 ◆ストレス

<血糖値を上げない工夫>

 ◆規則正しく3食に分けて食べましょう。
 ◆早食いやまとめ食いはやめましょう。
 ◆就寝の3時間前は食べないようにしましょう。
 ◆【主食・主菜・副菜】をそろえましょう。
 ◆油料理は控えめにしましょう。
 ◆野菜料理は毎食1品以上取り入れましょう。
 ◆アルコールやおやつの摂りすぎに注意しましょう。

内臓脂肪は運動と食事で無理なく減らしましょう!

体重1kg減量=7000kcal消費が必要


1ヶ月に1kg減量するには

7000kcal÷30(日)=1日あたりに減らすエネルギー 233kcal
このエネルギーをどのように減らしましょう?

運動で80kcal

 ●速歩
  10分 40kcal
 ●自転車運動食事
  20分 80kcal
 ●水泳
  10分 100kcal

食事で153kcal

 ●チョコレート
  1/4枚 80kcal
 ●ショートケーキ
  1個 390kcal 
 ●ビール
  350ml 140kcal
 ●日本酒
  1合 193kcal


前回の記事です
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第1回[2008年1月]
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第2回[2008年3月]
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第3回[2008年5月]
続きの記事です
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第5回[2008年9月]
    「メタボリックシンドローム」と生活習慣の改善-第6回[2008年11月]
過去の関連記事です
    メタボリックシンドロームについて[2006年9月]

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デイケアだより 看護の日 作品展開催

(この記事は2008年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

デイケア室主任 作業療法士 石原祐子

 5月10日(土)、新しくなった本館1階ロビーにて、恒例の「看護の日」の行事が行なわれ、今年もデイケアの作品を展示させていただきました。

デイケア作品1 今年初めて出品されるのは、かわいいネコとイヌのぬいぐるみです。縫製しにくい伸縮性のある布地を使ってていねいに作られており、「お店で売っているのより上等」と、人気を集めていました。階段状になった引き出し小箱は、とても牛乳パックでできているとは思えない作品ですね。作られた方も「我ながらなかなかの出来」と、とても気に入っておられます。

デイケア作品2 おなじみの革細工は、大きなかばんとポーチ。模様も染め上がりもきれいですね。くるみ絵は、お寮りや着物姿の女の子、ぞれに、雪昏の風景や赤富士と鶴の大作もみごとでした。

 書類立ては、ダンボールも利用してとてもがんじょうに、美しく仕上げられています。折り紙細エも、宝船、こけし、ドラゴンボートなど、作られた方の苦労が伝わってくる見ごたえのある作品ばかりですね。 出品してくださった皆様、見に来てくださった皆様、ありがとうございました。来年もお楽しみに。

デイケア作品3デイケア作品4

 





 デイケア(適所リハビリテーション)では、介護保険「要支援」「要介護」の方に、手工芸も活用しながら、体と心のリハビリを目的とした活動を行なっております。お問い合わせ、ご見学ご希望の方は、電話:075-461-8800(代)からデイケア室を呼び出していただくか、直接、西館地下1階デイケア室までおたずねください。


当日のイベントに関する記事です
    看護の日のイベント [2008年7月]

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